2019年1月22日(火)
Canada Vancouver 〜 USA Seattle
カナダ バンクーバー 〜 アメリカ シアトル
今日はバンクーバー最後の日。
というかカナダ最後の日。
いやああカナダマジ楽しかった!
最初カナダはスキップする予定だったのに、ヘルシンキでキルク一家のみんなと会ったことで
まさかこんな色んな出会いがあるとは全く想定してなかった。
スコットに超絶ありがとおおおおおって言いたいのに、
起きたら6:30に起きた時にはスコットはもう仕事に行ってしまっていた。
早い!
出勤早いよ!
「今日はいくつか回らないと行けない用事があるから自転車で向かったのよ。
だからいつもより少し早めで5:45頃に出かけたわ。サヨナラって伝えといて、だって」
スコットおおおお!!!
軽く10km以上はある峠道を早朝から自転車通勤ってカッコよすぎる!
そしてエルサが作ってくれた目玉焼き乗せトーストもうますぎる。
荷物をパッキングした。
ベッドのシーツを剥がして洗濯機に入れないとーってイヤああああああ!!!
布団が蟻だらけ!!
のデザイン!
アリさんを隠すために布団カバー必須。
リサイクルのゴミを坂の下までミサと運んで戻ってきたら、
ちょうど収集車ガラガラとゴミを回収する音が聞こえてきた。
お、ギリギリだったな。
「ワオ!!ちょうど今ゴミの収集が来たの??
良かったー!!これ逃すと、1週間待たないといけないのよー。」
とエルサが陽気におしえてくれた。
1週間ゴミを家置いとくのはたまらんな…
車に荷物を詰め込んだ。
ううう、超絶快適だったなぁこの家…
リッチな生活…。
これは一度体感してしまうとヤバいやつ。
タワーマンションとかまったく興味ないけど、こういう豪邸はやはりソソルものがある。
エルサが車で街まで送ってくれる。
学校に行くミサは今日はスキーの授業があるそうで、
板やらウェアやら大荷物をもって一緒に車に乗った。
高校前でミサともお別れ。
スキー板を担いだ制服姿のミサと車のウインドウ越しに握手して、彼女はバイバーイと手を振った。
車は町に向かってさらに走ってゆく。
まずは郵便局に寄った。日本に荷物を郵送する。
ゴードがくれた真冬用ブーツが蒸れて嫌な臭いを発するので、ここで一度送ってしまいたかったのだ。
極寒のオタワ側では快適な真冬用ブーツも、東海岸だと、ちと気候に合わない。
スコットランドで買った、祖母たちへのお土産兼クリスマスプレゼントのマフラー、
バルセロナで買ったクリスマスの魔女飾り、
チュニジアのベルベル人のマット、
フィンランド語のテキスト、
トルコのチェスセットなどもまとめて一緒に送る。
これで結構身軽になったぞ!
代金は128ドルちょい。
た、高いっすねやはり…
「1番安いやつだから、届くのは2ヶ月後です」
お、遅いっすねやはり…
バスの時間までまだ時間がある。
「Granvilleのマーケットにまだ行ってないの?絶対行くべきよ!」
というエルサの勧めで、一緒にそのマーケットに向かった。
Granville島はバンクーバーのダウンタウンとサウスバンクーバーの間にあって、そこにかかる橋の下にマーケットができている。
車を停めた。
小雨が降っている。
エルサとメインのマーケットの建物に入った。
「ここのコーヒーはとても美味しいのよ!私はスターバックスはミルクばっかりで薄いからあまり好きじゃないけど、ここのは最高なの。」
というエルサ絶賛のカフェスタンドは、入り口入ってすぐ左のJJBean。
ラテお願いします!
待っていると急に火災警報が鳴り出した。
耳をつんざく、嫌な高音が大音量でホール内に響き渡る。
火の気、煙は一切見当たらない。
エルサが「良くあることなの?」と店員さんらに聞いてみたけど、
初めてだよ、なんていう話ばかり。
出来上がったラテを受け取ってマーケットホールの他のエリアに移動した。
ラテはたしかにバランスよくて美味しい!
豆の鮮度もしっかりしてるぽい。
ハズレないですな。
マーケットに並んでいるのは定番のお店たち。
八百屋、ケーキ屋、総菜屋などなど。
雨のせいだろうね、客は少ない。
残りのカナダドルのお札はエルサが両替してくれて、小銭を使って昼ごはんを調達した。
パン屋でくるみパン。
エルサおすすめの肉屋さんでローストビーフのハムと、メイプルシロップのハムをスライスしてもらった。
薄いけど大判の柔らかいハムで、7スライス分で3.80ドル程度。
カナダドルがまた米ドルに変わるのか。
今1カナダドルが89円のところ、1米ドルは109円。
20円も差がある。
頭を切り替えないと散財してしまいそう。
お土産屋の入り口で、見覚えのある石を見た。
あ、これスキー場にあったやつ。
あとサイクリングしてる時にも見かけた!
