2019年2月22日(金)
Mexico Mexico City
メキシコ メキシコシティ にて
さーて、今日は寛ぐぞー!
って言っても、
仕事で疲れたわけじゃないから、
遊んでもいらんないよな。
昨日のテオティワカン遺跡を見て回った疲労はあるけど、
懸念していた筋肉痛はない。
ってか3日目に久々にやった腕立て伏せの筋肉痛の方がまだ残ってるわ。
今日はカフェに行ってウェブ作業でもしようか。
とはいえあまり長時間居座るのはよろしくない。
でも数件ハシゴするにはお金がかかりすぎる。
ほかに出来ることあるかなー、
とGoogleマップを確認してみたら、
郊外にチェックしていたポイントがあった。
そうか、まだここに行ってないか。
セントロよりも北に行ったところにある、
グアダルーペ寺院。
寺院ってことはキリスト教ではない?
よくわからんけど、行ってみますか!
昨晩買った食パンにバター塗って食べてから外へ。
昨夜ウーゴは夜遅くに帰ってきて、
早朝にはもう出て行ってしまっていた。
今晩は会えるかな。
今日も家の横のジュース屋さんで搾りたてのフルーツジュースを頂く。
「これはなんのフルーツですか?」
「パイナップルとオレンジとリンゴとグアバとほにゃららホニャララ…」
色々入ってるんですね。
これで15ペソ、85円くらい。
たっぷり入ってての見応えあるし超お得!
トロッとした甘酸っぱさが身体をリフレッシュしてくれる。
メトロバスに乗ってやってきたのは、
「グアダルーペ寺院」(Basilika de Guadalupe)。
歩いててすぐに目に付いた、
スペースマウンテンのような円錐型屋根。
これがグアダルーペ?
そのまままっすぐ入っていくと、
なんか謎な歩く歩道が。
みんな手にはスマートフォン。
なるほど。
ゆっくりと進む、
わずか数メートルのその歩く歩道に乗って見上げると、
なんのことはない、ただの宗教絵か。
そのまま進んで本堂に出た。
キリスト教の聖職者さんが厳かな声色で教えを授けていた。
その男の声ひとつで老若男女が起立する。
この旅で何度も見てきた光景だけど、
未だに奇異に見えるもんだ。
この教会はとてもモダンな、近代的な装い。
そういえばモダンな作りの教会って全く見てきてないぞ。
ヘルシンキのテンペリアウキオ教会は超見たかったけれど、
今回の滞在では結局行かなかったな。
パイプオルガンもこんな感じで一風変わっている。
外に出ると広場があって、斜め隣にバシリカがあった。
あ、これか、
ウーゴ達が「ピサの斜塔より傾いてる」っつってたのは!
ほんとにすげー傾いてる。
入んの怖いなオイ。
昔は湖だったところを埋め立てた関係で地盤が弱いんですと。
正面祭壇は普通だけど、
いくつもの立派な絵画と、
天井絵の絢爛さが見事!
ううむ、やっぱり芸術的な楽しみがあるから古い教会を見るのは楽しい。
ここの絵が、気になった。
左の下方に、聖母に祈るインディオがいる。
一体どのタイミングでの絵画なのだろうか。
コルテスが率いる軍勢が侵略に来た際、
アステカの王、モンテスマ二世は彼らを歓迎した。
アステカとは長年対立していたトラスカラという王国が、
先立ってスペイン軍に敗北したこと、
白い肌を持つケツァルクアトル神が帰ってくるという予言を持っていたことから、
モンテスマは財宝を贈る代わりに自国へ帰らせるつもりでいた。
そこにスペイン側の聖職者がまず出て行って、
「偉大なるスペインの王の寛大な申し出により、
神の教えを授けてやる。改宗しろ。」
って持ちかけ、聖書を渡した。
しかし本というものが未だ存在しないアメリカ大陸の文明。
モンテスマは聖書の開き方すら分からず、
くだらん、とポイと地面に投げ捨てた。
これに対してその聖職者が激昂して、
「神の教えを踏みにじった野蛮な連中だ、殺せ!」っつって、
待機していた軍勢が不意打ちで襲いかかったのだ。
モンテスマはすぐに捕らえられてしまった。
その後も粘り強く抵抗したインディオ側だけれど、
最終的には征服されて、強制的に改宗させられた。
さて、そんな歴史的経緯があってなお、
この土地の人はキリスト教に対して信仰心などあるものだろうか?
