ホグズミード駅とウィットビーのブルワリー

2018年12月22日(土)
UK-England York 〜 Goathland 〜 Whitby
イギリス・イングランド 〜 ゴースランド 〜 ウィットビー

目が覚めて時計を見たらもう9時を回っていた。

ぬおっ!
慌てて飛び起きる。

チェックアウトは10:00。
しくじった、シャワー浴びれんやん!

ささっと身支度して朝食を用意した。

昨日茹でておいたブロッコリーとレタスのサラダ。
このホステルにもバルサミコ酢が、しかも2種類、置いてあって、
オリーブオイルと塩もあるからドレッシングがわりに最適だ。

朝食のパンなど

バナナヨーグルト、トースト、コーヒーも用意して、満足なメニューを手早く平らげた。

チェックアウトタイムの5分前からもう部屋の清掃が入ってしまい、
バタバタと荷物を持って外に飛び出した。

清掃スタート早っ。
仕事熱心ですわね。

 

チェックインをした昨日と同じく、隣接するバー、ケネディの入り口をくぐり、部屋の鍵を返した。
デポジットで渡していた15ポンドを受け取るのも忘れずに。

 

これからゴースランドという町に行くけど、全然まともに調べずに出て来てしまった。
どうしたもんか。情報収集せねば。

取りあえず見事なヨークミンスター大聖堂を写真に収めたら、
城壁をたどって駅に向かった。

立派な教会

教会の横の広場

クリスマスショップ

運河と船

城壁の上の歩道

城壁から降りる場所が思いの外少なく、駅前を通り過ぎてしまった。

連なる屋根

交差点

城壁

戻ってくる途中にフリーワイファイを見つけたので、ここでちょっと情報収集だ。
うむ、駅前のバス停から行けそうだな。

駅まで戻ってきてバス停の時間を調べたら、
ゴースランド経由ウィットビー行きのバスは12:21発。

まだ時間があるから、どこかでコーヒーでも飲みながらWi-Fiでも。

良さげなカフェが見つからず、おなじみのスターバックスに入った。
フィルターコーヒーをマグで。
トールサイズ、2.80ポンド。

スタバのマグ

あぁ、飲み慣れた味だー。
落ち着くー。

ウィットビーまではバスをつないでいける。
が、本数が少ないから、着くのが夜になりそう。
乗り遅れたら危ないな。

コーヒーを飲み干してバスに向かった。

 

二階建てバスだ。
ローカルバスに見えて意外と広範囲を走っている。

景色を楽しみつつ向かおう。

バスの中

バスが街を繋いでいく。

その間は、フィールズ。
原野と林、たまに民家。

北フィンランドのような、なだらかな丘陵に景色が移り変わっていく。
景色を見るだけでも超楽しい。
酔うから本とかは読めないけどな。

なだらかな平原

ゴースランドに着いた。

うっかりアナウンスを聞き漏らしてしまい、目的の駅から少し先に行ったところで降りた。

あぶねー、と思ったらそのバス、ちょうどそこで引き返していった。
え…

そのまま乗って行けば駅のとこで降りれたのか(´Д` )
ヤラレタ。

まーでも。

綺麗な道路、柵、牧場

この景色を見て歩くことには価値がある。
控えめに言って最高。

道を歩く羊

ひつじたち。
ちょっと首後ろの毛が染められてる。

可愛い宿

素敵なホテル。
うねる大地がなんともユニークで、できることならアナログにスケッチをしたくなる。

首筋が緑色の羊

商店が立ち並ぶ100mほどのメインストリートを超えると駐車場とトイレがあり、
さらに歩くとその先に駅舎が見えてきた。

おおお。

不思議なもの

ここ、が、ホグズミード駅…(のモデル)

時間的に、今日運行予定のサンタエクスプレスはもう行ってしまったかな、
と思っていたけれど、ホームに一般人らしき人が数人見えたので安心して中に入れた。

柵の戸を開けて、そのファンタジーの世界に足を踏み入れる。

線路

可愛いプラットフォーム

震える。
映画の世界に紛れ込んでる実感、違和感、達成感。

ハリー達ホグワーツの生徒は、毎新学期になるとロンドンのキングズクロス駅9と3/4番線からホグワーツエクスプレスに乗り、学校の最寄りのホグズミード駅に到着する。

そのホグズミードの駅のロケ地に使われたのがここ、ゴースランド駅だ。

ちょっと記憶と違うのは、きっと映画用にCG追加したりセットを変えたりしていたからだろう。

うひゃー、乗りたい(´Д` )
ホグワーツエクスプレス乗りたい!