エルサに聞いたら、イヌクショクといって、
ネイティブカナディアンに伝わる道しるべのサインなんだそう。
そうだったのかー!!
そう聞くとなんか一気に好きになるな!
さて、ちょうどいい時間になった。
ボルトバス(Boltbus)ってのを予約してある。
グレイハウンドの子会社らしい。
ターミナルはPacific Central Stationってとこにある。
駅前に車を横付けしてもらって、エルサにお礼を言った。
「素晴らしい旅になることを願っているわ!インスタグラムでチェックするから!
ホステルを使っていればきっと日本人バックパッカーなんかとも会えるでしょう?
面白いから、出会いがあったら写真を送ってちょうだい!」
いい出会いが欲しいね!
会ったら送ります!
ほんっっつとに、ありがとうございました!
ムチョスグラシアス!!
駅のターミナル。中に入ってバスターミナルの入り口付近で待っていたらお呼びがかかってチケットチェックだ。
タブレットにスクショしといたチケットを確認してもらって乗車!
ボルトバスで4時間。
バスの中のフリーWi-Fiでビデオも見れますよなんて推してるみたいだけど、まったく繋がらんかった。
グレイハウンド系列まったくダメだな!
一瞬たりともネット使えんわ!
1時間程度でアメリカ国境に着いた。
ぬおおおう!!
今回の旅で2度目の国境越え!
2回目ならもはや余裕やしょ、と思いきや、実はまだやや不安がある。
今回、出国チケットを用意していない。
本来アメリカは入国時に出国チケットが必要とされている。
しかもメキシコに抜ける場合はメキシコからの出国のチケットも。
アイルランドから入国する際に買ったチケットは、その後すぐにキャンセルしてしまっている。
・陸路入国は審査が比較的ゆるい。
・アメリカからメキシコ、メキシコからのグアテマラにバスで抜けるのは事実。
・数週間も先になるのでローカルバスは予約しづらい
・最悪、カナダ側に留まってチケット購入することも可能
ということで、今回はアウトチケットを用意せずに挑むのだ。
ドキドキしながらバスを降りる。
っていうか持ち込み禁止に引っかかりそうなニンニクと鶏肉ソーセージ(開封済み)を持ってるうううううきゃああああああああああああああああ!!!
罰金払えって言われたらどうしよう!!
全部その場で一瞬で食うか!!
腹に入れば税関関係ないし!
ニンニク3玉食えるかな…
まずパスポートチェック!
「どこ行くの?」
→「シアトルからカリフォルニア、そこからグランドキャニオンでキャッキャしてニューオーリンズからのメキシコ!
メキシコからグアテマラ、エルサルバドル!」
「何日滞在するの?」
→「1ヶ月!」(多分もっと少ない)
「友達いる?」
→「ぼっちです…(照)」
「いや、アメリカで泊まる友人宅はあるの?」
→「(そういう意味か!)…先日ピッツバーグで友人宅に泊まったけど、西海岸側には知り合いがいないので今回はホステルに泊まります」
「定住してる住まいは?」
→「TOKYO!」
「仕事は?休みとったの?」
→「来る前までは介護士しながら経営してました。現在休職中です。」
「ふーん。楽しい旅になるといいね!」
ビタンッ!
入国スタンプゲット!
よっしゃ!
税関んんん!!!
ドキドキ!
「青い申告用紙を出して」
実は食べ物持ってるんです…
「お出しなさい」
そ、ソーセージ…
「どこで買ったもの?」
トロントです。
「これはオッケーね」
え、マジか!
あとガーリック…
空気がピリッとする。
農産物は通常アウトだったはず。
「どこで買ったの?」
ニューヨークです。
「オーケー!」
やったぜ!
国内産ならアリってことか。
「あとは?」
スパゲティ →ok!
マカロ二 →ok!
醤油 →ok!
マヨネーズ →ok!
(コイツどんだけ食品持ってんだよ…と職員一同呆れ顔)
ラズベリージャム →ok!
パン →ok!
オリーブオイル →ok!
米 →omachinasai!
お待ちなさい?
「どこのもの?」
確か買ったのはピッツバーグ。未開封。
検査官のお姉さんが表示をチェックしてアメリカで買ったものということが確認された。
→ok!
やった!全クリ!
それから荷物を全てX線に通して、
これで晴れてサヨナラ…
「お待ちなさい!バッグを開けて!」
へ?
