優しさに包まれたなら

2019年3月19日(火)
Cuba Trinidad
キューバ トリニダード にて

早い時間帯に寝れば早くに目がさめるのは必然。
5時からすでに恣意的に夢を見るような状態だったので観念して起きた。

さて。

外はまだ暗い。
宿は静けさの中。
7:00まで待ってから明るくなり始めた町にそっと出た。

 

朝方は運送の大型トラックがやたら沢山走っているためにより空気が悪い。
ドアを開けた瞬間から排気ガスにむせかえった。

 

公園でWi-Fiに繋いだ。
クレジットカードが使えない理由はどうなった??
メールをチェックすると…

『このたびはご不便をおかけし、申し訳ございません。
お調べいたしましたところ、セキュリティ上、
カード利用を制限しているご利用分がございます。

誠に申し訳ございませんが、詳細につきましては、
電話でのご案内となりますので、下記へご連絡いただきますか、
下記項目についてご返信をお願いいたします。

・連絡可能な連絡先電話番号
・ご都合の良い時間帯(日本時間・24時間受付)
なお、お急ぎの場合は、電話にてご連絡をお願いいたします。』

だから電話できないからメール対応でなんとかしてくれって頼んでんのにイイイイ!!!!
全然通じてねぇ!!!

また日本から代わりに電話してもらえないか叔母とLINEで相談した。

「多分代理で日本から繰り上げ返済の連絡したのが問題なんじゃない?
下手したら完全に使用差し止められちゃうかもしれないから、
コレクトコール使ってなんとかそっちから電話してみて」

コレクトコールってなんじゃ(´Д` )

調べて…
あ、はいインターネット切れました。

くっそー!

そしたらとりあえず新しいインターネットカード買うか。

公園横の電話ショップに行ったら、開店までまだ1時間以上あるのに5人くらい人が並んでた。
なんだよこれ…

iPadで微分を勉強しながら1時間待機。

インターネット屋の前で待つ自分

で、オープンしました。
中で15分ほど順番が来るまでまた待つ。
みんなノロノロ動いてて仕事が遅い…

奥に一般の人が使えるパソコンコーナーみたいのもあって、そっちに入って行くおばさんがやたら多い。

で、みんな知り合いなもんだから、会うたびに仕事の手を中断して、
あの顔を寄せ合ってチュッてやる挨拶して雑談交わして、
やっとまた作業に戻って、また友達が入ってきて…

ってのを繰り返してる。

早くしろやー!!

 

無表情でヤル気のないお姉さんにカード2枚欲しいことを告げてパスポート提示。

ダラダラ作業して、ようやく買えた。
2CUC。
あぁ、高い…

またスクラッチ部分が破けたりしたら交換のために再び並んでるヒマなんかないので、
目の前でコインで削った。

慎重に慎重に…

つぶれたインターネットカード

はい、ハズレ。

おいコラあああああ!!!
ザケンナぁあああああ!!!

当たり付きアイスじゃねぇんだぞ!!
どんだけの割合でハズレあんだコノヤロウ!!!

心はキレながらも平静を装い、
「コココこれまたダメだったんですけど?すぐ交換してくれません?」と丁寧に依頼した。

「私は出来ないわ。後ろのカウンターの順番に並びなさい」

こここ、コロ、ころ…

後ろのカウンターでは半分寝てるんじゃないかってくらい動きがノロいおばさんが別の職員とずっと話をしている。

早くしろおおおおおおおおお

更に20分待った頃、その会話が終わりかけたところでおばさんの上司みたいなおっさんが登場、
なにかを依頼して、分厚い書類の束を印刷してもらい始めた。
こっちゃあ先に待ってんだぞオイこら上司いイイイ!!

そのプリントアウトし終えた分厚い書類1つ1つにサインをしているオッサン。
おばさんはそれを待って携帯いじってる。

イライライラ…

おばさんがどう見ても暇してるのでたまらず「このカードの交換お願いしたいんですけど?」って話しかけたら、

「今こっちの人の対応してるでしょ?そこで待ってなさい」

キイイイイイー!ムカつくううううう!!

 

更に待つこと20分!!

 

既に2時間近く待ってんだぞチキショー!!

