Moi!
こんにちは、最近は具体性をこそぎ落として抽象性を高めようといるロニーです。
今回のブログは前回(飯能駅に近い素敵なカフェ、CAFE crockと公園に行った話)
に引き続き飯能に行った話ですが、今回はそこで考えさせられたお話。
僕はこれまでに「成し遂げた」とか「成功した」と呼ばれるような成果が特にありません。
それが故に、アラフォーに足かけ始めたこの齢にして未だ蛇行運転をしているわけですが、
割合今はさっぱり感がありまして、
周りの目だとか、自分の理想像とのギャップといったものに対する捕らわれから解放されている心持があります。
それは、自分のやりたいことをやろう、自分で人生をデザインしていこう、という考えが自身に浸透してきたからだと思います。
今回は飯能の古民家エアビー宿のオーナーの野口さんと、妻クルタさんの友人のご主人、通称Dさんとの対話から感じたことから翻って、人生デザインなどについて書こうと思います。
自分で人生をデザインし、表現する
時代と場所という根拠
今は宿のオーナーをしながら、木工のワークショップをしたり、畑仕事をしたり、ツリーハウスを作ったりと、田舎暮らし×モノづくりのような切り口で生活している野口さんですが、元々の専攻は油絵だったそうです。
「絵を勉強するためにヨーロッパに行ったんだけど、気持ち悪くなっちゃったんだよね。
毎日美術館やギャラリーに行って延々と絵を見て回っていてさ。全部吸収して学んでやろうと思ってたんだけど。
油絵は向こうが本場じゃない?日本にも西洋の絵はやってきていて見れるけど、それって膨大な数の中の、ほんのごく一部でしかない。
向こうで見るどの絵も、その時代の中で生まれたもので、ちゃんと歴史的な背景っていうのかな、根拠があるんだよね。
そういったものに触れたときにすごく『あ、俺、アメリカ人だ』って感じちゃった。」
「ヨーロッパのどの絵も素晴らしいんだけど、その中でもアメリカの影響の大きいモダンアートなんかが一番しっくり来たんだよね。あとコーヒーとか。ヨーロッパはエスプレッソ文化でしょ?
でもそこでアメリカンコーヒーを飲んだときにすごく美味しいなーって思っちゃった。ハンバーガーとか。
自分では自分を日本人だと思っていたけど、味覚とか感性とか、アメリカナイズされちゃってるの。これは衝撃だった。」
その気持ちはなんか分かります。
僕も旅をしたとき、海外に出て客観的に自分や自国を見つめてみて、怖いくらいアメリカの影響下に居ることに気付いた経験があります。
それまで日本っていう国は世界の他のあらゆる国と独立して対等な感じで接しているような捉え方をしていましたが、実はアメリカによる社会的、文化的、国際的影響力が強すぎて、アメリカという大きな膜の中にいて、そのフィルターを通して他の国を見ていたことに気づかされました。
だからといって仮に「純粋な日本」を求めたとしても、常に対外との関係性の中であらゆる影響を受けて変化していく文化の中では何を以て純粋とするかは定義できない。
フィンランドについて深く知れば知るほど、ロシアとスウェーデンが細胞の一部として深く根差しているのが分かりますし、同様に台湾に行ったときは日本+中国を強く感じました。
北アフリカ地域にはアフリカ中南部とは大きく異なる、サハラと地中海沿岸とアラブを混ぜ込んだアイデンティティがありますが、その国々の中でもモロッコにはスペインが、チュニジアにはイタリアが大きく影響を与えているのを実感しました。
じゃあ日本人として、自分のルーツをどこに置いて、
どのようなスタイルでアウトプットすればよいのか。
「昔の僕を知る人とたまに会うと、お前最近何やってるの?絵描かないの?って聞かれるんだけど、なんというか、この生活がそうなんだよね。
椅子作って、山羊飼って、ツリーハウス作るのが。
スタイルを真似して作っても意味なくて、
この時代、この場所っていう背景の中で作ることが根拠になるんだ。だからこれでいいんだよね」
めっちゃカッコイイ。
凄く納得しちゃいました。
自分らしい、オリジナリティを持って、新しいものを生み出していくということは、生きてきた時代(時間軸)と生きてきた場所(空間軸)を背景として、自分の生き方、活動がそのまま表現されることと言えます。
時代と場所が根拠になります。
だからこそ、自分自身と向き合って、同時に時代と場所を見据えて、やりたいことに集中して作り続け、動き続けることがポイントになって行くんだと思いました。
やりたいことをやれる人生
Dさんは今は大手企業でインフラやってるベテランのエンジニアです。
「この業界はさ、ずっとスキルアップし続けないといけないんすよ。若いころからずっとスキル上げて、会社の求めることを達成しながら上を目指してやってきたけど、最近、年取ったからかな、なんか自分でやりたいことやろうって思うようになりました。」
