2019年3月5日(火)
Mexico San Cristóbal de Las Casas
メキシコ サンクリストバル・デ・ラスカサス
はーい着きました、サンクリストバル・デ・ラス・カサス!
名前長すぎんだよこの街イイイイイ!!!
日本人の旅人たちはみんなサンクリって略すんですね。
すげーショートカット。
でもその略称、メキシコ人には通じるのかな…
夜行バスでは結構寝られて、眠気スッキリ。
バスにはフラッシュ水洗式のトイレもついてて快適。
相変わらずアホみたいに冷房かかってたけど、その辺は抜かりなく防寒対策しといた。
さて、バスを降りればもう朝日が差して人も車も賑わっている時間帯だ。
「コースケさん、おはようございます!」
「…うん」
コースケさん、相変わらず挨拶しない人だなぁ(笑)
バスターミナルの外で座ってグレープフルーツを食べてたらコースケさんがカップ片手に戻ってきた。
「あれ、それコーヒーですか」
「うん、コーヒー。そこのおばちゃんが売ってた。えーと12ペソ帰ってきたから、8ペソだよ」
やっす!!
笑顔の素敵なおばあちゃんが小さな移動式露店でタマレスとコーヒーを売っている。
炭火の火鉢に大きなヤカンがかかってて、バケツからコーヒーをそこに移して温めなおしてる。
座ってタマレスとコーヒーを楽しんでるおっちゃん達3人もいい人たち。
「旅かな?どこから来たの?」
「日本ですー!」
「おー、ハポン!遠いとこから来たね〜ははは」
タマレスは10ペソ。
朝食にぴったりな小さいサイズで、鶏肉が入ってる。
素朴な味で美味しい。
チマキみたいな感じ。
なんか日本でいうおにぎりみたいな立ち位置なんだろな。
コースケさんに尋ねたら「僕はもうホステルもネットで予約したよ。」とのこと。
「僕はゆっくり歩いて行くよ〜」
ザ・マイペース!
そしたらここでお別れ!
またどこかでお会いできたらいいですね(^o^)/
ありがとうございましたー!
事前に調べていたカフェに向かう。
この街、今までと全然違うわ。
都市じゃないってのもあるけど、一気にローカル感が出た。
でも、同時にめっちゃツアリスティック。
今までチラホラ見ていたバックパッカーがうじゃうじゃいる!
バスターミナルだけでも15人以上いた。
歩いてる地元の女性たちは民族衣装のような服を着ていて旅の情緒を感じさせてくれる。
石畳みの歩道をガタガタと進んでいって気づいたけど、マジで宿がめちゃくちゃ多い!
バス停から100m歩く間に冗談じゃなく10件くらいある。
カフェも多い。
コンビニのOXXOもあるし、ファーマシーもツアー代理店もある。
利便性は良さそう。
ホテル、ホステル、カフェレストラン、ホテル、ホステル!!!
この街一体どうなってんだ?
明らかにソカロ感ある公園横を曲がって、閑静で可愛い小道を歩いて行く。
ホステル、カフェ、ホステル、カフェ…
発見、Carajillo Cafe。
ここカラヒーリョカフェはウェブで評価が高かったのだ。
8:00から開いてるのもありがたい。
木とコーヒーの匂いのする、素朴なオシャレカフェ!!
オープンから1時間だけアメリカンコーヒーが29ペソと安いみたい。
ペーパーフィルターのメニューもあるけど45ペソもする。
とりあえずアメリカンにすっか。
で、すぐ運ばれてきたマグから香りを嗅いで、ビビった。
これ、相当レベル高くね???
一口飲んで、目を見開いた。
うんめっ!!!!
朝のサービスアメリカンコーヒーのレベルじゃねぇ!!!
ふつーにブルーボトルコーヒーレベル!!
これで170円くらい??!!
いやいや、通うわ!1年くらい通うわ!!
2日くらいしかこの街滞在せんけど!
店員さんのサービスも超いいし、オシャレだし清潔だし!
