モイ!
こんにちは、ロニーです。
昨年2023年、読んだ本の中から特に満足度の高かった本について今回紹介しようと思います、
以前から「年間100冊本を読む」というのを一つの目標にしていたんですが、
遂に達成しました!
僕は「情報は量も質に転じる」と考えているため、読む冊数も軽視していません。
というのは、多くの本を読むことによって情報や主張の差異であったり、時代や視点の変化による差異を知ることが出来るからです。
まぁ、出来るだけ良書を多く読んだ方がいい事には変わりありませんけどね。
昨年読んだ冊数は、101冊。
読んだというのは「読了した」もの、としてます。
なので読み始めたけど読みかけのものは含めていません。
ペースは、
1ヶ月当たり平均8.4冊。
1冊当たりだと、所要時間が3.6日程度。
これら101冊の中から、「読んで良かったな~」と思ったものを主観でいくつか取り上げます。
2023年で読んで良かった本ベスト11
- 実力も運のうち 能力主義は正義か?
- 世界一やさしい「才能」の見つけ方
- 脱近代宣言
- 世界で最初に飢えるのは日本 食の安全保障をどう守るか
- 一汁一菜でよいという提案
- 0歳〜18歳の子育てのチュートリアル: ONETEAM〜大富豪から教わった教育論
- ITエンジニアのための「人生戦略」の教科書
- 同志少女よ、敵を撃て
- 第三次世界大戦はもう始まっている
- DAO(分散型自律組織)の衝撃
- みんなのPython 第4版
昨年読んだ本の中で特に満足度や自分への影響度が高いと思った本は11冊あったので、
半端な数字ではありますがベスト11としました。
では順番に見ていきましょう!
1.『実力も運のうち 能力主義は正義か?』
著者:マイケル・サンデル
出版社:早川書房
出版年:2021年4月14日
アメリカ、ハーバード大学の教授で哲学者のサンデル教授の本。
学歴が高い人ほど社会的に評価され、高収入の仕事にありつける社会、 また金持ちほど社会的に評価される社会の代表であるアメリカ。
この前者の価値観を「メリトクラシー」、能力主義だとか功績主義だとか言われます。
後者はお金至上主義なので、いわば「拝金主義」です。
サンデル教授は本書で、
このメリトクラシーが起きている現状、その根源や経緯、そして悪影響を解説しています。
アメリカほどではないにしても、日本や韓国ではアメリカの価値観を大きく受けているので、
資本主義や新自由主義と同様にこのメリトクラシーの影響も大きく受けています。
学歴主義、能力主義の環境にいると、
「自分は頑張って良い学歴を得て、評価や収入の多い企業に入れた。
自分はそれを誇りに思っている。学歴や収入が低い人は努力不足、自己責任だ。」
という考えを、人は自然と持ってしまう。
しかし実際には学歴は生まれ育った環境によって大きく影響を受けるため「実力も運のうち」だし、そうした驕った考えは他者を見下し不寛容な社会を生み出します。
さらに競争に敗れた人達の方も、自分の不遇を自己責任として抱えてしまうことによって自己否定してしまう。
昨年、麻布競馬場の『この部屋から東京タワーは永遠に見えない』という小説も読みました。
X(Twitter)などでいわれている、所謂「タワマン文学」というやつです。
この本に登場する人々がまさにメリトクラシーに囚われた人たちで、
高学歴高収入が故に他者を見下し、また競争に敗れたが故に相対的に高学歴者・高収入者への憧れや僻みに囚われて本当の幸せを見失っています。
学歴や収入で人の価値は図れないし、自身の幸せはそうした相対評価で決まるものではない。
本書を読めばこれがはっきりします。
重厚でやや難しい本なので、読書慣れしていない人は読み通すのは難しいかもしれません。
噛み砕いた解説文や要約の類は多くあると思うので、そんなルートでもいいので是非みんなに一度読んでいただきたい本です。
ダントツ1位!
感想はnoteにも載せてますので気になる人はどうぞ。
(SNSリンク) 『実力も運のうち 能力主義は正義か?』を読んで。
(おまけ)
2.『世界一やさしい「才能」の見つけ方』
著者:八木仁平
出版社:KADOKAWA
出版年:2023年4月3日
こちらはつい最近読んだ本。
「今さら自己啓発本?」というなかれ、
自分に向いた仕事、生き方を見つける上で非常に有益です。
大前提としてまず知っておくべきは、
「才能とは「人より優れた能力」や「好きなこと」ではなく、「ついついやってしまうこと」である」。
自分がやりたいこと、ありたい姿、ってあるじゃないですか。
様々な自己啓発本などでは、
「自分が好きなことを仕事にすればパフォーマンスが上がってうまくいく」とか、
「自分の理想像をイメージして、そこに近づくためにすべきことを1個ずつ達成していく」
とか、そういった話が多いですよね。
でもそれだと、自分に向いてないのに必死でその能力を手に入れようとして達成できない、挫折する、ということが発生してしまいます。
だからこそ、自分が無意識についついやってしまうこと(=才能)を徹底的に洗い出して、
それを仕事にする、というのがベターな道筋になります。
本書が秀逸なのは、当たり前すぎて気づけていない自分の才能を拾い上げるための段取りや質問事項が山ほどあることです。
その数何と1000問以上。
これだけやれば必ず何らかの才能が見つかります。
昨年末に妻クルタさんがこの本を紹介してくれて、早速買って一緒に読みました。
そして僕は本書でいうところの自分の才能を見つけたので、既に動き始めました。
「日々楽しくない」
「仕事などやってることが中々うまくいかない」
「新しい可能性を見つけたい」
そんな時は是非この本をご一読ください!
