2018年12月20日(木)
UK-England Bath 〜 Lacock 〜 Gloucester
イギリス・イングランド バース 〜 レイコック 〜 グロスター
7時半に目が覚めて、そこから少し日記を書いた。
うわぁ、今までにないほどに日記を書ききれてない!
毎日いろんなことがあって、やることたくさんあって、メモくらいしか書く時間を作れてないんだよー。
イギリス来てから行きたいとこ全然うまく回れてないのに、
日記すらかけないなんて、とモヤモヤする。
もっとゆっくりしたいのだけど、
出国のフライトチケットがあるからそんなこと言ってられないんだよな。
外は明るいけど雨が降ってるという変な天気。
よーっしさっさと行くぜレイコック!
と、その前にご飯!
朝食はついてないから買い置きのパンとサラダだ。
ヨーロッパってバルサミコ酢が安いからよく色んな宿に置いてあってドレッシングがわりに重宝する。
オリーブオイルは大体使い切られてるんだけど。
小瓶どこかで一個買っとこうかな。
チェックアウトした後も宿にそのまま荷物置かせてもらって、バスステーションへ向かった。
自分で電光掲示で行き先とゲートを確認して、バスが来たら運転手にお金を払うシステムだ。
バース→チッペナム間は一度乗ってるから楽勝。
ワンデイチケットが欲しかったけど、おっちゃん曰く
「明日ならレイコック行きがあるけど今日はレイコック方面は行かないよ」とのことで、
チッペナムで別のバスに乗り換えになった。
向こうで乗り換えるのは同じバス会社じゃないってことかな。
取り敢えず往復券で、6.50ポンド。
電車より圧倒的に安いな。
ほぼ1時間でチッペナムに到着。
バスを降りて、何番バスなんだろうと掲示を確認した。
x34だな。
で、レイコック行きのx34番バスが停まるBay7を振り返ると、
まさにバスが来たところだった。
やったぜ!
バスに乗り30分ちょっとでレイコックに着いた。
レイコックは幹線道路から少し外れた集落だ。
イメージ的には高速道路のサービスエリアに近い。
ただしバス停があるのが幹線道路から入ったすぐのところと、出るところ。
つまり集落の中には行かないようになってる。
のだけど、集落の中まで入ったところで運転手さんが「ここがレイコックだよ!」とバスを停めて降ろしてくれた。
フレキシブルな感じなのかな。
ありがとうございますー!
ウホー!
町が綺麗!
建物が古いけど素朴で、ほんとに中世の騎士時代を過ぎた辺りの時代の町をイメージさせる。
ほぼすべての家の前に自動車が停まってるので雰囲気は台無しにされてしまってるんだけども。
車の上に巨大な氷の球を降らせて全てぶっ潰して足で踏んだアルミ缶みたいにして捨てた〜い。
なにかのモニュメントがあるぞ、と近寄ってみると。
第一次世界大戦の慰霊碑だった。
第一次の方か。
第一次世界大戦といえば、戦争の仕方が大きく変わった、初の大戦だ。
かつて馬や剣や槍や鉄砲程度で戦っていた時代から、
産業革命によって技術が革新し、
無線機、戦闘機、戦車、毒ガスなど、戦争の兵器が一変した。
またそれまでは軍隊と傭兵といった、戦士が戦うシステムだったのが、
産業革命によって戦争に必要な物資の生産が拡大、補給もしやすくなって、
生産や輸送を担う一般市民までを攻撃対象とした、いわゆる国家総力戦に変わってしまった。
正直、中世までの戦いに、俺はなんだかロマンも感じていた。
いや、殺し合いにロマンもクソもないんだけどさ。
個人の戦闘技術や、軍師による戦略を駆使して、正々堂々と戦うイメージ。
それが、第一次世界大戦の場合は、もっと生々しくてエグいものになった。
防御に徹して籠城する敵に対して弾薬や兵器を水のようにザブザブ使って、
それに対して塹壕に隠れて長期間戦い続ける。
そこに生物兵器や化学兵器を打ち込む。
国の予算を全て使って、プロパガンダによってやる気のない国民も煽り立てて、
相手国が潰れるまで互いに攻撃し合う。
負けたら領土は奪われ、あり得ないほど莫大な戦後賠償金を課されてしまうから、降伏なんて許されない。
だから戦略として、軍需工場や補給経路や都市にも攻撃をするようになった。
かくして戦死者が増大していった、と。
これ、気になって後から調べたんだけど、戦争による約4000万人の戦死者のうちの約1/4は民間人だ。
こんな悲惨な戦争を経験して、そこから学んで戦争しない方向に行けばよかったのだけど、
知っての通り、さらに規模が大きくなって第二次世界大戦に繋がってしまう。
この慰霊碑が具体的にどのようなものなのか、よく分からないけれど、
感じ入って、深く内省するのには、大事なものだ。
さて、暗い話から頭を切り替えて。
レイコック修道院!!
