2019年2月6日(水)
USA Williams 〜 Las Vegas
アメリカ ウィリアムズ 〜 ラスベガス
セットした目覚ましがなる少し前に、車の車体を叩く雨音で目を覚ました。
うわぁ、今日もスタートからヘビーモードっぽいな…
日はまだ上っていない。
おそらく0度近い寒さの車の中、ごそごそと支度をした。
車が凍ってる…
さっき雨だと思ったのは雪だったみたい。
それも止んだようだ。
アメリカ全土に大寒波が来ているらしいから、
雪が降るのもまぁ仕方ないか。
雪を払い落とす。
エンジンをかけてエアコンで曇った窓を解凍してる間に朝ごはんにアボカドサラダとオレンジを食べた。
車の温度計は18°Fを示してる。
ファーレンハイトわかんねー。
とりあえず手足が凍りつきそうな寒さなのは変わらない。
(※後から確認したところ摂氏マイナス7度でした。そりゃ寒いわけだ。)
ここはウィリアムズって町の、カタラクト湖(Cataract)の横の公園。
滑り台の簡単な遊具と、屋根付きのバーベキューエリア、それにトイレがある。
各街灯に電源がついてるから充電出来るかもしれないけど、
こんな極寒の冬場に機械を外に置いとくとかとても考えられない。
凍り付いてぶっ壊れかねない。
バッファローもびっくりだわ。
アリゾナ州のラジオが入ってくる。
冬の嵐がアリゾナ一帯にも来ているらしく、今日の昼くらいまでは続くとのこと。
まいったね。
行きはよいよい帰りは恐い、ってか。
よし、窓が解けた。
雲の合間に晴れ間も見える。
ラスベガスに帰るぞ。
進むにつれて道路の雪も減っていった。
最初は制限速度65マイルでも30マイルくらい出すのが精一杯だったけど、
徐々にスピードを出せるようになって嬉しい。
途中にあるKingsmanってインターチェンジで一度下りてマクドナルドに寄った。
コーヒー購入。
そういえばラスベガスやグランドキャニオンのタスヤンではスモールサイズでも1.75ドルしたマックのコーヒー。
モニュメントバレーに行く途中のカエンタとかここキングスマンではなんと全サイズ1ドル。
多分観光地価格になっていたのだろう。
コーヒーと一緒にベイクドアップルパイ、1.08ドル。
やがて空は晴れ晴れとした青空になった。
絶景を見ながら車を軽快に走らせる。
美しすぎる山々を超えてラスベガスの街が見えたときには、思わず「ただいまー!」って言ってしまった。
なんだろ。
今まで感じたこともなかったけど、というかむしろずっと嫌だったのだけど、
「帰る」って意外といいもんだな。
さっきマクドナルドで今晩の宿を予約しといた。
この前と同じ、ラスベガスホステル。
今回は平日なので15ドルプラス税で16.95ドル。
レンタカーを返す前にホステルに寄ってバックパックなんかを預けた。
チェックインは15:00だもんね。
渋滞のラスベガスのメイン通りを抜けて空港近くまで。
Herzとかの有名どころや他の安いレンタカーはまとまったビルに入っている。
ただSixtはなぜか別。
新しい会社なのかな。
同じようにレンタカー返却用の大型駐車場があって、
道路標識にその案内があったから辿っていたのだけど、
俺の借りたSixtは返却もSixtの敷地だった。
知らずに入った駐車場に案内看板がないことに気づいてそのまま出口へ。
ちなみにその大型駐車場もSixtオフィスも向かい合ってるから迷うことはない。
指定の位置に車を止めたらSixtの係員のおばちゃんがやってきた。
荷物をまとめている間に車体チェックや走行距離、ガソリン残量などを手早くチェックしてくれてたので、車から降りたらもうおしまい。
「あとで明細をメールで送りますね!空港へのシャトルバスはあちらです。では!」
って感じ。
超簡単!
ガソリン残量は半分以下。
走行距離は無制限ってやつだから追加支払いはないはず。
今回相当走ったけど、何キロくらい移動したんだろう。
洗車はしてないから、あちこち泥だらけ。
クリーニング代が高くつかないといいけど…
バスを乗り継いで、トロピカーナってホテルの近くまできた。
シェイクシャックで昼ごはん!
ここのバーガーは値段高めだけど、どうせマクドナルドですら観光地価格になってるのだから、
最初から高めのところに行ってしまった方が賢いってもんだ。
ダブルハンバーガー!
税込み8.32ドル!贅沢!
ここのモチっとしたバンズと、バーベキューのような直火焼きの香りがする肉がなんともうまいんだよなあ。
付け合わせのソースをどうやって乗せるものかと考えさせられた。
俺はバーガーをそのままソースカップにディップする形でいった。
うん、汚い。
でもうまい。
さて、今日はひとつやることがある。
それは何かに一回、賭けること!
