極寒のトロントで自然を求める

2019年1月11日(金)
Canada Toronto 〜 Ottawa
カナダ トロント 〜 オタワ

ドミトリーの窓の隙間から見えた空は晴れていた。
よーしよし、観光日和だ!
といっても、トロントに何があるかわからんが!

卓上のベーグルとコーンフレーク

このホステル、Kensington College Barkpackersは朝食付きということだけど、

ウン、大したことなかった。

調味料各種とミルク

コーヒーかグリーンティ。
暖かいベーグル、トースト、コーンフレークのみ。
安そうなファットスプレッドとジャムとピーナツバター。

ささっと食べ終えて、2杯目のコーヒーをいただきながらパソコン作業。

早起きしたい、し、なんなら5:00に一度目も覚めたんだけど、風邪が治りかけなので無理はできない。

 

ネットの色んなサービスがあるけど、電話認証が必要なケースって多いじゃ無いですか?

僕は電話番号は旅に出た今でも保持しているけど、
サービスを止める手続きをしてきてしまってるので通話はできないんですよ。

最近はいろんなWebサービスやアプリがあるけど、
セキュリティを高めるために電話番号を登録しないといけないケースが多いです。

とりわけ、代金支払いが関わるものだとほぼ必須。

単にアカウントに電話番号を記載する程度ならいいんですが、
まず電話番号を登録し、SNSでナンバーを受け取って入力しないと使えない、なんてものも多い。

僕はここカナダからは南下していって、南米まで行きます。

治安のあまりよくない町だと、タクシー強盗の危険性が出てきちゃう。
ボッタくり金額を払うまで鍵を開けて外に出してくれないだとか、
荷物をトランクに入れたままこっちが車外に出た瞬間に走り去るとか。

酷い場合は窓越しに銃で打ち殺されるとか。

なので流しのタクシーは絶対使っちゃいけない、っていうのが常識になってくるみたい。
そこで現れたのがUberなどのアプリサービス。

これは一度そんな事件をしようものなら即運転手はお縄だし、サービスが低いだけでも評価が下がって客が減る。
しかして、真っ当にサービスを向上する風潮が促進される。

どこにいても迎えに来てもらえるから出先でも安心。
危険を感じたら迎えに来てもらえばいいという最強のサービスだ。

さらに決済は事前にクレジットカードで行えるからボッタくりもないし、現金を持ち歩く必要がなくなる。

現在地、目的地、最短ルートが表示されるから、旅行者が道を知らないのをいいことに回り道しまくってメーターを嵩増しするなんてコスいことにもすぐ気づける。
まじ最強。

で、
当然Uberも電話番号の認証登録が必要なわけです。

むきょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!
電話番号のひとつも持ってない原始人はアプリのロゴだけ見て帰れってかああああああ!!!

 

ところが!

なーんと、一時的に電話番号を貸してもらえる無料サービスなんてものネット上にある。

TextFreeってサービスで電話番号を使えるようになる。
いろいろ試行錯誤して、ようやくUberの利用登録が済ませられた。
ふいー。
これでいざというときも安心だね。

 

オタワへの行き方を検討する。

1泊宿取ってからヒッチハイクもありかな?
と考えたけど、16:00のバスに決めた。

バスがそこまで高くない
&
外が極寒すぎる
&
オタワで会う友人が早くおいでよ!と連絡をくれたから。

そうとなったらあまりゆっくりしてられない!

宿を出る。
景色は日本やヨーロッパとさほど変わらない、ふつーの都会の景色。

閑散とした住宅街の路地

車が行き交い、
コンビニ前でおっさんがタバコを吸い、
家やオフィスビルが連なっている。

まだ朝だから人はそこまで多くなくて、
街も今起き出した、といった様子。

気になるカフェがポツポツあるけど、まだ開いてない。

開いてないカフェの外観

大通りに出た。
トラムが走る、いかにも目抜き通りの感じ。

ディンドンパストリーズの看板

道路沿いに中華系のパン屋、Ding Dong Pastties。
肉まんと春巻きで昼ごはんだ。

齧った春巻き

歩いてるとすぐ冷める!

手の上の肉まん

高いビル群の隙間から見える青空

大通りをひたすら進んでいくとやがて高速道路のような高架が現れて、裕福そうな綺麗なマンションや広々とした芝生の公園が顔を出した。

む。
この先は何もない…。
ので引き返した。

アラン庭園の入り口

アラン庭園(Alan Garden)!
なんと入場無料!!

街の植物園、ってところか。
温室で育てていて無料開放している。

ガラスの天井と熱帯植物

ローズマリーの細い木

中に入ったらすぐにメガネが曇ってしまった。
温帯・亜熱帯の湿った暖かい空気が充満している。

凶悪な寒さの外気から身を守っていた手袋も帽子もここでは身に着けていられない。
空気を吸うと、どことなく八丈を思い出させる匂いがする。

立派なヤシ系の木

ピグミーテートパームの説明板

フェニックス・ロベレニー。
ピグミーパームって呼ばれてるのか。

ウツボカズラなんて珍しいものもさりげなく!