横にいたバスの添乗員のおばさんが
「なーに、アンタ食べものをまだバックパックの中に隠してるわけ?」と苦笑いしてる。
いや、確かそんなもの無いはずだけど…
カバンの上部のポケットをまさぐるお姉さん。
ビニール袋に濡れたタオル。
朝シャワー浴びたからまだ濡れてるのだ。
それが引っかかったのかな。
と、
思いきや…
「あっ!キサマこんなものを隠し持っていたな!」
なんとポケットの中からライムが1個出てきた!
いやああああ!!
そういえば1週間前にしまったの忘れてたああああ!!
見あたらないと思ってたらそこだったか!!!
冷や汗がブワッと出る。
旅する漫画家のシミさんがニュージランド行きの飛行機乗るときに、
バナナとオレンジを持っていたがために数万円の罰金を払ったと言っていたエピソードが脳裏に浮かぶ。
「そそそ、それ、捨てても構わないので…」
「構わないんじゃなくて、必ず捨てなきゃダメなルールよ。」
「は、はひ…すみませぬ…」
悲しげにゴミ箱に放り込まれたライム君。
…
あれ?ペナルティは?
「もう行っていいわよ。」
…
アババビビビビバ(´Д` )
助かった!
ライムの皮1枚繋がった!
危ねぇええ!!!
ナマモノのしまい場所には、気をつけましょう。
ちゃんちゃん。
バスが人間を飲み込んで再び走り出した。
道路がかなり混雑していたものの、時間通りにシアトルに到着!
ドーン!
なかなかインパクトあるなシアトル!!
バス停から歩いて25分くらいでホステルを見つけた。
グリーントータスホステル・シアトル。
1泊朝食付き、税込で30USドルちょい。
3270円くらいか。
ここが1番安かったのだけど、バックパッカーにはちょいと痛い。
雨だからテント泊できないし、これは仕方ない。
チェックイン。
なかなか綺麗な部屋!
2段ベッド2台の4人部屋。
なんかすごいペンキくさい。
荷物を置いたらさっそく散策じゃああ!!
パイクプレイスのマーケット!
もう夕方だから幾つかの八百屋と魚屋を除いてほぼ閉まってしまってる。
その先に…
念願のスターバックス1号店!
ひゃっほーーい!!!
スターバックス、俺がコーヒーを好きになったきっかけの店でもあるし、毎日のように通っていたまさに俺のサードプレイス。
今や世界中に何万店舗もあるスターバックスの、第1号店がここ。
1971年創業のコーヒー豆屋、スターバックスコーヒーが前身だ。
その11年後、現会長であるハワードシュルツが入社。
別の店舗にてイタリア式のコーヒーバー(バル)を試したところそれがウケて、大きく展開していくことになる。
ただ最初は創業陣が大規模展開に反対したこともあって、ハワード氏はイル・ジョルナーレという別の会社を作った。
そのイル・ジョルナーレが投資家の支援をもらえたことにより、
シュルツ氏は親元だったスターバックスコーヒー社を買収するという荒業に出た。
その辺の経緯は『スターバックス成功物語』っていう自伝に詳しいので、是非読んでいただきたい。
このお店限定のグッズがいろいろある。
どれも旅には持っていけない…と思ったけど、1つ行けるのがあった。
ホーローっぽいマグ!
買っちゃったぜ!!
イェーイ!!
12.95ドル。
パイクプレイスローストのドリップコーヒー($2.15)もいただきながら、豆の並んでるカウンターに目を移した。
木の色褪せ具合からえらく年季が入ってるのが見て取れる。
パイクプレイスローストの味は変わらぬスターバックスの味。
いや、より本格的なハンドドリップに近い味に感じるかな。
多分シチュエーション補正もあるけれど…
お客さんで賑わってるけど、店員さんたちは気取らない、フレンドリーでゆったりとした雰囲気。
地元から愛されてる店って雰囲気がちゃんとある。
サードウェーブというコーヒー文化の進展によって、いまやセカンドウェーブを生んだスターバックスは結構苦境に立たされている。
成長率も落ちたと少し前にニュースを読んだ。
ふつーに考えて、投資家が期待する右肩上がりの売り上げなんてのは永久には続かないものだ。
と言って諦めてしまうのもよくない。
事実、批判されながらも諦めずにスターバックス体験を追求し続けてきたからこそこれだけの成功があるのだから。
売る量を増やすだけでは必ず頭打ちが来る。
だから単価を上げる、というのが同様に重要な課題になる。
スターバックスはしっかりそれを行った。
その単価を上げる根拠を、
100%アラビカ種の豆だけを使うとか、
鮮度を落とさない工夫を施すとか、
パートナー教育によって全方位での接客の質の向上で賄った。