俺は無類のギャンブル嫌いだしゼンッゼン賭ける気しないのだけど、
やっぱりラスベガスに来たのなら、1回は何かにチャレンジしたい。
初日に色々見て回ってみて、やるならブラックジャックかなと当たりをつけてある。
スロットなんてなんの面白さもない。
プログラム1つで勝てるようにも勝てないようにも確率を設定できてしまう。
ルーレットは分かりやすい。
ハイかローかだ。
五分五分に感じられるけど、担当するディーラーの給料だって払わないといけないのだから、
必ず負ける確率が高く設定されてるはずだ。
どういう仕組みかは分からんけど。
ルーレットの機械にはありがたいことに、過去20回分くらいの出目の記録が残ってて、
さらに丁寧なことに赤は何パー、黒は何パー、頭18までは何パーと全ての確率が表示されている。
これで勝つ確率の高い時だけを選んでピンポイントで賭けていけば儲ける確率は高まりそうだ。
でも見てると、勝った人はディーラーさんにチップを渡してる。
なるほど。
仮に当たりやすいほうに賭けて勝っても、チップを払わないといけないとなるともはや通算で儲かる見込みはないな。
と読んだ。
ポーカーは面白そうだけど、思うに、最もディーラーやプレイヤーの腕がモノを言うゲームだ。
素人が手を出しても財布を掻っ攫われるようなもの。
ブラックジャックなら運と腕のバランスが良さそう、とみた。
前に会ったプロギャンブラーののぶきさんも
ブラックジャックで勝てるようにしたって言ってたもんな。
最低15ドルかららしい。
まぁまぁするなー。
5ドルくらいで遊びたかった。
ほかに誰もいないブラックジャックのテーブルに座った。
初めてなんです、と告知して、パスポートで年齢チェック。
どこから来たの〜とか、色々気さくに話しながらやり方を教えてくれる。
背の高い、性格キツそうな女性。
でも優しい。
20ドル札しかないので20ドルをコインに変えてもらった。
1ゲーム15ドル分は賭けないといけないらしくて、赤いコインを3枚を出すように指示された。
んん?ってことはこれ1枚5ドル。
明らかに20ドルで20ドル分以上のコインを貰ってる。
なんか初回ポイントみたいな感じでサービスしてくれるのか?
よっしゃあああ行くぜー!!!
1ターン!
いきなりブラックジャックを引き当てて無条件勝利!
3ドルゲット。
なんだこれ。
ちょっとつまらん。
買ったけど、一瞬すぎる。
2ターン目!
16対19で負け!
3ターン!
持ちカード12だったからもう1枚引いたら22になってしまってバースト。
4ターン!
3回も追加で引いて、通算17。
これで勝負だ!
ディーラーさんは20。Σ(゚д゚lll)ガーン
残りコインは8ドル、これで15下回ったからおしまい。
はい、終了!
うわぁ、4ターンで負けかー。
5分で12ドル飛ばした。
は、儚い…
「ブラックジャックには戦略があるのよ。勉強してからまたおいで」
と言ってくれた。
お姉さんありがとう!
よーっし終わったぞー!
「ベガスでベットする」
のミッション終了!
いやぁツマランなぁ。
なんだろう、勝てないとわかってるものに金を払わないといけないこの気持ち。
ムダ遣いでしかない。
ゲーム自体がとても楽しいものであれば、ゲームセンターと同じで、
その娯楽に対する対価って捉えられるけど、
ここではやはり目的は勝つこと。
儲けること。
だから確率上、負けるほうが高いとわかってるものに挑むっていうのが不毛すぎる。
あと室内みんな喫煙可ってのも最低。
換気はされてるし喫煙者も品良く吸ってるけど、それでも毒は毒。
空気悪くて居心地が悪すぎて、ゲームしながらも一刻も早く外に出たくて仕方なかった。
予想通りだったけど、ラスベガスつまんねー!!!
帰ろ帰ろー!!
ホステルで夕飯。
キッチンで自由に使えるのはオートミールと基本の調味料と油くらい。
オートミール大好きだけど、日本だとメジャーじゃないからやっぱり食べる機会はあまり多くなくて、
甘くする以外のレパートリーをまだ持ってない。
ちょっと新しいレシピ試してみるか!
まずニンニクをオリーブオイルでアーリオオーリオしてから、
ハムを追加して炒めて、そこにクエーカーのオートミールを1食分投入。
リゾットのように油を絡めたら水を追加して、混ぜながらゆっくり煮た。
出来上がったオートミールを皿に移してから、今度は同じ鍋に缶詰のソースを入れて温めた。
キドニービーンズとひき肉が入ったやつ。
テキサスなんちゃらって書いてあった。
1.40ドルくらいだったはず。
温まったらそのソースをオートミールの上に乗せ、
ちぎったレタスとカットしたアボカドものっけた。
完成、タコライス風オートミール!
うむ、いける!