ひっひっふー
ひっひっふー

「次ー」

「カード交換してくださいませんかね?!!」

「いつ買ったもの?」

「1時間くらい前に、目の前で、買ったものですよ」

「じゃあダメね。当日は交換不可よ。明日来なさい。」

ファック!!!
大人になって始めて人前でキレたかもしれん。
目の前でその使い物にならないインターネットカードを破り捨ててオフィスを飛び出した。

ハズレカードで判読できない数字は3桁、つまり000〜999まで1000通りもパターンがある。
あてずっぽうでやってる暇はない。

明日の午後には既に飛行機でキューバを出なきゃならないから、今日交換できないカードなんてゴミだ。

朝日が昇る街並み

幸い、買ったもう1枚は使えた。
すぐに公園でコレクトコールに関して調べた。

どうやらコレクトコールってのは、電話を相手払いにするシステムだ。
国際電話はめちゃくちゃ金がかかる。

だからクレジットカードや病院関係の緊急時にお金をかけず連絡出来るように用意されてるのだ。

たしかに楽天からのメールにもコレクトコールの場合はこちら、と電話番号が載っていた。

ダメ元で試しにかけてみたけど、スペイン語でなにかのアナウンスが鳴ってからすぐに切れてしまう。

俺、自分の通話契約ないもんなぁ…

LINE OutとかっていうLINE電話のサービスもあるみたいで、
非通知でよければ広告を見たあとに無料で電話ができるというサイトを発見。

試してみたけど、
無言。

なんの反応もない。
やはりWeb電話じゃダメか…

コレクトコールにかけるには、
まずコレクトコールの案内に電話して、通話したい相手先を指定しなきゃいけないらしい。

だからそのコレクトコールのオフィスに電話したいのだけど、かけるオフィス番号は国ごとに違うみたい。

で、キューバからのコレクトコール番号を調べたけど、
どこにも載ってない。
そして最終的に、キューバにはコレクトコールが無いとの記述をあるブログに発見した。
もう!!

これじゃ、宿とかホテルとか、他の場所で電話を頼むことは不可能だ。
キューバ人の値段感覚で国際電話とかかけたら破産させかねない。

じゃあ公衆電話か?
公衆電話の近くにいる人に尋ねたら、例の電話ショップでテレフォンカードを買わなきゃなんないそうだ。

現金の場合は、CUCは不可で、CUPにしなきゃなんない。

「この1CUP、1CUCと交換してやろうか?」

フザケンな、1CUCは25CUPだ。

再びネットで調べたら、キューバで買えるテレフォンカードは、最大で15CUCのカードだ。
つまり1650円くらい分。

国際電話は最初の3分に2000円以上かかるらしい。

つまり1番高いカードですら電話出来ない。
というか、15CUCも持ってません。

 

これで、残る選択肢は1つだけになってしまった。

それは、他人に頼み込んでお金を借りること。

ま、マジで、それだけはしたくなかった…
自分からお金を貸してくれだなんて…
く、く、く(T_T)

ローンとか融資、クラファンならともかく、
他人に旅の経費を出させるお願いは…ぐぐぐぐ…

くっそー!!!!

 

まずはじゃあ、空港までの交通費を確認しなければ。
バスターミナルに行き、VIASURの値段を聞いた。
バスは9:30と14:30の1日2便ある。

「ハバナまでは25CUCだよ。でも空港行きはないから、ハバナ市街からタクシーだね」

ハバナ市街地から空港まではかなり遠い。
ローカルバス乗り継いで6CUCかかったから、タクシー使ったらもっと高いだろう。

それならばと、直接空港に行けるタクシーの値段を聞いてみた。

近くの運ちゃんを逆キャッチ!

「空港までなら30CUCだ。今日は無理だけど、明日の朝ならいいぞ。8:30から4時間だ。」

よし、イケる!
連絡先を聞いて、あとでまた連絡することを約束した。

さて、そうなると借りたい金額は30。

日本人を見つけられれば、返済もしやすい。
ってことで日本人を探すけど、

まぁそう都合よく行きませんよね。
だってこのキューバ滞在中、2日目にハバナの公園で1組のカップル見かけただけだもん…

ある老夫婦がインターネットの電波を探してウロウロしていたから、
そのベンチのところが1番繋がりやすいですよ、と教えてあげた。

ついでに、近くで日本人を見ていないか尋ねた。

「昨日会ったのよー。同じ列車に乗ってたの。あの記念列車。
でもどこに泊まってるかとか、分からないわ…」とのこと。

そ、そうですよね(T_T)

事情を話して、お2人がどちらから来られたか尋ねてみた。

「フランスよ」
「ほにゃららホニャララ」

いきなり横に座ってたキューバ人の高齢のお爺さんがフランス語で話し始めた!
なんて言ってるか分からんが、完全にフランス語会話が始まってしまった。

あ、ダメだこりゃ(´Д` )

その横で、日本人はおらんかや〜と周りの人混みに目を凝らす。

日差しが肌をジリジリ焼いてくる…
正午を告げる鐘がなった。
は、腹減った…

フランス語のお爺さん、たっぷり話して満足したのか、どこかへ去っていった。

「えーと、何か私たちに力になれることが無いかしら?」

はっ!

