ピエールと図書館で勉強

2019年2月25日(月)
Mexico Mexico City
メキシコ メキシコシティ にて

 

「ああ〜〜〜〜〜〜」
「ああ〜〜〜〜〜〜」

誰だ朝から外で叫んでるアホは…

 

ういー、眠い。
昨晩遅くに映画を見てしまったせいで8:00過ぎてもまだ眠かった。

カウチソファでそのままフェイスブックやメールを見ているとピエールが起きてシャワーに入った。

 

それに合わせてダニーも出てきた。
着替えも終わっててカバンを持ってて準備万端。

「ブエノスディ〜アス。昨夜はよく眠れたかしら?」

「ブエノスディアス!ぐっすりだよー。」

「準備は出来てる?」

「準備?なんの?」

「わたしあと10分で出るのよ。支度してないなら急いでね!」

10分?!

急いで着替えた。
シャワーから上がったら
ピエールも同じことを言われて慌ててた。

 

「ダニーは朝ごはん食べないの?」

「わたしは仕事があるからもう行かなきゃならないの」

「どこか近くに朝ごはんに良いところ知らない?」

「んー、この近くには無いわねぇ。
でもすぐ隣にカフェがついてるからそこで朝食は食べられるわ」

 

ってことで、

La razón Pimientaの看板

その隣のカフェ、La razón Pimienta。

メニューはすべてスペイン語だけだから意味不明なんだけど、ピエールが訳してくれた。
コンチネンタルブレックファストとかもあるけど、やっぱりメキシカンで。

 

卵のプレート。
ハムかソーセージから選べて、さらにソースを5種類の中から選べる。
説明を聞いたけどほぼ謎。

結局赤いソースか緑のソースか両方か、みたいな分け方だ。

フルーツまたはジュース、コーヒーまたは紅茶をそれぞれ選べて、
50ペソ、300円以下。

安い、が今の俺にはなかなか厳しくもある…

払いました。

 

財布の中を確認したら20ポンド紙幣がまだ残ってたから、ほんとは両替したく無いけど、
背に腹は代えられぬ。
これで生き延びられる。

 

こういうところのJugo、ジュースは、
100%じゃない市販とか業務用の安いジュースが出てくることが多いので俺は頼まないことにした。

路上で20ペソ以下で搾りたての生フルーツジュースが飲めるもんね。

カットパパイヤ

で、このフルーツはなんですか?

さっきパパイヤとかって説明された気がするけど、絶対違うよね。
パパイヤって黄色のはず。

グアダラハラの宿の朝食にもあった、メロンみたいなこの赤いフルーツ。
上品な味じゃなくて、ごく微かに臭みとエグ味があるようなウリ科のフルーツ。
メロンとスイカとパパイヤを足した感じ。

 

そういやトロピカルフルーツってみんなどことなく臭みがあるよね。
マンゴー、パパイヤ、チェリモヤ、ライチ、マンゴスチン…

なんとなーく、発酵したようなガス臭さを感じる。
ドリアンはその最たるもの。

バナナにはないかな。

このフルーツ、好きってほどではないけど、まぁフルーツってのは大概美味いもんだ。

赤いソースの卵料理

刻んだハムを混ぜたスクランブルエッグに、水気の多いトマトソースがかかってる。

ぱくっ

え、うま…

うめーなおい!

「辛くないよ」って言ってたけど、トウガラシのピリッとした辛さがちゃんとある。
多分胡椒と同じ感覚でチリパウダーとか入れてるんだろうなー。

卵食べたのいつぶりだろうってくらい久々に食べた気がするな。
付け合わせのビーンズソースをパンに付けて食べる。
グッドバイブレーション。

 

ピエールと2人でこれまでの旅の話をした。

ベルギーの高校を卒業して、9月の大学の開始までの間を旅に当てているピエール。
若い!

ベルギーからエクアドルに飛んできてから、
コロンビアとグアテマラを旅して北上してきている。
途中、仕事があるってことでバンクーバーにも行ったけど、
寒すぎてすぐにメキシコに来たらしい。

メキシコはじっくり回っていて、既に5ヶ月も旅をしている。

「このままメキシコから直接ベルギーに帰るの?」

「もうしばらくメキシコにいるけど、あと2ヶ月くらいあるし、
大好きなグアテマラを最後にしようと思ってるんだ。
その前にニカラグアに行くのを今考えてるんだけどね」

海外渡航安全情報だと結構危ないみたいだけど、どうなんだろう?

「ニカラグアは前は治安悪かったけど、今は良くなったって聞いてるよ。
ホンジュラスとエルサルバドルはかなり悪いけどね。」

マジか。
まぁニカラグアも危険度でいえばまだレベル2。

モンテレーもレベル2だし、なんならここメキシコシティから少し海沿いに行ったらレベル3になるくらいだ。

日本と違ってリスクは高いけど、かといって、
行けば必ず強盗に会うとか武装勢力に拉致されるって訳じゃない。

「コスタリカとパナマは行かないほうがいいよ」

「なんで?治安の悪い国をササっと通り過ぎてそのかわりコスタリカとかでゆっくりできると思ってたけど」

「物価が高いからだよ。
ヨーロッパと同じくらいだから、滞在するのには向いてないね。
僕の友達が言ってたけど、コロンビアで1ヶ月に使ったお金がコスタリカとパナマの滞在2週間で消えたって。」

むむー。

安全を手に入れるのってのは、そんなに金がかかるもんなのか…

街中を歩く

食べ終えて2人で図書館に向かった。

初日に行ったのとは違うところ。
Biblioteca de México、
「メキシコ図書館」だ。

図書館の入り口

柵付きの門をくぐって中に入ると、
モロッコのような中庭が連なっていた。

図書館の広々とした中庭

大学生らしい若い子がたくさん座ってるモダンな大広間があって、
その周りに小分けの図書室が並んでた。

 

荷物を預けて電源ありの部屋に入ったのだけど、Wi-Fiが弱すぎて使い物にならない。

俺はまぁバッテリーがあるし、ってことでまた広間で勉強することにした。

図書館の中

後からピエールも大広間に合流した。

 

2人で話していたら、なんか1人のおっさんが急に話しかけてきた。

スペイン語で何か必死な感じで訴えてきてる。
なんだなんだ?