スペイン軍はインディオの女との間にも子供を多く持ったし、
旧大陸(ヨーロッパ)から持ち込んだ疫病によって免疫のないインディオの大半が死んでいるので、
後のインディオはほとんどスペイン人の子らと見てもいいのかもしれない。
そう考えれば、メキシコ人がキリスト教に帰依するのも、
まぁ納得いくものではある。
それに教会を建て、宗教絵を描いたのはキリスト教徒であるから、
自身の宗教を正当化し、美化するのは当然かもしれない。
自分側に都合の悪い歴史的事実であるなら、
わざわざ教会に飾るわけがないからな。
これも先住民と思しき女性たちがconvension、
則ち宗教儀式を受けてるところを表している。
布教に成功したことをアピールするために描かれたものだろうか。
バシリカの裏手には、
インディオの教会なんてものまである。
なぜかイエスがラテン風な絵柄になっている。
先住民族たちには、
それぞれ固有の信仰があり、
固有の神々を持っていた。
それを今でも大事にしているのは見てわかるけれど。
科学に対して荒唐無稽なエピソードであるのはキリスト教も、
彼らインディオ達の神話も一緒だ。
どちらの信仰もそれぞれが大事にしてきた伝統で、
心の支えで、
そして非現実的な伝説が基になっている点では共通しているのだ。
どういう経緯で生き残ったインディオ達は信仰をキリスト教に移していったのか?
とても気になる部分である。
宗教は科学的事実とは異なる。
どんなに思い、願い、想像力が強くとも、
物理的な働きかけなしに石は食べられないし、
人間は宙に浮くことはないし、
海は割れないし、
死んだ者は生き返らないし、
想い人の心は変わらない。
信仰心が強いほど良い、という考え方は、
結局情報時空上の洗脳でしかない。
または、
「なぜ私は救われないのですか」との問いに対し、
「それは信仰心が足りないからだ。
心当たりが何かあるだろう」
と救いの実現が為されないことへの言い訳に使われた結果であるか。
仮に信じることが自己満足だったとしても、
その信仰が自身の心の平安にとって都合がいい、として、
科学的実証性なしであっても構わないと信仰する者もいるだろう。
もしく、よりダイレクトに情報格差を利用されて、
洗脳されるものもいるだろう。
民衆をコントロールする上で、
情報の操作はたいそう効果的ってことだ。
何億人もの人々を2000年以上もコントロールさせてしまうだけの強烈な情報操作の力。
キリスト教だけでなく、
ユダヤ教、イスラム教、仏教、
そしてキリスト教以前の各種信仰であっても、
記述・口伝問わず、人々をコントロールしたのは、
武力と、情報操作力。
きっとこれは今後も変わらぬものであるから、
この世で生きていこうとするならば、
肉体的な強さと、
情報を操作する力を鍛える必要がある。
逆に言えば、
物理的に屈服させられない強さと、
情報によって操作されない頭を持たなきゃいけない。
とまぁ、信仰心のかけらもない人間が
この聖地に足を踏み入れてしまってて申し訳ない。
美しい外観を楽しんでグアダルーペ寺院を後にした。
地下鉄駅に入るとなぜかかぐわしいキャラメルポップコーンの香り。
ポップコーンあまり好きじゃないけど、
この香りには弱いんだよなぁ。
5ペソ、約30円!
買い!
さすがトウモロコシ主食の国。
一駅ごとに必ず誰か売り子が車両内に入ってきては、
やかましい口上を述べて商品を売り込む。
またはカラオケや演奏をしてチップをねだる。
プラットホームに降りればあちこちに物乞い。
うーん、バスキングに理解はあるけど、
こう始終カネカネカネ言われると気が滅入る。
今日はこのカフェに来ました。
Brown Caffeine Labって店。
店の前から豆を焙煎するいい香りがする。
適当にフラットホワイトを注文、35ペソ。
他より安めだな少し。
あ!
注文してからハンドドリップコーヒーがあることに気づいた…(T-T)
でもここのフラットホワイトうめぇ!!
エスプレッソの力強い苦味があるけど、
フレッシュな豆ならではの爽やかな酸味がある。
完璧に当たりのカフェ!
泊まってるとこから遠いけど!
Wi-Fiを使わせてもらい、日記とウェブ作業。
カッコいいハードロック、
香ばしい焙煎の香り、
さわやかな木漏れ日。
メキシコシティ、居心地良すぎないですか?
昼飯は少し歩いて、
昨日行って気に入ったタコス屋さん。
いたいた!
大きな特殊な鍋で炒め煮にしたようなポークの塊。
絶妙な深い味わいがたまらんのだ。
うまそー!
アッ!
隣のおじさんがなぜか俺のタコスに辛いソースを乗せた。
な、なんで俺のに?!
笑いながら赤いソースも。
別のお客さんもアハハハって笑い出す。
そしてみんなでリアクション待ち。
いやいやいや、俺リアクション芸人じゃないから!
こんな無茶振りされても困るから!
パク、もぐもぐ…
ほら、意外と辛くないし。
こんなんリアクションに困るっつー辛ぇえええええええええええええええ!!!!!!!!!
乗せすぎだバカァあああああ!!!
みんな笑いすぎ!!!
ひぃいいい(´Д` )
さて、ウーゴたちの家に戻ってきました。
「おかえりー!夕飯食べに行こう!
今日は近くにお気に入りの店が来るんだ。」
メキシコシティは食事時になるとあちこちに出店が出る。
で、その出店は移動してるらしく、
日によって出店場所が変わるわけだ。
家を出て徒歩20秒。
赤い屋根のテントに入った。
「ヤトゥサベって頼むんだ。」
とウーゴが教えてくれて、
彼に続いて同じように
「ヤトゥサベ porfavor」と頼むと、
苦笑いのおっちゃん。
ケタケタ笑うウーゴに確かめたら、
「いつものやつください」という意味合いのスラングなんだそう。
「Ya tu sabe」。
直訳すれば、「You Already Know」、かな?