わなわな

「そ、その、もし可能でしたら、…
空港までのタクシー代、30CUCをお貸しいただけたら、
とてもとても、助かります…。
口座番号を今ご存知でしたら明日中に送金しますし、
なんなら住所を教えていただければ、あなた方のお宅へ直接返済に伺います!」

2人が顔を見合わせた。

「あぁ、構わないよ。30CUCだね?」

はわわわわ(´;ω;`)

奥様が、ご主人の背中にメモ帳を当てて、住所とメールアドレスを書いた。

「はい、これ、私たちの名前と住所よ。
これがgメールのメールアドレス。うふふ、フランスに来てくれるの?」

「はい、必ず伺います!
今年…は厳しいかもしれませんが、今年か来年の夏に、会いに行きます!
夏も旅行に出られたりしますか?」

「いいえ、家にいるわ」

「では、伺う前には、こちらのメールに連絡します!
これ、僕の連絡先です。もしも日本に来る機会がありましたら是非連絡ください!」

ネリソンさんご夫妻、本当にありがとうございます!
これで生き延びられました!

ご夫婦と一緒に写真

宿に戻ってGoogle翻訳使いながらスタッフさんに事情を話し、
タクシーの運転手さんにここの宿の住所を伝える電話をしてもらった。

これで明日の朝迎えが来て、空港に直行だ。

タクシー代払えるお金が手に入ったってことはカードが復旧したのでは?
それだったら1泊10CUC、払ってもらいたいわ、とスタッフさんに詰め寄られた。

す、すみません、交通費分だけ、親切な旅行者からお借りしたんです…

と告白。

「ハァ…。それなら仕方ないわ。…今夜はどうするの?」

2泊も無理は言えないので、テント泊します…

「私たちは友達を外には寝させたくないわ。
どこも当てが無いのなら、またうちに泊まりなさい。代金はいいから」

あああああ(ToT)

ほんっとうにすみませんんんんん!!!

今夜は泊り客は他にいないそうだ。

 

また空けてもらった部屋でベッドにバタっと倒れこんだ。

はぁ…交通費、寝床。
迷惑掛けてんな…

あとは耐久戦。
朝まで待って、空港に行って、飛行機でメキシコに飛べば、
ネットも自由に使えるし、コレクトコールも出来るはずだ。

カードが復活すれば旅も再開できる。

…でも、まだ問題の根本が解決したわけじゃ無い。

いつカードが使えなくなってもおかしく無い。
このリスクを解消せずに旅を続けるのは、反省をしてないのと殆ど変わりがない。

この旅、もっとショートカットして、すぐに帰国しよう。
体勢を整えないと、また迷惑をかけることになる。

腹がグゥとなる。

 

コンコン

ドアがノックされた。

「こっち来なさい」

「?」

「どうせ何も食べれて無いんでしょ?おかわりあるから」

ネェさんんんんんん!!!!

まかないスープ

午後はおとなしくテラスで本を読んでました。
サルサ教室に屋上を貸してるらしく、2回戦、クラスが開催された。

シアトル出身のおじさんが話しかけてくれて、シアトルは自然が最高だぞ!
マウントレーニアへの登山と湖で泳ぐこと、これはマストだ!また旅においで!とオススメしてくれた。

明日、遂に?
ようやく、キューバ最終日。

テラスと本


2025年5月追記

以下、ネリソン夫妻宛てのメッセージ

Dear Mr. and Mrs Nerison

Thank you so much for kindly lending me transportation money in Trinidad, Cuba.

Thanks to your help, I was able to safely board a flight from Havana and leave Cuba.

After that, I managed to resolve my credit card limit issue and was able to complete the rest of my journey without any trouble.

I still feel deeply sorry that I haven’t fulfilled my promise yet to return the money to you in France.

Just after I finished my travels, the COVID-19 pandemic covered across the world, and shortly after that, I had a child, which has made it difficult to travel abroad.

I am not yet sure whether I’ll be able to visit when my child becomes more independent, or whether I’ll come together with my son, but I truly hope to visit you as soon as I can.

When I go to France, I will be sure to contact you in advance in some way.
And if you ever come to Japan, please do let me know.
I would love to show you arround!!

Wishing you continued health and well-being.

Ronnie Igarashi

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