温室の一画

壁に下げられたビカクシダ

鹿の角の観葉植物。
日本ではそのまま「ビカクシダ」って呼ばれてるやつ。
英名だとプラティセリウムっていうんだね。

ぶらさがるウスネオイデス

チランジアの仲間のウスネオイデスもある!
ウスネオイデスめっちゃ可愛い。
育てたいなぁ~

多肉植物のエリア

反対側の温室に移ったら今度は数々のサボテンだ。

ゴールデンバレルカクタス

Golden Barrel Cactus。

バレルと名前についているのは、見た目が樽のようにずんぐり丸い形をしているかららしい。
なるほど!と思わず頷いてしまう。

死の氷の世界からのこのグリーンは心を溶かしてくれるようだ。

遠くに摩天楼が見える交差点

さて、お次!
地図を見て選んだ行き先は、The Distillery Districtと呼ばれるエリア。
直訳で、蒸留所区画?

レンガ造りの倉庫と並ぶ木樽

レンガ壁の建物が集まったお洒落な雰囲気のこのエリアには、良い感じのレストランや雑貨屋などがあるそうで、カフェを調べたら出てきたのだ。

六本木にあるようなオブジェ

んー。

レンガ造りの建物

カフェないぞ。

Elcatrin Distileriaの看板とテラス席

一瞬雑貨屋を覗いたりレストランのメニューを見てみたけど、なかなか高い。
まぁ、見るだけかな。
寒すぎて歩いてる人はほどんどいない。
夏場は気持ちのいいスポットに違いない。

一画にあるピースマークオブジェ

様々な新興宗教モチーフがくりぬかれたピースマークオブジェ

ピースマークのオブジェに何かが彫り込まれている。
近くで見ると、あらゆる宗教のシンボルが刻まれていた。
わー、素敵だ!

うん。
得にすることないなぁ…

バスは17時過ぎだ。
割と遠くまで来てしまってるからそろそろ宿に戻るとするか。

雰囲気のある時計と橋

トラムの乗り場がよく分からずウロウロ。

うむむ。
結構歩いてようやくトラムに乗れた。
ふぅ。

 

宿の倉庫に入れてもらっていたバックパックやバケツを受け取ってチェックアウトした。
いや、この宿に泊まれて助かった。

感謝感謝。

少しロビーでネットしてからバスターミナルへ向かった。

 

ターミナルはトロントの中心街であるビル群の中にある。
ニューヨークのような摩天楼がそびえ立つ、無機質な街中。
カナダのビジネスの中心地であることがうかがえる。

午後になり日が陰ってきたこともあいまって、ひどく寒々しい。
なんとも物悲しい、心が冷えるような街。

だからアラン庭園のような憩いの場が設けられるのかもしれない。
勝手な想像だけど、休日には街から離れて北部の森や五大湖なんかに羽を伸ばしに行くんじゃないかな。

スターバックスのテーブルの上のラテ

バスターミナルの近くのスタバで待機。
サービスもいいし、WiFiもあるからインスタだって更新できちゃう。

17時過ぎのグレイハウンドバスに乗り込んだ。
座席はボロいけどコンセントの形状、色んな端子から充電できる。

グレイハンドバスのコンセント

さて、長距離バスに乗ってやってきました、オタワ。

到着は、
00時過ぎ。

ぐわあああおっそ!
超眠い!

 

オタワはカナダの首都だ。
トロント、バンクーバー、モントリオールと、カナダには有名な大都市が多くあるから首都がどこだか忘れてしまいそうになる。

ここオタワに、フィンランドで出会ったあの素敵な家族、キルク家のみんなが住んでいる。
バスターミナルでご主人のゴードと待ち合わせしている。
こんな深夜に迎えにきてもらっちゃって申し訳なさすぎる…!!

22:30着予定だったバスが埋まっちゃってこれしか残ってなかったのだけど、そのことをメールしたときも
「まったく問題ないわ!みんな会えるのを楽しみにしてるから」
と嬉しい返答を貰っていたのだった。

物静かな白髭のゴードがターミナルの入り口に顔を出した。
半年ぶり!

真っ白なヒゲをたっぷり携えて、その落ち着いた物腰も相まって一見年配かなと思ってしまうけれど、体つきはかなりガッチリしていて、目つきも精悍そのものだ。

バックパックを軽々と車に積み込んでしまう。

あとから聞いた話だと、今でもアイスホッケーをやっていたのだとか。
そりゃ体格いいはずだわ。

 

街灯に照らされた凍てつく橙の道を音もなくすべり、車は住宅エリアの中に入っていった。

立派な一軒家に入ると、奥さんのコリーンがはじけるような笑顔で迎えてくれた。

白黒のふわふわな毛並みを持った飼い犬のカイヤもおずおずとやってきてワンとひと吠えした。

「わ、すごい薄着!それじゃ寒いでしょ。明日暖かい服を貸してあげるわ。お腹空いてるでしょ?サンドイッチ用意してあるの。あ、クッキーもあるから食べて!」

お母さんがホスピタリティに溢れているのは万国共通だなぁ(^^)

部屋は来客用の素敵な地下室を貸してくれた。
トイレも専用に付いててまるでホテルのよう。

極寒、カードの問題、無機質な街並みに冷えていた心が一気にほぐれていくのを感じた。

お皿の上のサンドイッチ

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