そんなん一見さんが使っちゃあかんでしょ(笑)
固めの大きいトルティーヤに、
フリホーレスのソースと細かい豚肉、
マヨというよりチーズィーな白いソース、
そこにたっぷりのシュレッドチーズと粉チーズ。
濃厚な味わい。
確かにうまい!
なるほど、ヤトゥサベ、か。
覚えておこう!
あ、でも同じエリアにそんなに長いしないから使う機会はほとんどないか…(笑)
部屋に戻るとそのあと、ルームメイトの友人やら、
親類やら続々と人が増えてきた。
ヘラの妹メアリーとも挨拶。
穏やかでかわいい子。
賑やかになって来たぞ。
ウーゴがどこからともなく酒を出してくる。
「Fireball」っていう強いお酒も。
「パーティに参加すると色々あまり物のお酒を持って帰って来るんだ!ハハハ」
「よっしゃ音楽なんにする?」
ウーゴたちはみんな音楽エンジニアの仕事をしてる。
立派なオーディオコンポにスマートフォンを繋いで、
メキシカンヒップホップがスピーカーを震わせる。
「もうちょい音上げよう」
ちょ、音量デカくないか…?
時刻は20時くらい、
外はもう日が暮れている。
ダンスミュージックを爆音で流しながら瓶ビールとFireballをみんなであおる。
クラクラしてくるな!
誰かのお気に入りの曲が流れると、
さっと立ち上がってステップを踏む。
うおー、かっけぇなぁ!
気取りも恥じらいもなくスマートに、
楽しく踊る姿が輝いて見える。
バラードになればカップル同士が腰に手を回して緩やかなステップ。
ノリのいいものが流れ始めたらクルクルと回ってツーペアでも難なく踊りこなす。
すごい!
みんな踊れて当たり前なのか?
「ロニーも踊るんだよ!!」
と引っ張り出されたので盆踊り!
意外にめっちゃウケる。
「もっと踊れもっと踊れー!!」
ダンスとか小3の時のジャズダンスと高校の学祭の時くらいしか踊ってないぞ(汗)
酔いも回ってるので適当に踊るのがもはや「変なおじさん」。
一同爆笑。
変なおじさんが面白いのは世界共通なのか(笑)
カントリーっぽいある曲が流れ始めたら全員立ち上がった。
全員同じ方向向いて、同じ振り付けをぴったり合わせて躍る!
なるほど、なんかジェンガ的な、
定番のダンス曲なんだな!
同じステップの繰り返しだけど、
段々とテンポが速くなっていく 。
ようやくステップを覚えたあたりでピークに達して曲が終わった。
「いぇーい!!!いいね!踊れるじゃん!」
この一体感!めちゃ楽しい!
大学時代のノリだなぁ。
小休止してると新しいカウチサーフィンゲストがやってきた。
上海から来た中国人のジン。
ジンは快活でバイタリティ溢れる綺麗な女の子。
歳はちょい下くらいかなぁ。
「私はずっとダンスをしてきてるの。
だからこの旅行ではサルサを踊るのが目的なんだ!
サルサはもう躍った??」
お、おう。
今さっき躍ったあれは、サルサなのかな?
興味はあるけど、ちゃんと踊る機会はまだ得られてないなぁ。
「えー、じゃあ一緒に行こうよ!
チェックしてる店があるんだ。まだやってるよ」
「えーっ!いやいや、もう既に0時過ぎてる!
メキシコシティなんて治安悪くて夜には絶対外に出るなって言われてるくらいだし。」
「行きたい―!!楽しみにしてきたんだから!
大丈夫よ夜はまだこれから!!」
とはいえ、俺らはもう既に出来上がってるし、
女子一人外に行かせるわけにはいかない。
「家で踊ればいいじゃん!まだ数日滞在するんでしょ?」
とウーゴ。
というわけで二回戦目開始!
響き渡る爆音。
さすがにこんな深夜に部屋が揺れるほどの爆音、
マジで近所迷惑でしかないよな。。
と日本人常識でヒヤヒヤしてしまう。
「えー?近所迷惑?何それ?
気にしなくて大丈夫さ!」
ひーー
ビシッ!!
ん?!
ガッ!
ビシビシっ!
まさかと思って窓を見ると、
ヒビが入ってる!!!
「ワオ!近所の人が石を投げて来たんだ!
危ないからカーテン閉めて!」
と慌ててカーテンを閉めて、
「盛り上がって来たね!ケケケ!」
と笑ってオーディオの音量を上げるウーゴ。
やめてくれーーー
こっちの気が持たない(;´Д`)
それでもさすがに窓が完全に割れては困ってしまうので、
少ししたら大人しく音楽を消した。
それぞれ思い思いの場所に適当に寝床を用意して、
飲みながらダベりながら、
順にみんな気を失っていったたのだった。
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