密林の海に浮かぶ、ティカル遺跡

2019年3月26日(火)
Guatemala Flores, Tikal
グアテマラ フローレス、ティカル遺跡 にて

5時に一度目を覚ましたら、
ブオオオとうるさく鳴っている扇風機の音と
8:00にティカル行きバスに乗るっていう予定が気になって眠れなくなった。

とはいえ、ベッドから出ても居場所がない。

外が明るくなった7:00に合わせて水シャワーを浴びた。

今日はティカル遺跡を見に行く!
いぇーい!
入場料は150ケツァール、なんと2100円以上というビビるほどの高額!

グアテマラいちの観光源だし、
未だジャングルに埋まっている発掘にもかなりの時間とお金がかかる。
高いのも頷けよう。

で、その入場料、ネットのブログによれば、
通常の時間帯であればクレジットカード支払いができるとあった。

ただここはラテンアメリカ。
行ったらやっぱダメとか、機械の故障とか、受け付けてくれない可能性がめちゃ高い。

昨日、高額なアンティグア行きのバス代まで払ってしまったので早くも現金が足りないのだ。
可能な限り現金を用意しておきたい。

このフローレス島に唯一あるATMに行ってみた。

朝のペテンの街並み

カードは普通に受け付けてくれる。
お、いけそういけそう。
ピン打ち込み、クレジット選択、値段打ち込み、

で、

「現在あなたのカードは受付出来ません」

なんでだよ!

もう一度試してみたけど変わらず。
くそー(´Д` )

卓上のコーヒー

カード情報を調べるために、WiFi借りる目的で昨日行ったカフェのガヤに行ってみた。
取り敢えず比較的安い10ケツァールのコーヒーだけ頼んでネット接続!

はい、なぜかインターネット繋がりません!

なんでだよ!

ここのコーヒーイマイチなのにー!
熱いコーヒーを急いで飲みきって宿に戻った。

インターネットで楽天カードチェック。
うん、大丈夫。
普通に限度額も残ってるしトラブルも起きてない。

さぁ時間切れです!
また走って待ち合わせ場所の代理店に向かった。

朝の湖

あれ?誰もいない…

「待ち合わせ?ペテンのロゴの前よ!」

「いや、ティカルツアーのやつはここだって聞いたんですけど」

「ここじゃないわ。ペテンのロゴ前に行きなさい!
場所分かる?サンタエレナからフローレスの橋を渡った…」

「場所は分かります!じゃここじゃないんですね?」

クソっ、違う場所教えやがってー!
ペテンが!

Petenのロゴの前

遅れないようにまた走ってロゴ前に行くと、
既にツアーに参加するほとんどの人はもうバスに乗り込んでいた。
あぶねー!セーフ!

 

乗客を満員まで乗せてシャトルバススタート!

途中、あるガソリンスタンドの前で停まった。

「これからティカルに向かいます!
入場の際にパークの入場料と、ガイドを頼まない人以外はガイド代金がかかります。
支払いに使えるのはケツァールだけですよ!カードや外貨は使えません!
向こうに銀行や両替所もないので、お金下ろしたい人は今このコンビニの中のATMで下ろしといてくださいね」

「カードで支払えるってネットで見たんですが…」

「使えないよ〜。ATMはそこね」

まじかー。
なんにせよここでお金下ろせるのはとても助かる。
見たところここは普通のお店だからスキミングされることはなさそうだ。

問題なくお金を下ろせた。
うわぁ現金の減りが早い!
今月であと3万円分か…。

「フローレス島のATM、なぜかマスターカード使えなかったんですよ〜」

「あぁ、あそこのはブッ壊れてるんだ。」

オイ。困ります(´Д` )

 