やっと来られたー!
入ってすぐにチケットを買った。
寄付金込みと抜きの価格があったのだけど、
単純にチケット、大人一枚くださいって言ったら抜きの方の値段を言ってもらえた。
11ポンド。
よかった。
寄付が嫌だってわけじゃなくて、支払う金額は、自分で決めて自分で払いたいもんね。
ガーデン!!
長さが整えられた広い平野に、ところどころ木がある。
ほわぁ、と暖かい息が出るような、そんな光景。
おとぎ話の世界に紛れ込んだようだ。
ロックアート、という案内に従ってたどり着いたガーデンの一角には、小川と石壁があった。
なんの壁面だろう。
アートというには、いかんせん芸がない。
暖かい日に遊ぶにはもってこいのスポットだな。
秘密基地を作った幼い頃を思い起こさせる。
木蔦で編まれたトナカイに出迎えてもらって、
修道院の中庭に入ると、そこには大きなクリスマスツリー!!
そのツリーをグルッと回ったところで、
なんだか可愛らしい衣装をまとった2人の女性がやってきた。
むむ?
漫画の「エマ」に登場するような、布地を重ねた、使用人の服装。
ちょっとクリスマスっぽくて、明るい。
2人並んでなにかのノートを開いて、プーとキー音を取るための笛を鳴らした。
あ、これ歌を唄うんだ!
そこから、高音パートと低音パートの二重コーラスで、クリスマスソングが披露された。
ぎゃああああああ素敵すぎるうううううう!!!
え。
歌うめえ。
緩急をつけて歌われる定番のクリスマスソング。
タンバリンがあったら参加しちゃうわ!!
自己紹介と簡単なMCも挟んで、その軽快なやりとりと、クスッと笑える小ネタがなんとも微笑ましい!
5曲くらい歌ってくれた。
盛大に拍手!!
アカペラ×クリスマスソング×中世の衣装×修道院。
好きなものが詰め込まれてて、これこそクリスマスツリーの下のプレゼントのようだ。
マジでベストのタイミングだったな!
もしガーデンを後回しにしてたり、メインの大ホールに最初に言ってたりしてたら見逃してた。
ほんのちょっとの選択の差でこんな大きな喜びを得られたり逃したりするんだから、
人生ってやつは、刺激的だ。
中庭に面した、ベイクハウス。
説明はないし、階段と謎の首以外何もないけど、乾いた木の匂いがどこか懐かしさを感じさせる。
その隣にはブリューハウス。
ここでビール醸造が行われていたそう。
左手の高い位置にある釜で麦とポップを煮る。
それを右のフラットな容器に流し入れて、冷ましながら酵母を追加。
上澄みを残すために、下から出来上がったビールを桶に移していく、って作りだ。
超シンプル。
こんな原始的なセットで作られたビール、飲んでみたい!
お次は隣の中庭から出てとなりのグレートホールに入った。
こちらは質素な修道院とは打って変わって、貴族らしい装いだ。
暖かそうな暖炉にはパチパチ、ハツハツと薪が燃え盛っている。
その薪を入れる容器も。
外から丸ごと持ってきたって様子。
高いクリスマスツリー。
クリスマスツリーは、やはり見上げるくらいの大きさでなきゃ!
