2019年3月30日(土)
Guatemala Antigua 〜 El Salvador San Salvador
グアテマラ アンティグア 〜 エルサルバドル サンサルバドル
だいぶ寝すぎた。
天井のガラス窓から朝の光が差し込んで明るく部屋を照らしている。
今日は移動日!
今日というかこれから3日間ひたすら移動日だ。
ストレッチをしにテラスに上がると、昨晩少し話したジブラルタル出身のマークがいた。
彼はジャーナリストらしい。
ジブラルタルはスペインの端っこにあるイギリス領だ。
1950年代から長く続く政治的なイザコザがあって、
イギリスがEUから抜けるブレグジットを控えて色々問題が生じている。
というのは、スペイン側が、
「もしイギリスがEUから抜けたら国境を封鎖しちゃうよ〜それでもいいの〜?」って圧力をかけてるというのだ。
「60年以上も昔のことをまだやってるんだぜ?アホらしいよな〜」
とマークが苦笑いした。
「俺が投稿してる新聞社はジブラルタルの事についてスポーツ、芸術から政治経済まで扱ってる総合紙なんだけど、たった6平方キロメートルの土地の内容だからね。毎日紙面を埋めるのが大変なんだ。」
「俺は今はもう仕事から離れて旅をしているから、記事の内容も旅ネタの方が良いんだけど、上司が求めるのは国内の話題なんだ。現地にいないとちょっと難しいね。だから今は元イギリス領だったベリーズに行って取材したいとも考えてるんだ」
そう言っていくつかの記事の案を見せてくれた。
ジブラルタル内の社会主義と資本主義の意識対立だとか、
スペインのカタルーニャ独立派と反対派の対立がジブラルタルの状況と絡み合ってる話とか、
かなりテーマが深い。
緩いシャツ、柄モノタイパンツを身につけてタバコを吸ってる姿はただのヒッピーだけど、とてもインテリなんだなぁ。
おっと、ゆっくり話してる暇はない!
まだ今日のティカバスのバス乗り場が分かってないのだ。
探しに行かねば。
朝ごはんにバターたっぷりのバターコーヒーと昨日のパプリカ炒めの残りを食べて外へ出た。
ティカバスのコンタクトフォームから乗り場住所を教えてくれるようメールは送ってあるけど、
一向に返信はこない。
散々調べて、ようやくアンティグア発、グアテマラシティ行きのティカバス乗り場はどこかを問い合わせた旨を書いてある日本人のブログを発見した。
Vuen Viaggioってブログだ。
その方が受けた回答は、Hotel Burkhard前、ということだ。
ホステルキャピタントムからは遠いけど、
すぐ近くの道をまっすぐ歩けば良いだけだから分かりやすい。
そのホテルと近隣二箇所のホテルに尋ねて、
たしかにこのホテル・ブルクハード前にティカバスが停まるとの情報を得た。

マジでバス停も何もない、ただの通り。
ここに大型バスが停まるのか?
キャピタントムから片道徒歩15分。
急いで宿に荷物を取りに走った。
部屋の鍵を返して、バターも忘れず冷蔵庫から取り出して、ターニャに最後の挨拶をした。
「会えて良かったわ!ここから中南米はホントに別の世界よ。くれぐれも安全に気をつけて!
荷物をこれ以上失くさないことを祈ってるわ!フミタケにも宜しくね!」
理知的でいておおらか、厳しくも優しい、キャピタントムのターニャ。
全てを抱擁するその腕で大きなハグをした。
またきっと多分、会いに来るよ!
今日も良い一日をね、ターニャ!
ウィンは昨日の夜から姿を見てない。
昨日も夕方からかなり酔っ払ってターニャに叱られてたしなぁ。
最後に挨拶くらいしたかったな。