マイクロバスに再び詰め込まれること1時間、
途中の湖沿いの町でさらに数人観光客を追加し、
やがてティカル遺跡の国立公園のゲートに着いた。

遺跡へと続くゲート

支払いもオーケー。
カード支払いについて尋ねたらやはり不可能みたい。

支払い待ちの列

入場オフィス

そこからさらに20分進むとティカル遺跡に着いた。

「ガイドをやっぱり付けたいって人は、50ケツァール払えば請け負いますよ!
トイレはそこ、飲み物も買えます。10分後に出発しますからねー」

ガイドは、いらない( ´一` )
ゆっくり自分のペースで回りたいし。
50ケツァールって725円くらい。
やはり高い。

観光地とはいえ、メキシコと比べるとグアテマラの物価高いなー。

併設の粗末なカフェで朝昼兼用の食事を取った。

ベーコン入りのスクランブルエッグをチョイス。
27ケツァール、390円くらい。

目玉焼き、バナナ、豆ペースト

…えーと、スクランブルエッグじゃないしベーコンもないけど、まぁ良くあることですよね。

端にあるどう見ても味噌みたいなのは豆のペースト。
甘くないアンコのような、塩気がなくて発酵してない味噌みたいな味。
トルティーヤに塗って焼きバナナ挟んで食べたら美味しかった。

グアテマラと日本の国旗が描かれた壁

高い木

植物のスケールのデカいジャングルを歩いていくと、

なんかスゲー樹が現れた!
セイバ(Ceiba)という樹で、マヤの人々にとっては聖なる命の木なんだそう。
その根の下に地底世界があるという言い伝えがあるんだとか。
これはありそうだわ!

高い遺跡

ドーーン!

ここが中心部のようだ。
テンプロマヨール!

すっげ!!
この迫力!

これまでに見てきた遺跡よりも細くて高さがある。
やはり高さのあるものには圧倒される!

ケルン大聖堂とか、カサブランカのハッサン2世モスクとか。
もちろんスカイツリーも。

ここティカル遺跡は歴史が長いようだ。
なので古い建造物と混ざって比較的新しいのも混ざっている。

時代によって形が変わったりして、
テオティワカンのピラミッドの影響を感じさせるものもあるのだとか。

横から見た遺跡

遺跡の曲がり角

 

ピラミッド

ピラミッドの中腹

スロープのついたピラミッド

はい、これですね。

おおお。

数段の段境がある点とか、階段の左右にスロープがある部分がたしかにそれっぽい。

マヤ文明は統一した帝国は持っていなくて、各地にそれぞれの王国が点在していた。

中には隣国との戦いによって勝利し敗戦した王国を支配下に置くケースもあったらしいけれど、
基本的にはみんな独立していた。

パレンケ、ヤシュチラン、ボナンパック、チチェンイッツァ、ティカルなど、
あちこちに遺跡が散らばってるのもそれで納得がいく。

黒曜石を産業としていた国、
大規模な塩田で塩を生産していた国などそれぞれ特色があったようだ。

遺跡の石に生えた草

ティカルは中でも都市の規模が大きくて大いに繁栄したけれど、
8世紀以降には徐々に衰退していってしまった。

マヤ文明が滅んだ理由には複数の説があって、
現在では複数の理由が重なったことで衰退したのだと考えられている。

発掘された遺骨に栄養失調の跡が見られることから、
食糧生産の生産性が落ちたのが大きいのだそう。

ただウィキペディアで補足して調べたところによれば、
マヤ文明はスペイン人の侵略後もなんだかんだで生き延びて、
その祖先が今のメキシコ・中米の各民族に続いているとのこと。

サンクリストバルやパレンケやここグアテマラでよく見る、
顔が赤くて丸くて背が低めの人たち。
明らかに先住民族だ。

これまでの旅でも見てきた。
ウラジオストクの博物館の先住民族の写真、
サーミ人の写真、
オスロの博物館で見たイヌイットの写真。
ネイティブカナディアンやネイティブアメリカンの人達。
旅より前だけど、ハワイの先住民。

あとテレビやネットや本で今まで見たことのあるアイヌ、アボリジニも、みんな似た顔をしている。

何千年という人類史の長きにわたって辿ってきたルートを地図上で辿ると、
彼らの顔の共通点が腑に落ちる。

その顔の人々が今ここにいる事。

そしてスペイン人が侵略してきたときにはまだ各地にマヤ文明の人々が残っていたこと。

古代文明ってものがただの本の中の神秘的な伝説じゃなくて、
確かにここに存在して、そして文明は滅びてもその遺伝子が脈々と受け継がれていること。

今の自分との繋がりに強い感動を覚えた。

階段

ピラミッドから見る木など

なんか木にモヤモヤ下草が生えている。チランジア?

手に持った草

その辺にも転がってるけど、これか!

遺跡の外周に付いた小道

ひときわ高い第4神殿に登り切ると、
果てしなく広がるジャングルの海と、そこここで天を突く神殿の頭が見えた。

最高だぜ。

遠くを見渡せる景色

最高。
この絶景が見たかった!!