フィンランドにいた頃のチビロニーは、絨毯に近い位置から、クリスマスツリーを眺めていた。
それが、いつからかデカロニーになってしまって、
てっぺんの星に手が届いてしまったときには、
この世の全てを知ってしまったかのような気分でショックを受けてしまった。
星は、手が届かないから、楽しいのだ。
こんな魔法使いぽい像も。
欲しい。
グレートホールから修道院を裏手に回ると、修道院の中に入る入り口が見えた。
アババビバビベベバピ!!!
完全にホグワーツ!!
ハリー達が授業に行くときに通った道!!
きゃああああ中庭あああ!!!
賢者の石でハリーが雪の中でヘドウィグを腕から飛ばした、あの中庭あああ、…か?
なんか狭く感じる。
ここは違うのかな?
残念ながら庭には出られないけど、脳内は完全にホグワーツだ!
回廊や併設する部屋のあちこちに小さなツリーがあって、学校や施設の名前が書かれている。
〜幼稚園とか、○○老人ホームとか。
みんなで飾り付けを作ったんだね。
これええええ!!!
この部屋あああ!!!
なんだっけ?
部屋の端の説明書きを読んで見たら、
賢者の石でクィレル先生の教える闇の魔術の防衛術に使われていた部屋らしい。
あとハリーが「みぞの鏡」を見つけて呆けていたのもここ。
なーるほどね!!
言われてみればわかる!!!
で、この鍋はなんだ?
ハリーポッターにこんなの出て来んぞ。
と思ったらその通りで、古い歴史を持つ、ただの大釜らしい。
この大釜には別段エピソードはないのだけど、作りが立派なのと歴史が長い理由で飾られている。
魔法っぽい雰囲気を演出してくれてるからいい役者だ。
カメラの歴史の展示とかもあった。
ふーん。
写真撮りまくって満足したのでレイコック修道院を出た。
いやー満足。
騎士の奥さんのエラさんが未亡人になったときに建てさせたところなんだとさ。
いい仕事しますな。
レイコック修道院の入り口のすぐ横に、開け放たれたなんだか気になる納屋があった。
デカいんだけど、空っぽでなんだか保存状態がいい。
中を覗いてみた。
ガランとした空っぽの納屋が、なぜか有機的な温かい空気をたたえている。
なんだろこれ。
なんか知らんけど、ホッとする場所だな。
地図を見たらTethe Barnという納屋らしい。
Googleマップに名前が載ってるほどだからなんか謂れのあるところなのだろう。
さて。
Carpenters Armsってお店で昼ごはん。
フィッシュ&チップスとカップティーで、10.75ポンド。
おぉ、ロンドンよりグッと安い!
それでも約1500円!くっそ贅沢!!
でもこのフィッシュ&チップスは最強だった。
カリっとした衣、タラの香りが立ち上るほくほくの白身。
それにこのグリンピース。
俺の記憶の中でも、一番はじめに嫌いな食べ物として認識したのがグリンピースだった。
大学生になる頃には抵抗なく食べられるようになったけど、別に美味いとも思わない。
それが!
ここのは、マジで美味い!!
ただ茹でただけのグリンピース。
それが優しい甘みがあって、ジューシーでふっくら。
塩を軽くかけたらもう絶品。
なんだこりゃああああ!!
茹でグリンピース、好きな食べ物にランクインしたくなったわ。
美味しいランチでした!
ご馳走さまです!
( ^ω^)ゲフー
このレイコックでハリーポッターのロケ地になったポイントがあと2つある。
ひとつは6作目、謎のプリンスで登場するスラグホーン先生の家。
ハリーの宿敵ヴォルデモート卿が魂を分割して保管した、分霊箱。
それについてのカギを握るのがスラグホーン先生だった。
映画ではダンブルドア先生と一緒にハリーがスラグホーン先生の家を訪ねるところから始まる。
で、もうひとつの撮影ポイントが、ハリーの生家。
ゴドリックの谷、という架空の地名にハリーと両親が住んでいた。
ただ、赤ん坊だったハリーを殺すべくやってきたヴォルデモート卿によって両親は殺され、ハリーの額にも傷が残される。
その事件の現場となった家が撮影されたのがこの町だ。
とはいえ、映画で町のシーンが登場するのは最終巻、死の秘宝でだ。
ハリーがこの家にやってきたときにヴォルデモート卿の飼いヘビであるナギニが襲いかかってくる。
あのシーンもここで撮られたという。
でも!