ツリーとミルク缶

冬季は運行中止してるのだけど、毎週末だけはサンタエクスプレスと称して特別運行しているそう。

値段はここからウィットビーまで大人で20ポンドくらいだったかな。
高いっちゃ高いけど、出せなくない。

ただ、今年のサンタエクスプレスはすべてソールドアウトだった。

ホグズミード駅

駅舎

ジリリリンと黒電話のようなベルが鳴った。

同時に線路の先の白黒の棒がガチャっと上がった。
おお、ちょうど来るんだ!!
遅いどころかタイミングばっちしじゃん!

逆のホームに行くための橋

赤いアーチの歩道橋にスタンバってるおじさんの横に行ってスマートフォンカメラを構えていたら、
高い汽笛の音と一緒に白い煙が見えてきた。

キターー( ・∀・)ーーーー!!!

ホグワーツ特急

おお!

おおお!!

煙を上げるホグワーツ特急

おおおおお!!!

走り去るホグワーツ特急

通り過ぎちゃったよ!
停まらないのね!!!

いやぁでも!
満足!!

ホグワーツエクスプレスの赤い先頭車じゃないけど、車両は赤かった!!

「この駅には停まらないんですね」っておじさんと話したら、
「あと30分くらいでまた引き返してきて、その時に少し停まるよ」と教えてくれた。

お、いいね!
別に俺鉄ヲタじゃないしいいんだけど、時間あるから待つか。

夕日が差し込む駅

荷物をプラットホームに置いたままぐるっと回ってみた。

夕日に照らせれたあぜ道

この位置いいな!
ぬかるんだ細道を通って高台に上がる。

西日

木立に遮られて駅は見えないけど、斜陽が力強く差し込んで来る。
冬至を超えて、これから着実に日は伸びて行く。
今日はまだ1年の中でも特に日が短い1日だけど、希望に満ちた日暮れだ。

高台から見下ろす駅

ぐるっと回って駅まで戻ってきた。

板チョコのパッケージ

ロンドンの9と3/4番線で買ったチョコレートを食べながら待っていると、
再びジリリリンと列車が到着する合図が鳴らされた。

で、今度は逆から!!

最後尾車両

ん?

ケツからやってきた!

停車するとあちこちからシューーッと蒸気が抜けて行く。

窓から見える席に座っているのはほとんどちびっこ達。
そして残りはその保護者。

停まった駅では特に誰も降りるわけじゃなくて、
子供達もみんなオモチャに夢中になって遊んでいる。

車掌さん

赤い客車

10分くらい停まってたかな。
再び動き出して去って行く汽車を見送った。

ホグワーツ特急の顔

…汽車って、バック出来るんだなぁ。

ポーーーっと、姿の見えなくなった汽車が鳴らす汽笛がのびやかに響いて消えた。

 

駅を出てバス停に向かう時に2人のイギリス人に会った。
ロンドンから遊びに来たそうだ。

2人の質問に、日本から来たと答えたら、おー、日本人!日本人は賢いよな!、と言った。

うお、英語聞き取りづら!!!
発音とアクセントが違いすぎる!

それはさておき、日本人は賢い、か?

うーむ、日本人の俺としては、普通と感じる。
というかアホも沢山いる。

旅をしてきてると、たしかに比較的教育レベルは高いと実感するかも。

「ロボットとか高性能の車とか、あんなん作っちゃうんだぜ。
それに今までに出会った日本人はみんな礼節がしっかりしてた。
教育がしっかりと行き渡ってなきゃ、ああはいかんよね。」

ふんふん。
ははー、なるほど。

まさに岡目八目。
その場にいると当たり前すぎて気づかないけれど、
客観的にそう言われると実感するところはあるね。

2人は車で来てるそう。
俺はバス停に残って2人と別れた。

 

完全に日が暮れて真っ暗になった。

む?
バス停小屋の梁の上になぜかりんごが乗ってる…

なぜこんなとこにリンゴが置き忘れられてるのか謎だけど、このままだと腐っておしまい。
まだみずみずしくて、香りもしっかりしてる。

リンゴ

いただきます( ´ ▽ ` )ノ
甘い!