よく見てみたら端の方で店員さんがペーパーフィルターでめっちゃハンドドリップしてた。
それをアメリカンコーヒーとして出してる。
そりゃ本格的なわけだよ!!
ゆっくりカフェで日記を書いて、折を見て宿に向かった。
予約はしてないけど、オススメしてもらった日本人宿のアレグレってとこがこの近くにある。
この町はホステルの相場が以上に安くて、100ペソ、580円くらいで泊まれるところがいくらでもある。
しかもどこも高評価!!
よりどりみどり!
とりあえずアレグレを聞いてみて、130ペソ以上だったらお断りして近くの次のとこ当たってみようかな。
なんて目測をつけて呼び鈴を押す。
ちゃんと呼び鈴に漢字で「呼鈴」って書いてあってウケる。
出てこられたのはどうやらオーナー夫妻のご両人。
あぁ、日本人の、この、丁寧で慎ましやかな対応。
値段をお聞きすると、
「えーと、すみません、うちは少し高めでして、180貰ってます」
ホヒョッ
相場100ペソのところ180か…
オアハカのイェンダが135だったから尚更長く感じるな…
「どう致しますか…?」
ぐぬぬ。
結構痛い。
でもなーでもなー。
考えてみればこの町に来ることを決めたきっかけの一つがこの宿だ。
泊まらないってのもなんかおかしい気がしてきた。
しかも相手が日本人だと「高いすね。じゃ他当たります!」って言いづらい…
むーん、2泊程度なら構わん、か。
よし、宿泊お願いします!
「あ、お腹空いてます?朝ごはんの残りがあるけど、良かったらいかがですか?」
はい~ここ選んで正解~!
え〜いいんですか〜( ´∀`)
小さいタマル1個だから少し物足りなかったんだ〜
オ?
こ、これはシベリア鉄道で揺られながら食べた、あのボルシチ?
「アレグレ名物なんですよ〜」と、同じ宿泊客の坊主頭にヒゲのおじさんが教えてくれた。
彼のお名前はエイスケさん。
う、うめぇ(´Д` )
下手したら本場よりうめぇ。
ほんと日本人の味覚って異常にレベル高いよな。
瞬殺で平らげた。
( ^ω^)ゲフー
宿に泊まっているのは、
23歳になったばかりの、ユルい雰囲気のモカさん。
お洒落でちょっと前田敦子似の美大生。(名前忘れてもた(´Д` ))
メキシコ周辺をガッツリ旅してるエイスケさん。
10年以上前から断続的に旅して60か国以上制覇してるマキさん。
みんなもう何日も滞在してるみたいで家族のようだ。
オーナー夫妻の、リョウスケさんとヒロミさんもめちゃめちゃ優しい。
聞けばこの宿、まだオープンして1年ちょい。
それでこの落ち着きよう!
年季の入った町のマップや情報ノートなどなど、大勢の旅人に親しまれてきてるのがよく分かる。
この宿にはパンディート(通称パンダ)って飼い犬がいるんたけど、元気すぎてめっちゃじゃれてくる。
その勢いが激しすぎて腕をしこたま噛まれてしまった…
甘噛みでも痛ぇ(´Д` )
エンドレスやし。
さーて、今日は何すっかなー!
この町に寄ったのは、モロッコでお会いしたミサさんにこの宿を紹介されたからってのと、あとメキシコシティの宿でお会いしたナガハマ夫妻にまた会いにきたからだけなんだよな。
夜に食事にお誘いいただいてるから、それまでは、まぁ町歩きってとこか。
情報ノートをバーッと流し見して、気になるところを選んだ。
この町は周辺に色んな伝統民族の村があって、そこを訪れて伝統衣装を見るってのが定番のようだ。
んー、あまり興味わかんな。
あとはやたら多い美味しい食べ物屋さんの情報と、スペイン語の語学関係…
えっ?!
隣町の風俗情報とかまであるし。
相場が50〜150?!!
おかしくね?!
ほとんどランチ代やん(´Д` )
ドイツの20分の1くらいやん!