荷物を担いで急ぎ足でHotel Burkhardに向かった。

ホテルの前で待つこと数分、10:00になりました。
すると、どこかと電話をしていたホテルのスタッフさんが俺に告げた。
「ティカバス待ちだよね?道路混雑やなんかで到着が12:00になるそうだよ。
あと2時間あるから、どこかで時間潰しておいでよ」
なぬー!(´Д` )
汗だくで急いで来たのに。
先に言っといて貰いたいもんだわ!
ウェブ購入したからあちらさんメールアドレス知ってるはずだし。
荷物をホテル内に置いといてくれるというのでお言葉に甘えて、
デイパックとバケツを持って中心部に向かった。
そう、バケツを持って。
久しぶりにバスキングするぞー!!
2時間も時間を潰すのに、手持ちのケツァールが16ケツァールしかない!
ギリ、コーヒー1杯分だ。
せっかくだからこの新しいバケツがどれくらい使えるのかを確かめがてらコーヒー代を稼ぎたい!
最も人通りの多い、時計のついた門の通りには座れるベンチがなく、
しかも閑静だからバケツドラムには向いてない。
壁に挟まれてて狭いから音も反響してしまってうるさくなっちゃう。
セントロの公園に行くと程よいところにベンチがあったからそこに決めた。
しばらく足のコントロールを調整した。
ぐっ!
難しい!(´Д` )
前のバケツも足の操作が難点だったけど、この新しいバケツはさらにその上をいく。
ベストな足の挟み位置を見つけても、数回バス音を鳴らすともうバケツが浮き上がるか前に出てしまって続けられなくなる。
どーしよ。

10分ほど練習して、ようやく多少継続できるようになった。
足の挟む力を強めにし、8〜10打に1回ごと足の位置を直せばなんとかなりそう。
打面も以前のバケツより小さいから弧の中心角度が狭く、スティックのコントロールが難しい。
まぁやるだけやってみよう!
布の上にコインを置いてバスキングスタート!
地元のグアテマラ人たち、物売り達が遠巻きにこちらを見ている。
観光客の客足は少ない。
8ビート、16ビート、シャッフル、ラテンビート。
ダブルキックは出来ないけど、練習すればいけるぞ。
10分ちょっとやったところでセキュリティパトロールのおじさんに止められた。
スペイン語で だから何言ってるかよく分からないけど、
どうやらアンティグアでは音楽バスキングは禁止されてるそうだ。
出来る場所はあるか尋ねたけど、アンティグア全域ダメらしい。
ぐぅ…なんてこった…
たしかに物売りと物乞いはあちこちにたくさんいるけど、バスカーは1人も見ていない。
つまりそういうことなんだな。
グアテマラ人の子供達が真顔でこっちを見てる中、大人しくスティックの片付けた。


フルーツがうまいな〜
はい、手持ち金11ケツァールになりました。
近くでカフェを探したけど11ケツァールで飲めるところがない。
この前のCafe Estudioに来た。
1USドルとケツァールを併用してラテを頼んだ。
ここでも端に切れ目が入った5ドル札は受け付けてもらえなかった。
くっそー昨日の銀行めー!
しばらくネット。

12:00の15分前にまたバス乗り場であるHotel Burkhardに来た。
「中で待ってていいよ〜」
ありがとうございます!

12:00。
来ない。
12:15。
来ませんね。
バスらしき車両は通り過ぎもしない。
12:30。
焦り始める。
大丈夫かこれ…。
グアテマラシティで乗り換えするつぎのバスは14:00発。
ここからグアテマラシティまでは1時間半の道のり。
12:30出発だともう14:00を過ぎる計算になる。
しかも通常は出発45分前にはバスターミナルに居るように、とされている。
ふ、不安(´Д` )
「大丈夫だって!乗り継ぎには時間がたっぷりあるはずだよ。
なにかあれば電話くるし、まぁ待ってなよ」
ホステルのスタッフさんが明るくそう言ってくれた。
充電もしていいというので日記でも書きながら待機。
…
はい、13:00回りました。
…
13:30になってようやく迎えがきた。
「Tica busだよ!」
と窓から声をかけてきたおじさんが乗ってたのは普通の乗用車。
マジかー。
たっぷり3時間半遅れですよあなた。

どうやらグアテマラシティまでは俺1人らしいな。
英語を話せないけど気さくなおじさんで、難しくないようなスペイン語で話しかけてくれた。
「とても長く待ったよね。え、腹が減った?
あはは、バスターミナルに美味しい売店があるからそこで出発までの間に食べれるさ」
しかし見事大渋滞にはまり、グアテマラシティに辿り着いたのは14:00を大きく回った14:20。
カウンターでチェックインしたら早速今日の分となるチケット用のレシートと荷物タグを受け取った。
あとニカラグアに入る際に必要になるという用紙も。
渡すだけでいいそうだ。
「乗客が揃ったので今から発車します。すぐにバスターミナルにお越しください」
とアナウンスがなった。
おいいい俺待ちだったんじゃねーか!
どこだよ店!
「こっちこっち!」
さっきのおじさんがバスに乗せる荷物を係員に渡してからターミナル内の端っこにあるカウンターに連れてってくれた。
食堂というほどのものでもない、飲み物やお菓子が並んだカウンターと、米や肉が並んだカウンターがあった。