食べていたら隣に日本人ぽい青年がやってきたから話しかけてみた。
「どこからきたの?」
「ジャパンです」
「あ、どちらの県から?(^_^)」
「え、あれ、あ、日本人ですか?!神奈川県です(笑)」
彼はケント君。
神奈川県住まいの大学生で、春休みの間に2週間のカリフォルニア・グランドキャニオン旅に来たそうだ。
すでにサンフランシスコ、ロサンゼルスを回ってきてて、明日の晩からグランドキャニオンに行く。
「世界一周ですか?!うわぁ、凄いですね!いやぁ、怖くないですか?!僕は怖すぎて1人で世界一周なんてとても出来ないです」
お、意外な反応来た!
ヨーロッパとかモロッコで会った旅人たち、可愛い小さい女の子らですら東欧・南米・アフリカをガンガン攻めてってたから、このふつーの意見に逆に面食らってしまった笑
たしかに、それがフツーの反応だよなぁ。
「今日ラスベガス来たから中を見たいなと思って、あのカード?作ろうとしたんですよ。
そしたら年齢制限が21歳かららしくて、作れませんでした。
『じゃあ中見学だけしてもいいですか』って聞いたらそれもダメで。
『来年以降にまた来てね』って言われちゃいましたよ。」
真面目!
中を見て回るくるいなら別に許可要らんし、適当に入ってみたら?笑
「え、いけるんですか!?じゃあちょっと明日リベンジしてきます!」
「アメリカはアルコールも21歳からみたいですね。
せっかくだからウイスキー好きだしバーボン買おうと思っていたのに、それも出来ないんです。あと半年で21歳なだけにマジ悔しいです」
それは切ない(´Д` )
代わりに買ってこようか、と打診した。
でも帰りの飛行機で預け荷物がないらしく、液体は機内持ち込み出来ない、という別の理由もあって買うのは断念したみたいだ。
なるほど。
そんならビールでも、と隣の酒屋にビールを買いに行った。
バドライトを2本購入。
小さい500mlくらいのも扱っててありがたい。
どこも缶がデカすぎるんだよ。
宿のダイニングルームで飲んでたら、別のテーブルで飲んでいたおじさんと隣のスペイン語を話すおばさんが合流して盛り上がった。
2人とも英語とスペイン語が話せる。
おじさんの方は英語の先生だ。
「私はハーフなんだ。母親がメキシコ人で、小さい頃はスペイン語で母親と話していたけど、やっぱり周りの環境が英語だからね、話す機会もなくなってしまって、早口で話されると理解できなかった。8歳の時、母方の叔母と会ったときに叱られたんだ。アンタは今すぐスペイン語勉強しなさい!って。そこから猛勉強したおかげで、今はどちらもスムーズに話せるんだ。」
やっぱりハーフだと、みんな似たような道を通るんだな。
おじさんは8歳からスペイン語を本気で勉強し始めたという。
俺は6歳まではフィンランド語をふつーに話していて、
それ以降一切の関わりなく、次に勉強し始めたのが25歳。
これからネイティブ並みに持ってくのは大変だろう。
「私はスペイン語の音楽はもう聞かないの。英語を身につけたかったからね」
というのはジャディーラ。
ジャディーラはスペイン語が母語で、あとから英語を学んだ。
「耳から入ってくる音声を全部学びたい言語にすることで上達は早くなるのよ。
だから私は英語の音楽をたくさん聞くようにした。
って言っても、歌詞に使われる英語は聞き取るのが難しいんだけどね。
夢で話している言語が変わった時に、本当に身についたと言えるそうね」
ふむふむ。
うちの父は未だにたまにフィンランド語の夢を見るというから、
話すのがうまくはなくても、ネイティブの域には入ってるってことだ。
俺はまだ英語ですら夢には出てこない。
まだまだだな。
ナパレスというらしい。サボテンの仲間。
メキシコでは野菜として普通に使うような一般的な食材なんだとか。
うーむ、味しない。アロエみたい。
おじさんがビールをくれた。
ピルスナーだけど黒ビールのようなダークさがある。
「これはメキシコで定番のビールなんだ。やっぱり黒ビールが好きだね私は!」
みんなでチアーズ!
「旅行で使うような定型文ならいけるんですけど、
こういう日常で使うやり取りの英語がまだ分かんないんですよねー。
今日本語で話しているような、こういう会話。これが目標ですね!」
ケント君はまだ20歳。
この歳でアメリカ旅できてれば絶対成長早いはず!
頑張って自由に使えるようになりたいね!
楽しく話しているうちに00時近くになってしまったのでおひらき。
ホステルは色んな人との出会いがあって楽しいなー!!
と寝室に戻ったら、床にゴミを散らかりまくってる…
すごいアルコール臭さを発して爆睡している酔っ払いのせいだ。
こ、これも安宿の醍醐味ですね(´Д` )
出来るだけ楽しい気持ちを心に抱えたまま、二段ベッドによじ登って目を閉じた。
コメント