どんだけこの地域貧しいの?!
怖すぎる!!
ここから少し歩いたところに小山があって、登ったところに教会があるとのこと。
その名もサンクリストバル教会。
よし、行ってみましょうか。
あとその道すがらに乳製品の美味しいお店と、安くて超ハイクオリティなケーキ屋さんもあるというから寄ってみるか。
それとそれと、パレンケ遺跡に行くにあたって、ツアーを使った方がいいという話もあるので、バス代とツアー代を比較したい。
ってことでいざ街へ!
ここが乳製品やさん。
チーズ、アイス、クリームなど各種扱ってるけど俺が気になるのはヨーグルト。
うーん、どれもでけーなー。
味付きのやつはやはり砂糖入り。
程よいやつでも大きめで、しかも容器が安っぽい。
カバンでフタが開いたりしたら惨事なので帰りに寄ることにしよう。
ここがケーキ屋さん。
pâtisserie Oh! La la San Cristóbal 。
パティスリーと掲げているだけあってケーキはフレンチスタイル。
どれも宝石のような美しさ。
メキシコの片田舎とは思えん…
1個40ペソ前後するから、まぁ240円くらい。
旅の楽しみとしては贅沢だけど、許容範囲だろう。
2つ頼んじゃ許容範囲外いいいいいい!!!!
頂きマーーース( ´∀`)
こちらはその名も「San Cristóbalito」。
チョコムースの中に、白桃を刻んだものが入ってる。
あの缶詰の白桃の、種の当たる部分特有のジャリジャリ感がアクセントになって楽しい。
んまいですな。本格的。
1個で充分満足できる内容だけど、2個並べちゃってますからね。
お次は、Maracuya。
訳すと、パッションフルーツ。
しっかりパッションフルーツ!!
甘ズッパい!!
甘ズッパああいい!!
うーん、これは強烈すぎて俺はあまり好みじゃないかな〜。
うん、間違いなく美味しいんだけどね。
好みの問題。
柑橘系の甘酸っぱさにチョコレートを合わせるのはド定番なんだけど、俺あんま好きちゃう。
コーヒーのお供は必須です。
支払いでダメ元で尋ねたらクレジットカードが問題なく使えた。
おやおや。
オアハカでは全然使えなかったのにこれはどういうことでしょうね。
さて、パレンケまでのバスを調べたら、362ペソだよ、と教えてくれた。
それに対してツアーは4社当たって、450、480、500、500。
どれも条件は一緒だ。
パレンケの他に、道中にあるアグアアスール、ミソルハという水系の名所の3箇所をめぐるものだ。
食事なし、チップ別、入場券は込み。
パレンケの入場料だけでも100ペソ近くかかると聞いてるから、これはツアーが断然お得だろう。
ツアー中荷物を全部持ってって車に置かせてもらい、最後はパレンケで降ろしてもらうっていうのも可能と返事をもらえた。
それなら後で予約するとしよう。
ソカロの横にある広場。
特になんもない。
そこから数分歩くと山の入り口に出た。
おうおう、なんちゅう階段だ。
山寺に繋がる階段のようじゃないか。
息を切らせながら最上段まで上がると、
なんとこんな眺望が!
木、ジャマ!!
う、うーん…
しかも教会開いてないやつ。
地元のおっちゃん、カップル、犬らに並んで木々の隙間からカラフルな町を見下ろした。
標高が高いおかげでこのいい天気でもそこそこ涼しい。
もっとこじんまりした町かと思ってたけど、こうやって高いとこから見渡すとそれなりに規模があることが分かる。
色んな建物があって、雑多な感じ。ちょっとサラエボを思い出す。
自転車とかあったら街歩きが楽しそうだ。
なんか旗がいっぱいあるな~。
乳製品屋でヨーグルトを1個だけ購入して一度宿に帰宅。
さて、日が暮れる頃、ナガハマ夫妻のお宅へお邪魔した。
場所はこのアレグレからすぐだ。
家の外観は他と変わらないが、呼び鈴を押したら明るい感じで迎えてくださった。
「やー、ほんとに来たね~。疲れたでしょ!どこ泊ってるんだっけ?」
アレグレです!