選べる1種類!
「持ち帰り用ね?ご飯に、あと肉と豆のおかずがあるわ。これでいい?」
1択かよ!
まぁなんでもいいわ。
これがエグゼクティブクラスに付くっていう食事のひとつめなのかな?
「5ドルになります(ニコリ)」
ごっ
「5ドル、ですか…?」
チケットを見せる。
「ええ。5ドル。」
とチケットを見向きもせず指で5を示す。
え、釈然としない…
ピューーイ!
「おーい!バス出るぞ!早く来い!」
分かった、仕方ないし5ドル払いますよ…
「ほかに飲み物はいかが?」
飲み物?要らね要らね!
ここは高すぎる!
それに飲み物もサービスで付いてるはずだもん。
俺エグゼクティブクラスだもん。

なんのサービスもなくバスは走り始める。
窓が全開にされててエアコン台無しだからとりあえず閉めた。
その2分後に乗務員さんがやってきて、笑顔で窓を開ける。
なんで…
エアコン完備!って言うてたやん。
Wi-Fi有りって言ってたのに繋がっても使えないし。

とりあえずご飯


ずっと釈然としないまま、やがてグアテマラ・エルサルバドル間のボーダーに着いた。
バスから降りようとドアに立ったら、
5人ものおっさんが札束を持った両手を上げてゾンビのように
カンビオオオ!セニョールううう!マイフレンドおおお!カンビオオオオ!って群がってきた。
うーわ怖っ!
ゾンビ達を無視してかき分けてオフィスへ。

スタンプ、無言でバンっ!
すげー、ほぼ何もチェックしてない。


国境の川
バスに戻って今度はエルサルバドル入国。
バス内に審査員が来て一人一人、荷物チェックまでした。
「スペイン語話せる?」
「うーん、No」
「ハポン?」
Si。
「目的地は?」
パナマです。
「じゃあトランジットだね。オーケー、ようこそエルサルバドルへ!」
あ、スタンプ無いんだっけ。
エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグアの協定の関係かなー。
アルバニアもそうだったけど、スタンプが無いとちょっとつまらんね。ちょっと。
「ここで5分間時間取るので、食事や飲み物を買いたい人は今のうちに買ってくださいね!」
ここで乗務員さんに尋ねてみた。
「すみません、僕エグゼクティブクラスのチケット買ってるんですけど、いつ、何回食事付くんですか?」
「チケットを見せて?…あぁ、これはサンサルバドル〜パナマシティまではエグゼクティブクラスだね。アンティグアからサンサルバドルまではツアリストクラスだよ」
「そんな。だってここ、ちゃんとミクスタって書いてありますよ。」
「でも今日はないんだ。明日からは3食と飲み物が付くよ!お楽しみに!」
はーい。
ってことだそうです。
残念です。腹の虫もご立腹です。スタンディングオベーション。

夜20:20頃、サンサルバドルの端っこで一度停まって半分くらいの人が降りた。
ティカバスの看板の他にショッピングモールやバーやレストランがあって人で賑わってる。
おうおう、あれだけ凶悪都市って呼ばれていたサンサルバドルだけど、ふつうに栄えてるな。
この辺は治安がいいエリアってことだろうか。
俺はここではないらしい。
そこから更に中心部に行ったところが終点だった。
大きなゲートで守られた駐車場に入って降りる。
一部の人たちはそのままゲートの隙間から外に出て行った。
併設のオフィスらしき建物に入るとそこはホステルになってた。
ホステルっていうより、古い無機質なマンションのロビーって感じ。
「ここは一泊いくらですか?」
「やぁこんばんは。13ドルだよ!」
明るくて雰囲気のいいおじさん。
次のバスの発車が2:30の予定だから、もう21:00の今からだと5時間半しかない。
うぅ、割高だなぁ。


部屋はベッド2台とシャワー付きトイレが一緒になってる。
部屋入り口の上部はブロックの隙間や鉄格子の隙間があって野外と筒抜け。
なんというか、ほんのり監獄風味。
しかも角度的にその隙間からシャワー浴びてるところを見てもらえるという作りになってる。
きゃー。
タオル、トイレットペーパー、石鹸付き。
いやーハラヘッター!
夕飯用に大事に持ってたアボカドを食べるかぁ。

食べれる場所が…流石に…少ないな…
(´・ω・`)
代わりにフロントで夕飯がわりに飲むヨーグルトを買いました。
デカいサイズで2ドル。
高っ。
はー寝よ寝よ。
シャワー浴びて少しだけストレッチして就寝。


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