アメリカがーとか電気がーとか言ってる?

ピエールが愛想笑いしながら適当にあしらったら次のテーブルの人たちに照準を合わせたようだ。

「なんて?」

「よくいる陰謀論者さ。
アメリカが怪電波を発してる、
ネットを使うと電波で操られるぞ、
iPhoneはアメリカが世界を征服して人間を意のままにするための策略だーってね。」

「お、おう…この時代になんとも非科学的なとことで…」

「話を聞いてもらいたそうだったし面白かったから聞いといた。
そうだね~頑張ってねって言ったらあっちいったよ」

すごい、ピエール大人…!

 

他のテーブルでもみんなに煙たがられてた。
そりゃそうだ。

図書館で勉強してるくらいの基礎的な知性があれば、
そんなのは妄想でしかないってわかる。

きっと本人はめちゃくちゃ真剣で必死なんだろうな…。

 

 

ピエールといったん離れてしばらく勉強。

しばらくしたらまた合流し、一緒に図書館の中もぐるっと回ってみた。

PC使用禁止のエリアがあったり、
立ち入り禁止の部屋があったり、いろいろだ。

広間

 

さて、暗くなる前に帰宅!

今夜俺はウーゴの誕生日会で出会ったヘクトルが泊めてくれるというので、
帰ったら荷物を回収してそちらへ向かう。
ピエールは今晩もダニーの家に宿泊だ。

 

 

ダニーの家に戻って、ダニーにさよなら。

「会えてよかったわ。また会いましょ」

別れ際もクールだ。

じゃあ、ダニーとピエール、またどこかで会えたら!
ピエールはメキシコシティの後は太平洋側の海沿いの街へ向かうという。

お互い、いい旅をしよう!

 

 

荷物を持ってヘクトルと待ち合わせているコヨアカンへ向かう。

夕飯を済ませるべく、
Comida de Coyoakanって市場の安い屋台で肉のケサディーヤを頼んだ。
ちょっと焼きすぎてる感あるけどうまい。

ケサディーヤ

 

 

ヘクトルと待ち合わせたのは、とあるキャラクターグッズ店。

なんでこんなところで?

と思っていたら、店の奥からヘクトルがやってきた。

 

「やぁやぁ、調子はどうだい?よく来てくれたね。
この場所?実は、この店は俺が経営してるんだ。日本のキャラクターグッズは超人気なんだぜ。」

キーホルダーが一番多いが、
携帯ケース、マグネット、根付、シール、ヘアピンとなんでもござれ。

デザインはメキシコらしい骸骨のポップなものもあれば、
日本のキティちゃんやらワンピースやら色々雑多に。
全く知らない、メキシコだかアメリカだかのキャラクターも沢山。

音楽の仕事をしていると聞いていたけど、
と聞いてみたら、副業らしい。
お~、ビジネスマン。

グッズ店

車を停めてあるというので荷物を載せてもらい、ヘクトルのうちまで向かった。

 

ほどなくして着いたのは、
ウーゴやダニーたちが住んでいたような、古くて日々の入った古いマンションじゃなく、
日本でも普通にありそうな、3階建ての綺麗なマンション。
アパートと呼ぶには戸数が多く、見た目で鉄筋コンクリート造なのが分かる。

ほわああ、
メキシコでもこんな近代的な住宅もあるんだな。
まぁ、フアレス(Juarez)なんかは丸の内のような近代的なビル群なわけだし、
地域性なのだろう。
安くて古い住宅もあれば、
新しくてピカピカな住宅もあって然るべきだ。

 

ヘクトルは一人暮らし。
家族はいた、というので複雑な話のよう。
特別触れないでおく。

「荷物は適当に置いといてよ。寝床はこっち。
この部屋自由に使っていいよ。トイレはこっちで洗面所はこっち。
俺の寝室はこっちの部屋ね。」

めちゃくちゃ早口でスラスラと英語で説明してくれるヘクトル。

 

さすが作曲・編曲を生業としているだけあって、
居間には立派なオーディオや、CDがぎっしり詰まった棚がある。

「なんだかんだ最近はPCや携帯で聞いちゃうからCDはそんなに開いてないかも。
でもCDにはCDの良さがあるよな。
あ、そっちの機械は壊れてるのか調子が悪いんだ。隣の部屋からスピーカーを持ってこよう」

と、ガチャガチャとスピーカーの配置や配線を変える。
お、おう。

 

「DREAM THEATERいいよな!Scenes From a Memory最高!」とヘクトル。

「俺はOctavariumとSix Degrees of Inner Turbulenceが特に好きだけど、正直どれも大好き!
Train of Thoughtも好きな曲も多いし、Scenes From a MemoryのDance of Eternityはやっぱりコピったよ!
Homeもシビれるね」

「わかる!ヘビーさとプログレらしいテクニカルさの融合がたまんないよな」

やっぱり好きなアーティストの話だと盛り上がる!!

 

ヘクトルがくれた瓶ビールをちびちびやりながら音楽談議に花を咲かせた一夜になった。

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