「昔はギター弾いたりしてて、この前、10年以上ぶりにableton(作曲ソフト)を引っ張り出して曲作ったんですけど。うわ、わかんねー、こんなんだったっけ?っていじりながら曲作ってたら深夜3時とかになってたんだけど、めっちゃ楽しかった。自然体っていいですよね。」
「本読むのってすごいですよね。僕仕事ばっかりで全然本読んでこなかったんだけど、5年くらい前から本を読むようになってから考え方とかかなり変わりましたよ。」
まさに僕も今同じような心境なので驚きました。
超同意です。
僕の場合はクルタさんの影響がかなり強い。
僕はここ数年は落合陽一氏やホリエモン(氏)からも強い影響を受けていますが、
彼らに共通するのが「やりたいことを全力でやる」という姿勢です。
昔から僕は褒められるのを求めていたし、怒られることに関する恐怖心が強くあります。
それに加えて、基本的に好きなことでも周りと比較してうまく出来ないので、
やりたいことを突き通すよりも周りに合わせることの方が多い。
そのためか、自分の思考回路では、
「世の中は基本的に何もうまくいかなくて当たり前。
人に頼まれることの中で、いかに成果を出し、いかに自分らしさを出すか」
というのがベースになってしまっていました。
仕事でも趣味の世界でも、他の人の指示や要望や価値観などに沿うようにすると、それだけ自分のための人生ではなく他の人のための人生になっていきます。
それはそれで、仕方ない部分はあると思ってます。生まれながらの能力や環境には差があるので。
それでも、諦めるのって違うなというのをクルタさん達から学ばされました。
自分のやりたいことを押し通すことって傍若無人で他の人の迷惑になったりするので避けがちでしたが、クルタさんを見ていると、むしろやりたくないことはハッキリと断るし、頼まれようがお金を積まれようがやりたくないことは秒で断ります。
それでいて、あらゆることを達成し成功してきているし、満足のいく人生を送っています。
自分の中のこれまでの「ありえない」が実現されてしまっているんです。
「仕事は最低3年は続けるべき」とか、
「しっかり学校に通って授業を受けて卒業する」とか、
「誰とでも仲良く」とか、
「しっかり働いてしっかり稼ぐ」とか。
こういった常識が、実際には常識でもなんでもなくて、むしろ逆効果であることを目前で実証されているので影響を受けないわけにいきません。(やはり受け身)
やりたいことをやれる人生にするためには、まずは他人に何と言われようが、迷惑がられようが、嫌われようが、やりたいことを心の赴くままにやる、という決心が必要だと思います。
その上で、判断に迫られたときに、やりたくないことはやらない、という選択を重ねていくのが大事。
おわりに
やりたいことをやる。
やりたくないことをやらない。
これは言うだけ、思うだけなら簡単です。
しかし現実には、やりたくなくてもやらないと稼いでいけない、食っていけない。
ここの壁にぶち当たりますよね。
クルタさんはこう言います。
「お金なんかなくても生きていけるし、やりたいことをやってればお金は勝手に稼げる。
お金はいつでも働けば取り戻せるけど、時間は取り戻せない。」
なに言ってんの?って感じですが、これマジで言ってます。
クルタさんは長いこと、サラリーマンのようなフルタイム労働をすることなく生きてきていますが、やりたいことは全部やってきているし、海外旅行に行くくらいの余裕のある生活をしてきています。
その実現は彼女の思想、趣味嗜好、スキルや経験などがすべて密接に絡み合って出来ているので解説しきれないしプライバシーの問題もあるので公開できませんが、働かなくても楽しく豊かに生きていけるという稀有な事例として非常に学ばされます。
彼女の生き方のキーワードは「抽象度を上げる」です。
ほぼそこに集約されます。
一段階ブレイクダウンするとすれば、
「本当に好きなものだけ残して他は全部捨てる」
「執着しない、欲を捨てる」
「すぐやる」
「瞬発力、行動力、余力」
「人はみんなすぐ死ぬ。常に死を考える」
クルタさんが事あるごとに口にしている教訓達です。
先日、NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」で落合陽一が登場した回を見ましたが、その中ですごく刺さる一言がありました。
「自分のやりたいことだけできるように人生をデザインする」
デザインって、作る人のセンスは大きく関わってきますが、基本的には技術です。再現可能です。
仕事単位でも人生単位でも、受け身になるでもなく、それでいて機能として破綻しないようにするには、設計と試行錯誤が必要でしょう。テストも必要かもしれない。
自分のやりたいことをして、やりたくないことを捨てるために、
引いた視点で、「稼ぐ」「貢献する」「表現する」「繋ぐ」「学ぶ」といったオブジェクトを適切に配置していく作業をする。
それが人生のデザインなのだと思います。
はい、今回は以上!
モイモイ!
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