密林の海

密林に浮かぶ神殿の頭

遺跡中心部を見下ろす

クジャク

クジャク?がおる

ジャングルを軽く迷いながら、片端から遺跡を見て回った。

下から見上げる苔むしたピラミッド

色んな形の遺跡

地図を見ながら進む

木々

Mundo Perdido っていうエリア。

英語訳は「ロストワールド」。
日本語訳は「失われた世界」。

どう訳してもカッコよすぎる(´Д` )
カンペキに映画やゲームの世界だ。

カッコイイー!

中くらいの高さの遺跡

平屋風の遺跡

木陰

ってか本当に迷う!
看板が分かりづらいし、30ケツァールの地図を買わせるためなのか、看板地図の類が少ない。

最初に写真を撮った地図を元に歩いていたけど、
だんだん自分がどこにいるのか分からなくなってきた。

なぞのキツネみたいな小動物が目の前を…

野生動物

通りすぎる…

かわいい笑

通り過ぎた野生動物

鳥もいっぱい。

蒸し暑くて汗が流れ続けてすぐ喉が乾く。

手持ちの水が尽きてしまったのもあり、
見てないエリアが二箇所あったけどもう入り口まで戻ることにした。

建物

看板

駐車場近くにあった土産屋で水購入。
1.5Lで12ケツァール…。

メキシコの12ペソと錯覚しちゃうけど、
12ケツァールって180円くらいすんだよな。
たっけぇ。
日本よりたけぇ。

併設のミュージアムに入ろうとしたら、別料金だよ!って止められてしまった。

なんでい!なんでい!
ケチ臭かのぅ!

まぁささやかな展示だから構わぬ。レ○ぬ。

白い壁を持つ遺跡

近くで見る遺跡の壁

でこぼこした遺跡の表面

 

駐車場に並ぶ車

帰りのバスは14:30と15:00だよ、って言われていて14:00には待機していたのだけど、
結局バスが出たのは15:15だった。

だいたい全部最低10分は予定より遅れるよな。

道中の景色

復路1時間半。
フローレス島に帰ってきました。

夜行バスまで時間がある。
夕飯にしましょう。

昨日と同じ場所でもアリだったけど、折角だから他の場所を選ぶことにした。

ペテンロゴが見える位置にある適当なお店でバーベキューやってた。

お店のカラフルな看板

そこでビーフBBQステーキのプレート、25ケツァール。
併設する商店で買った缶ビールBrahvaとともにいただきます!

缶ビール

ステーキプレート

堅っ!(´Д` )
肉かった!!

ナイフの質が悪いのもあって切れない(笑)

でも味付けは美味しい。
なんでこんなに繊維質で肉質が硬いのだろう。

料理で肉を柔らかくするする方法は色々ある。
叩く、繊維を断つ、果物に漬け込む、低温加熱などなど。

でも元の肉質を固くしたり柔らかくしたりする要素ってなんなんだろうな。

肉牛の育成段階や屠殺、切り分け、保管それぞれの工程で、
肉を固くしたり柔らかくしたりすることが可能な変数ってあるのかな。
気になりますね。

 

宿に預けている荷物はバスが出る夜まで置いてていいと快く許可を頂いてるので、
そのまままたCool beansに行ってコーヒーを飲んだ。

コーヒーうまい〜
でも相変わらずWi-Fiが遅い〜。

バスが来るギリギリまで寛いだ。

なんだろう、すごく落ち着くお店だよな。
また来たいと思える場所だ。

足早に宿へと戻って荷物を回収し、バスの来る、ペテンロゴへと移動した。

ペテンの文字

沈む夕日の名残

カフェのコーヒー

8:00より18分遅れでバスが到着。
大型のとても立派なバスだ。

荷物を積み込んで乗り込んだ座席はたっぷりリクライニングできるやつ。
向かいの座席でその快適さに驚いている2人のカナダ人青年と顔を見合わせて笑った。

立派なバス

短いけどフローレスはこれでおしまい。
次は悪名高きグアテマラシティに近い、アンティグアだ。

アンティグアは昔の首都で、今は人気の観光地になっている。

頼むから道中盗賊に襲われませんように!
目を瞑ると同時にバスが消灯した。

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