ふへへ。
誰かがリスにあげたのかもしれないけど、早い者勝ちだぜ!

ごっそさんです!
( ^ω^)ごっそごっそー

か、賢い日本人…

 

バスに乗ってウィットビーへ。

1時間もかからずバスは街についた。
降りてすぐ鼻に飛び込んできた海の匂い。

んー、懐かしき。

船と遠くに見える月

ヨークシャープディング食べたいなと思いながらちょっと歩き回ってみたけど、
そこら中にフィッシュ&チップス推しのレストランが軒を連ねている。

ロンドンと比べたら結構安いけど、それでもどこも8〜14ポンドくらい。

お店の入り口

むむむ、高いけど、港町だろ?
ぜったいクオリティ高いよね?

ってことで、適当にHadleys Fish Restaurantってとこに入った。

持ち帰りの方が安いけど、寒すぎて外で食べる気にはなれん。
トイレとWi-Fiも借りたいし。

店内のツリー

ブラックシープエールの瓶とグラス

フィッシュ&チップスのレギュラーサイズに、パンとエールがついて、14.50ポンド。
約2000円。

エールは、Black Sheep Aleというやつ。

美味しい。ふつーに。
で、フィッシュ&チップス!!!

皿からはみ出るフィッシュアンドチップス

デッカ!!!
タラでっか!!!
サクサクのホクホク!

フィッシュ&チップス、ほんと美味いわ。

結構飽きずに何回でも食える。
魚とは思えない満足度。
国民食だけあるね!

ここではグリーンピースがマッシュされてた。
おお、マッシュタイプも結構うまいな!
レイコックで食べたやつには劣るけど!

サービスが高級レストラン並みに気が利いてて、
食べ終えてからWi-Fiを使い続けることに少なからず気を使ってしまうため、
そこそこにしてお会計を済ませた。

もうテントでも張っちゃうかな、と高台に向かった。
おお、なかなか攻める階段が出てきましたよ。

曲がる階段

でも一段一段が低くて、さほど大変でもなかった。
ドーンと音がしたかと思うと、運河の反対側の街に花火が上がっているのが見えた。

遠くの花火

花火撮るの難しい。

明かりが点いたブルワリーの入り口

暗闇に浮かび上がる修道院跡の横にビールの醸造所があった。

んん。

うん、まだ時間あるし入ろう!
醸造所の作りたてビールとか絶対美味いじゃん。

ビール樽

お客さんは1組の家族だけ。
お母さんとその息子2人でやってるお店らしい。

3.40ポンドの1パイントのIPAを頼んだ。
イギリスはIPAの本場だもんな!

パレットに乗った飲みかけのビール

グイッと飲むと、強烈なホップの苦味が喉にパンチを食らわせてきた。
コイツぁ、キクぜぇ!

「ここのビールは全部うちで作ったものだ。
なかなか強烈だろ?!ホップをふんだんに使ってるからな!」

お兄さんのニックと弟さんのトム。
めちゃくちゃ聞き取りにくい発音の英語で二人が話す。
何回か聞き返さないといけなくて、

「はは、ヨークシャーはクセが強いよな。君にはこうやって聞き取りやすい話し方をできるけど
やっぱ地元の連中同士だとこんなんだぜ。ペラペラペラ…」

うおお、全っ然違う。
なんというか、ごちゃっと潰れた感じで、妙に巻いてて、イントネーションも違う。

語尾が特に消え入る感じというか、次の言葉に吸収されちゃってて、
文脈から言ってる内容を読み取らないといけない。

相当リスニングに慣れてないとこれは着いて行けない。

「ところでなんでバケツ持ってるんだ?」
お、来ましたねこの質問。

バスキングのことを話すと、

「フォウ!最高だぜ!! ちょっとプレイしてみせてくれよ!」
「おいおい、いきなりそれは大変だろう(笑)無理にさせるんじゃねーぜ」
え、せっかくならやりますよ( ´ ▽ ` )ノ

「おーい、君達、今からこのジャパニーズがバケツでドラムソロをやってくれるんだ!
ちょっと時間いいかい?」
トムがそう言って隣のテーブルの家族に声をかけた。

なんだなんだ?面白そうね。
とみんなが椅子をこちらに向ける。

ご、ゴクリ。
えーい、ビールを飲んだ勢いだ!やっちまえ!
ダカダカダカ!!

