2019年3月6日(水)
Mexico San Christbal de Las Casas 〜 Cañon de Sumidero 〜 Chiapa de Corzo ~ San Christbal de Las Casas
メキシコ サンクリストバル・デ・ラス・カサス 〜 スミデロ渓谷 〜 チアパ・デ・コルソ ~ サンクリストバル・デ・ラス・カサス
なんですかこれは?
あ、あれ?
俺いつ日本に帰ってきたんだっけ?
ご飯。
大根とにんじんのシャキシャキ味噌汁。
卵焼き。
豆味噌。
ほうれん草としらたきの和え物。
ガルバンソとひじきの煮物。
ガルバンソの豆腐…
はっ!
ガルバンソ!
そう、ここはメキシコ、サンクリストバル・デ・ラス・カサスの日本人宿だ。
ペンション・アレグレ。
いくらなんでも朝食豪華すぎないか?!
「どれもおかわりありますよ〜。あ、ロニーさんはケーキもありますよ」
な、なに?!
昨日は宿に泊まっていたモカさんって女の子の誕生日だったそうで、そのケーキが残ってたのだ。
手作りミルクレープケーキ!
朝から食い過ぎるううう!!!
この宿アレグレに、こんな箱があった。
フリーボックス。
旅人同士が、自分の使わなくなった持ち物をあげたり貰った出来る。
簡易的なフリーマーケットというか、物々交換システムだ。素敵!
自分のバックパックを見直してみて、直近では使わないであろうもの3つを譲ることにした。
どっかで貰った暖かいニットパーカー、
日本から持ってきた超薄手の毛布、
それに圧縮収納袋。
代わりに、箱の雑多なものの中からは、
洗濯もできるネットの小物入れ、
パスケース、
コンディショナー的な薬剤を頂いた。
ありがとうございます!
さて今日の予定を考える。
情報ノートをパラパラとめくって、気になる場所を探す。
よし、これだ、スミデロ峡谷!
断崖絶壁に囲まれた川下り体験みたいなアトラクションがいくつかあるみたい。
お金がかかるし危険を伴うから過激なアトラクションはできないけど、
簡単な遊覧船に乗るとか、警告を見ることのできるトレッキングルートみたいのは見つかるかもしれない。
このサンクリからバスまたはコレクティーボ(乗り合いバス)に乗って日帰りで行けるみたい。
もちろんツアー代理店だらけのこの町でツアーを直接申し込むこともできるが、
コレクティーボに乗って直接行くのが安く済む。
「今日はどこ行くんですか~」みたいなやり取りをみんなでしていて、
スミデロ峡谷が気になるからトゥストラ方面に行ってみます、と言ったら、
「あ、じゃあ私も一緒に行っていいですか?」と予想外の仲間が出来た。
名乗り上げたのはマキさん。
断片的ではあるがかなりの数十か国を回っている歴戦のお姉さま。
僕より年上かな?
ルートを調べたりと準備。
出発は昼過ぎだ。
朝食がたっぷりだったのもあり、昼ご飯はまたOh La La のカフェに行って済ませることにした。
それまで午前中は調べ物とブログ書き。
マキさんも一緒にまた来ました、
Pâtisserie Oh! La la San Cristóbal 。
今日はコーヒーのほかにクロワッサンとエクレアをチョイス。
マジでどれも最高にうますぎる…。
マキさんは積極的で行動派だけれども、そこまで明るく沢山喋るタイプって感じでもなく、落ち着いた雰囲気がある。
日本で仕事をしながら、不定期に長期休みを取ったりして数か月単位で世界中の気になる場所に出かけているんだとか。
なるほどなぁ、1、2年とか半年みたいな長期でければ、仕事しながらでも旅はできるんだよな。
これまで俺はフィンランド旅行とハワイ旅行に行ったけどそれぞれ1週間だったし、短期と長期の旅行や旅しか知らない。
でもその間の中期的な旅というのもあるってことだ。
朝の雨で濡れた道路が渇いて、雲の隙間に晴れ間も見えてきた。
いざ、出発だ。
ーーーこのブログの編集時のコメントーーー
この直後に病気になったこともあってブログ記事のもととなる日記を書き起こせていなく、記憶も情報も薄くなってしまいました。。
心苦しいけれど、一部詳細を端折らせて進めます。
闘病編は追って。
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トゥストラ行きのコレクティーボ(乗り合いのワゴン車)に乗っているときに衝撃的な光景が窓の外に見えた。
バ、バスが横転しとる…!!!