3.『脱近代宣言』
著者名:落合陽一
出版社:水声社
出版年:2018年9月18日
この本は哲学、アート、テクノロジーが入り混じった本です。難解。
様々な活動をしていて著名なメディアアーティストの落合陽一と、
哲学者である清水高志、そしてキュレーターである上妻世海の鼎談本。
デジタルネイチャーが実現化しつつある今、我々は近代までの考え方を脱する必要がある、という趣旨です。
デジタルネイチャーとは、コンピュータと非コンピュータ資源が融和して再構築される自然観のことを指します。
物理上の「物質」(石とか空気とか人間等)と、 コンピュータによって創り上げられて我々人間があたかもそれが存在するように感じる「実質」(ホログラフィとかボカロとかメタバース等)というものがありますが、今やその物質と実質の境目は非常に曖昧になっています。
人間が対話したり触れたりする文字、音声、作品、そういったものが果たしてAIやコンピュータによって作られたのか、生身の人間が作ったものか、見分けがつかなくなっていますが、そういった環境を最大限生かし、また我々が楽しく生きていくためには、近代までに構築され現在まで続いている価値観やシステムと一度決別しなければならない。
(「しなければならない」というと強すぎるから、「した方が良い」くらいか。)
僕含め、多くの人は基本的には相手が生身の人間でないと気が済まない性質を持っています。
なので本書で述べられている脱近代は、
生まれたときからデジタルネイチャーがある、
「自ずから然る」状態で生まれ育った世代が社会を構築して先導していくくらいまで時代が進まないと到達し得ない気がしています。
そうはいっても技術の発展は待ってくれません。
Chat GPTをはじめとするAIがガンガン世の中に出てきている今だからこそ、哲学が必要だと思います。
みんな哲学しようぜ!
あ、この本もnoteで感想書いてました。
(SNSリンク) 『脱近代宣言』を読んで。
4.『世界で最初に飢えるのは日本 食の安全保障をどう守るか』
著者名:鈴木宣弘
出版社名:講談社
出版年:2022年11月18日
現在の日本の食料自給率が極端に低いことは知っての通りですが、
それに対する日本政府の想定が非常に甘い事を痛感させられました。
篠原信の
『そのとき、日本は何人養える? 食料安全保障から考える社会のしくみ』
の試算によれば、
もし日本が孤立するような戦争状態や、世界的な食糧危機が生じた際に、
国内で生き残れるのは人口の1/4、3000万人程度です。
もちろん、そういった状態にならないように、経済を健全に回し、他国から食料を買えるような経済力と国際関係を維持するのが重要なことに変わりません。
しかしCOVID-19によるパンデミックやロシアによるウクライナ侵攻の影響でエネルギー高、原油高、油や小麦の価格が上がって家計を圧迫していることからも分かるように、自国で食料やエネルギーを生産できないと容易に日々の生活が困窮してしまいます。
また他国からの食料供給やエネルギー補給がなければ生きていけない、という状態は、
いわば弱点を他国に握られているような状態。
これでは資源を持つ大国と対等に交渉することはまず無理でしょう。
今自分や家族が健康に生きていくための食卓を守ることが、
時間軸では人生を守ることに繋がり、空間軸では生活環境や国家環境を守ることに繋がります。
現在の危うい状態をまず自覚し、どのような選択をしていくか、を考える上でとても参考になりました。
(SNSリンク) 『世界で最初に飢えるのは日本 食の安全保障をどう守るか』を読んで。
(SNSリンク) 『世界で最初に飢えるのは日本 食の安全保障をどう守るか』を読んで。
(おまけ) こちらも超おすすめ!
5.『一汁一菜でよいという提案』
著者名:土井善晴
出版社:新潮社
出版年:2021年10月28日
こちらは食と思想の本です。
我が家では90%くらいは自炊です。
残りの10%くらいは人から頂いた食材とか外食。
そしてその自炊の内の95%くらいは僕が調理しています。
(コニーのご飯に限って言えば80%程度クルタさんが用意してくれています)
普段これだけお三度用意していますと、買い物~調理~食事~片付けで人生のうちのかなりの時間を持っていかれてしまいます。
それでいて、感謝はされど特に喜ばれるでもない。
一家の健康と悦びを担う食事係を、どんな家庭でも誰かが担っていると思いますが、
これがずっと続くことにはしんどさや虚無感を感じてしまうもの。
外食や総菜などの中食を適宜活用するのはソリューションとして一案ですが、
我が家のようにそれが許されないケースもあるでしょう。
そんな憂いに優しく寄り添ってくれるのがこの一冊です。
主食(ご飯)、汁、主菜(メインのおかず)×1、副菜(サブのおかず)×2で構築される「一汁三菜」に対して、
本書では主食、汁、おかず×1、という「一汁一菜」で充分ということを提唱していて、
具体的なメニュー案も紹介しています。
日本の伝統や仏教的思想に関するクセが強い本ではありますが、そこを括弧に入れておいて読むと良いと思います。
我が家の場合はどちらかというとクルタさんが「毎食納豆ご飯で充分」という人なので一汁一菜は歓迎されています。
(むしろ食事にお金や時間をかけることに非常に否定的なので量や調理や品数にこだわると嫌な顔をされたりします。)
本書の内容は、作り手以上に食べる人にこそ読んでほしいものですが、
作る人の心を癒す効果が高いのでみんなにお勧めです。
■続きは次回!
いきなりぶった切ってしまいますが、
長くなってしまうので後編に続きます!
以上、モイモイ!
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