「おーー!すごい!」
「面白いね!
「いろんなビートを叩けるもんなんだなぁ」

みんなが優しく拍手して感想を言ってくれる。

て、照れる!

イギリス、ずっとバスキングをするきっかけを得られずにいたけど、ようやくちょっとだけできたぞ。

さすがにチップはいただけない…

「ロニー、めっちゃ面白かったぜ!お、ジョッキがあいてるじゃねーか。
何が飲みたい?俺が1杯おごってやるぜ!

うひょう!ニックありがとう!!

今度は黒ビールを選んだ。
こっちもうめー!!!
ってか度数が高くて結構酔う!

黒ビール

「テーブルを見てごらん。うちはここに来たお客さんに自由に落書きしてもらってるんだ。
よかったら日本語で何か書いてくれよ!」

木のパレートにマッキーでカラフルに書かれた町の名前や人の名前。
ほぼ英語だけどフランス語とかスペイン語っぽいのもある。
アジアンはほぼ見当たらない。

よーし、日本語とフィンランド語それぞれ書いちゃろう。

パレットに書いた「美味しいビール」

へへへ。

ニック達もあまり深くは干渉してこなくて、ゆっくりとビールを飲める。
濃厚に絡むのも全然ありだけどね。

「今夜はどこに泊まるんだ?そこのホテル?」
いや、実はテント泊なんです、と答えると、

「テント?!!この気温と風の中で??フォー、クレイジーだな!」
「最高じゃん!俺はそういうワイルドなのあこがれるぜ」
「ヘイ、ママ!こいつ今晩テントで泊まるらしいぜ!ハハハ!」

折角だからテントを張れる場所を尋ねてみた。

「うーん、そうか。そうだなぁ、考えてみたら少し歩かないと厳しいかもだぞ。
駐車場が階段の傍にあるけど、明日は朝早くから人が来ちゃうはずだしな」

なぬー。どうしよう。
とちょっと雲行きが怪しくなってきたところに。

カランカラン
「あら、いらっしゃい!」
「やぁ。知り合いがうちに明日くるんで、手土産用にビールを買おうと思ってな。
6本セットってあるかい?」
「それなら…」
と、大柄のおっちゃんがビールを買いに来た。

「毎度有り難う!…あ、そうだ、このジャパニーズが今晩テントを張る場所をこの近くで探してるんだけど、あんたんとこの裏、貸してやってくれないかな」

「テント?まぁ柵の内側でなきゃいいよ。キャンピングカーがあるからその横に張ると良い。風が吹きつけるから寒いとは思うがね。」
「だそうだ、ロニ―」

ぬおう!いきなりテント張らせてもらえることになった!
このお客さんはこのブルワリーのお隣さん。
牧場をやっていて、広いフィールドと羊を飼っている。

「ワシは帰るけど、自由に使ってくれ。」
特に警戒するでもなく、その太った大柄の鼻ヒゲのおっちゃんは快諾してくれた。

ありがとうございますうううう!!!!

お会計を済ませておっちゃんが帰っていった。

 

さて、時刻はもう23時近い。
店もクローズだそうで、ママはサーバーを洗い始めてる。
俺もおいとましよう。

みんなにお礼を言って外に出た。
「メリークリスマス!」
「気を付けて旅をしてきな!」
トムは案内役にそのお隣さんの裏手の駐車場エリアまで着いてきてくれた。
テントを張るのを楽しげに見てる。
あとからニックもやってきて、2人がテント張りを手伝ってくれた。

実際、暗くて手元がよく見えなかったのと風が強くて飛ばされそうだったのでめちゃ助かった!

「そんじゃ俺たちはもう行くぜ」
「気を付けてな!会えて楽しかったよ」
「こちらこそ!クラフトビール美味しかったです!」

2人を見送ってテントの中にもぐりこんだ。
風がテントを揺らす。
ロープも張ったしきっと大丈夫!

あーー。
楽しいぞウィットビー。
楽しいぞイギリス。

出会いは最高の旅のスパイスだ!

月


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