めちゃ怖い!!!
日本ではかなり稀ではあるけど、こういった事故も海外では多いんだよな。
日本でも長距離夜行バスが事故ったりして、過労や長時間の運転が問題になったりした。
ただ、中南米なんかは山がちだから、横転=山からの転落=即死 みたいなパターンが現実にある。
常に気を抜けないな。
コレクティーボはバス停というか、伝えておけば好きな場所で降ろしてもらえる。
トゥストラまで行ってしまうとスミデロ峡谷までまた戻ってこないといけないので、
スミデロ峡谷を渡る橋のそばで降ろしてもらった。
地図がそこまで詳細でないから怪しいけど、峡谷の下に降りるルートも近くにあるはずだ。
ひとまず橋の上から写真を撮ってみようと、マキさんと降りたポイントから歩いて橋の歩道に進んでいった。
で、この眺望!
すげーーー!
天気も良くなった頃もあって見事な眺望!!
ネットにはもっとすごい写真が上がっていて、そのレベルの写真を撮るには船に乗るなり山に登るなりドローンを飛ばすなりする必要が出てきてしまう。
が、ここからでも充分に雄大だ。
しばし欄干から風景を見たり写真を撮ったりしたあとに、橋の近くに川辺の方に行ける小道を見つけたので移動した。
橋の下に潜り込むような形だ。
このまま先に行けるのかと思いきや行き止まりだった。
そこに、自転車に乗った小学生くらいの男の子がプラッと登場。
「なにしてんの~」みたいな、少照れながらも好奇心のまま声をかけてくる、子供特有の気さくな感じ。
とはいえスペイン語じゃないと話が通じないからなかなかコミュニケーションは難しい。
マキさんはスペイン語も俺より随分話せる。
旅中に覚えたクチだろう。
そのマキさんがその男の子に、写真撮っていい?と聞くとすぐにSiが返ってきた。
Yesの意味だ。
「私子供の写真撮るのが好きなんです。大人は警戒したり売りつけようとしたりするじゃないですか。子供は純粋で、ほんとにいい表情が撮れるんですよね。だから世界中で子供の写真を撮らせてもらってるの。」
なるほど~。
子供の写真、思い返すと自分はほとんど撮っていない。
子供やその親自身が撮ってというようなときは撮ったりするけど、自分がなじみ深い日本とフィンランドに関して言えば、子供の権利やインターネットの危険性といった視点が邪魔をしてしまって中々撮れない。
実際には名前も知らない人の顔が映りこんだところで誰も何も気にしないのが大半だと思う。
特に、本人の意向、親の意向に反することはできないしな。
顔認識技術とAI技術が発達していって、さらに国家やGAFAMのような強大な企業によって写真やビッグデータ情報が集約されると、例えばある少年が大人になって議員選挙に立候補したときに、過去の少年時代のいたずらした瞬間の写真がネットでの顔写真検索で見つかってしまう…、といったこともあり得てしまう。
俺自身、自分の生き別れの兄貴だったり、母方の祖父母の所在が分からないので、顔写真検索で居所が分かれば会いに行けるのにな、と思う。
仮にあちら側が「会いたくない!」と思っているとすれば、写真を撮られてネットにアップされることや、そういった検索技術は非常に迷惑なものになる。
明快な答えのない、難しい問題だ。
さてその子に聞くと、このスミデロ渓谷の渓流を楽しめる船着き場はこの近くにあるそうだが、閉まってるよという。
実際、そのこと別れて地図を見ながら船着き場に行ってみると、
閑散としておる。
誰もおらん。
はっきりとしたところは情報がなくてわからないのだが、近場で掃除しているおっちゃんに尋ねたところではどうやらもう今日の分は終わってしまった様子だ。
残念(;´Д`)
さてそうすると今日はもう特にすることがない。
どうしようか~ってマキさんと地図を見ながら相談して、ここからほど近い、チアパス・デ・コルソって街に行ってみることにした。
(どうやって移動したか忘れてしまったが、確かバスかコレクティーボを捕まえて街へ向かった。所要時間、15分くらい。歩けなくないが歩いたらそこそこ時間がかかる距離だ。)
メキシコのあちこちの街にある、中心地の広場と、街の名前のオブジェと写真スポット。
その広場に、何やら大勢が集まっていてザワついている。
そしてどこからか音楽のようなものも聞こえる。
こ、これはもしや、お祭り?