ナガハマ夫妻はこの町で大豆製品を製造、販売していると聞いている。
豆腐がメインで、豆腐を加工したものや、味噌なんかも作っているという。
「お酒飲めるよね?ビールあるよ」
やったー\(^o^)/
チエコさんが夕飯を用意してくれている間、イモフライみたいなのを摘まみながらここまでの旅をの経緯を軽く説明。
といっても、メキシコシティ→オアハカ→サンクリストバル
なのでまだあれからそんなに時間たってないんだけども。
クレジットカード限度額の問題でメキシコシティの脱出に手こずった話くらいか。
で、さっそく夕飯が運ばれてきたのだけど、
「揚げ出し豆腐ううううう!!!」
「メキシコシティのペンションあみーごでロニー君好きって言ってたもんね(笑)リクエストの応じて作ったよ」
うおおおおおおおお!!!!
本格的!
めちゃうまい!!!
他にもアジ飯、味噌汁、それに油淋鶏!
どれもこれも絶品!
すげーなー!
こんなに日本から離れていてもここまで完成度の高い日本料理が作れてしまうのか。脱帽!
たまに猫が家の中を歩いている。
「勝手に入ってきたんですよ。でもエサもあげてるし、もはや飼ってるみたいなものですね(笑)。自由に出入りしてますけど」
なんというか、本当に異国に根を下ろして暮らしている、って感じがして素敵だ。
話題は結婚の話などに移った。
俺自身は、結婚は別にしてもしなくてもいいと思っている。
それは独り身でもいいってわけじゃなくて、
パートナーは絶対に欲しいけど、わざわざ籍を入れる必要はないという意味。
ずっと一緒に支え合っていける、愛し合えるパートナーがいればいい。
で、そのパートナーが望むなら籍を入れてもいい、という感じだ。
結婚なんて無駄にお金がかかるし、
結局は国家が国民を管理するのに都合がいいというのと、
夫婦お互いが第三者を関わらせることで別れにくくして、ちょっとしたことで別れてしまわないようにする意味がある程度と考えている。
なので伝統とか責任とかお家とかを全部取っ払って、
ゼロベースで考えて自分達にとって好ましいのであれば結婚すればいい。
ただ問題は1つあって、
そもそも俺、彼女すら出来ないってことなんだよね。
「結婚ってさ、正直タイミングだと思うんだよね。
ずっと付き合っている二人が結ばれるというより、そろそろ結婚したいなって思っている二人が出会った時に結婚することの方が多い。私たちもそうだったから」
「相手がタイプであったり、相手のことが好きでも、人によって結婚したいタイミングって違うじゃない。
仕事とか子供とか、旅とかね。
だから二人のタイミングが違うと、結婚できなかったり分かれたりしちゃう。」
「逆に、今結婚したいと思ってるペアは、次の機会がいつくるかわからないから、相性がいい人が見つかればそこで決めちゃう。」
「それでもお互いが決断したことだから、なんだかんだ続くのよね」
ふぁーー。
深い。
なるほどなあああ
凄い真理だ。確かにその通りだと思う。
旅が原因で特定のパートナーが出来たり結婚するのは遅れるかもしれないけど、それは俺のタイミング。
きっと、俺が「今だ!」と思ったタイミングで、決まるのだろう。
とても楽しい時間はあっという間に過ぎてしまった。
トシさんチエコさん、本当にありがとうございました!ご馳走様でした!!
二人にお礼を言って、宿に戻った。
宿に戻り、道路に面したドミトリー部屋の2段ベッドに横になって話を反芻した。
この旅の間に出会いがあるか、旅を終えてから出会いがあるかは分からないが、
決心する時がやがてくるのであれば、思い悩むことなく今は目の前のことに集中すればいい。
果報は寝て待て、か。
おやすみなさい。
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