どちらも見つからない!
まぁね、どちらもおそらく今はただの民家ですからね。
観光地じゃなければ、ココですよってワザワザ告知しない。
ハリーポッターのロケ地を解説していたサイト、もっとじっくり読み今度けばよかったな…
街を歩いていたらまた通り雨が降ってきた。
急にバタバタっと降ってきて、
慌ててカバンから折りたたみ傘を引っ張り出すけど、
さし終わる頃には止んでしまう。
濡れ損。
さーて、そろそろバースに帰らねば。
出来ればグロスターまで移動したいと考えている。
レイコックの町外れまで歩いてバス停を見つけた。
時刻表を見ると、あと15分だ。
基本30分に1本のペースなのに、14:39の次は16:06になってる。
ここだけ一気に飛ぶんだな、まったく。
雨に濡れる生垣、たまに晴れ空が顔を出す灰色の雲。
老夫婦がポテポテと小走りで同じバス停の屋根の下に駆け込んできた。
同じ屋根の下で、バス待ちの共同体だ。
予定より15分遅れてやってきたバスに乗り込んでバースへ向かった。
来る時よりも長い2時間かけてバースに戻ってきた。
もう真っ暗だ。
バックパッカーズホステルにまた泊まっても良かったけど、
1ポンド安い宿が近くにあるってんで、そっちに移動することにした。
多分予約しないでもいけるけど、ま、しとくか。と、軽い気待ちでブッキングドットコムでポチり。
場所はバックパッカーズホステルから、駅と反対方面に歩いて3分。
セント・クリストファー・インってとこで、レセプションが併設のバーについていた。
いつも通りチェックイン。
カードキーと一緒に渡された紙に市内地図とか部屋番号とか書いてあるんだけど、
その一角に書いてあった言葉を見て目を疑った。
「(ネットじゃなく)直接予約した人は朝食無料!」
…
えええええ!!!!
ほんとに、全く必要なかったのに気楽に予約したせいで朝食サービス逃した!!
悔しいいいいい!!!
多分使うことないけど、また来た時には絶対直接予約しよ。
ちなみにブッキングドットコム経由で予約した人でも2ポンド払えば朝食食べられます。
とりあえず荷物を部屋において、チルアウトルームってとこを見てみた。
いわゆるリビングだな。
屋根裏部屋みたいな不思議な作りでなかなかワクワクするこのチルアウトルーム。
窓からは教会のとんがり屋根が見える。
あぁ、このホステルはキッチンがないのか…
ってことで、目の前にちょっと良さげなスーパーがあるけど、
離れた安価なテスコまで足を伸ばしてレトルト食品を買いに行った。
街はすっかりクリススムードだ。
平日だからか先週末と違って人気は少ないけど、
イルミネーションが飾られたショーウィンドウが鮮やかで可愛らしい。
ここでもまたチョコレート屋があってスッゴイいい香りを放ってた。
チョコレート屋が多いなイギリス!
香りは1番の広告塔だよなぁ。
チルアウトルームで夕飯。
ビニル蓋に穴開けてからレンチンして、
剥がしてかき混ぜてまた蓋して追加加熱して1分置く、みたいなやたらと複雑なレトルト食品だ。
ピラフみたいなのとフリカッセ風の鶏肉のクリーム煮を食べた。
贅沢に二本立てじゃい!
2つで4ポンド!
味は値段相応だけど、
この物価の高い国でこの量を4ポンド(560円くらい)で食べられればかなりお得だね。
そのあとは夕飯時で賑わったチリアウトルームがまた静けさを取り戻すまで、ひたすらウェブ作業をした。
部屋を出る時に見下ろした道路には、大きな声で騒ぐ青年たちが楽しそうに笑って歩いていた。
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