やった!
音楽と人だかりのある方に行ってみると、見事なタイミングでパレードが始まった。
車に強引にスピーカー、ウーファーを載せている。
DIY感すげーな!
子供たち、学生たち、大人たち。
色んな団体が列に並んで、踊ったり、演奏したり、仮装したりしてズラズラと歩いている。
凄いって驚くようなものではなく、幾分素朴なもの。
でもみんな緊張しながらも楽しんでいるのが分かる。
面白いのは、参加している人の年齢層による心情の差だ。
幼稚園の年少くらいのちびっ子たちはおっかなびっくりでよくわかっていない。
人込みに親の顔を探したり、前後左右の友達に合わせて動いている。
小学生くらいの子たちは無邪気に踊っていて、普通に満面の笑み。
中学生くらいの子らは割と真面目で、うまく踊ろう、振舞おう、と頑張っている。
それが高校生くらいになると、みんな「ハッ、なんでこんな子供だましなイベントに付き合わないといけないワケ?めんどくさ!」みたいな斜に構えた雰囲気になって動きも歩き方もおざなりだ。
で、それが社会人グループになるとみんな、吹っ切れたというとちょっと違うかもしれないが、本気で楽しもうとリラックスしつつ良いイベントにしようと気合が入っている。
一つのパレードで、まるでこの地域での人間の一生をダイジェストで見ているような、不思議な壮大さを感じた。
仮装もなかなか意味不明だ。
メキシコシティのときにも見た、謎の人型の着ぐるみ。
なぜか髭面の太った滑稽なおっさんの恰好をよく見る。
あ!
あの特徴的な仮面。
ニューオーリンズのマルディグラで見たやつ。
なるほど、このお祭りもカーニバル、謝肉祭の一貫なんだな。
ひときわ目を引く、なんらかのクイーンに選ばれた感のある美男美女が乗ったフロート。
楽器演奏しているグループもところどころにあって、
アフロキューバンみたいなものもあれば、ブラジリアンサンバみたいなものもあって、近隣の文化交流の存在が見える。
興味深い!
イベントはほんとにこのパレードだけで、特に出店とか特設ステージがあるわけではない。
一応チュロス屋台を見つけたので1本買った。
脂っこいけど美味しい。
パレードが広場を離れて路地の方に入っていくと広場の人だかりも散ったり追いかけたりで自然解散し、人々が談笑している横で所在を失った我々も適当にプラプラするほかなかった。
偶然お祭りに当たるなんてここ選んで正解だったね~!とマキさんと話しながら、帰路に就く。
暗くなっていくハイウェイの横、サンクリストバル行きのコレクティーボを待った。
なかなか来なくて1時間近く待ち、暗くなったところで無事拾われ、帰ることが出来た。
帰路の方が代金が高くなるのはご愛敬。
夜句になる前に帰りたい、という気持ちが強い夕方の時間帯。
こっちの立場が弱いほど、足元を見られてしまうものだ。
アレグレの夜。
夕飯はご飯味噌汁、それに唐揚げ!
金平ごぼうもついてくる!
うまーーーーーーーー!!!!
異国を感じ、日本を感じる一日だったな。
世界は広くて狭い。
明日は遂に遺跡を見に行くぞ!
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