どんな人でも、これになら大事に溜めたお金を使ってもいい、と思えるこだわりってのがあるものだ。
靴や時計はこだわるとか、記念日にはいいディナーを楽しむとか、このアーティストの作品だけは必ず買うとか。
スターバックスはそういった、人々の、「ちょっとした贅沢」への消費先になっている。
裕福な人ほどその「ちょっとした贅沢」に費やせる額が大きいので、
裕福な人にも認められるだけの質を提供できるかどうかが要になってくるだろう。
今シュルツ氏が特に力を入れているのが希少豆。
スターバックスはどこの店舗でも安定して良い品質のコーヒーが飲めることを広めてきたけど、均質化・平坦化に加えて、高級特化という選択肢を揃えているってことだ。
サードウェーブが先に人気になってしまったため後手に回ってしまったが、そこは抑えるべきところに違いない。
最近のニュースで、気候変動によってコーヒー豆の生産が激減するだろうという予測が出た。
気候変動に関しては一朝一夕にテコ入れ出来るものではないけれど、その方面にもスターバックスはしっかりと長年コミットしてきている。
環境問題、地域コミュニティ、人権、政治。
消費者を取り巻くあらゆる要素に丁寧に、真摯に、積極的に対応していくことこそが、
持続可能な売り上げにつながり、お金じゃない視点から見ても人々の生活を持続的に豊かにしていく。
このスターバックスの理念に俺は惚れこんでいるので、
より美味しいものが飲みたければスターバックスリザーブ店に行くなり、
他のサードウェーブコーヒー店に行くなりして楽しむし、
日々のコーヒー消費にはスターバックスを利用する。
第1号店。
ここに来られて嬉しいぞ!
飲みかけのコーヒー片手に歩いてやってきたのは、市立図書館。
飲みきったカップを入り口のゴミ箱に放り込んで、
(ほんとはタンブラーを使いたいけれど…、)
モダンなガラス張りの図書館のドアを押し開けた。
この図書館、眺めがいいと書いてあったので、10階までのエレベーターに乗った。
ほう。
ふむ。
なるほど。
書架はスパイラル状になってるみたい。
気づかないくらい緩いスロープになって階と階が繋がっている。
でも本の並びが分かりづらい!
Wi-Fiも使えるレベルのものがフリーであるし、電源席もあちこちに揃ってる。
パッと見て面白そうな本はないし、パソコン作業するとしよう。
うーむ、客層がおっさんだらけ。
電源付きの快適な席を陣取って、閉館の20:00までパソコン作業。
はぁ、図書館落ち着くー!!!
閉館時刻が迫ったら、雨の中、ホステルへ帰宅。
夕飯を作ることにした。
腹減ったー。
ソーセージのペペロンチーノ。
同じ横のコンロで分厚いステーキを焼いてる人がいたから、
「肉めっちゃ分厚いねー!」って声をかけたら、
そうなんだよー厚すぎて参っちゃうよね、と話が盛り上がった。
彼の名前はダイアン。
韓国出身の26才大学生。
なんとコンピュータサイエンスを勉強してて、C++とPythonは経験ありらしい。
一緒に話しながら同じテーブルでご飯を食べた。
彼はラスベガスからグランドキャニオンを見た後北上してきて、このあとバンクーバーに行き、国へ帰るそう。
「1年間旅できるの?!羨ましい!!俺も南米行きたいよー!」
彼はまだ大学が残ってるから時間制限がある。
海外で働くことは考えてないの?と尋ねたら、それもいいよね、とのこと。
韓国は日本と同じく、いい学校、いい職、いい結婚、というプレッシャーが社会全体にかかっていて、なかなか難しい環境みたい。
「最初、日本好きだから働くことも考えたんだけど、今は韓国の方が条件いいしねぇ。
海外ならアメリカかなと思ってる。
でもラスベガスとかカリフォルニアとかの、暖かくてユルイ空気は好きじゃないなー。
雨、雪、足早な人々、ちょっと緊張した街の雰囲気。シアトルはサイコーだね!」
ダイアンおもしれーな!
「コンピュータに興味があるなら、リヴィングコンピューターズ ミュージアムに行ったほうがいいよ!
俺も行きたかったんだけど、今日は休館日で、明日はもう朝早くのバスに乗っちゃうから行けなかったんだ。くー、悔しい!」
む!それは貴重な情報だ!
オタワのサイエンス&テクノロジーミュージアムでがっかりしたからどうかな、と思ったけど、調べたらかなり新しいコンピューター展示をしているみたい。
よーし、行ってみよう!
で感想を後でダイアンに教えてあげよう!
お互い食事の後に宿のフリーココア飲みながら日が超えるくらいまで色々喋って過ごした。
面白い話が聞けた!
いいアメリカ旅のスタートだ!
コメント