5000年の時を超えて

2018年12月15日(土)
UK-England Oxford 〜 Bath 〜 Stone Henge 〜 Bath
イギリス・イングランド オックスフォード 〜 バース 〜 ストーンヘンジ 〜 バース

食器とコーンフレークなどが並ぶ食卓と派手なテーブルクロス

朝ごはん。
バックパッカーズホステルのご飯はどこも一緒なのかもな。

ブラウンパンにあまり美味しくないバターを塗って。
あとミューズリーも少し。

 

さーて、今日はまず、昨日時間オーバーで入れなかった、
クライストチャーチの大ホールを見に行く。
ハリーポッターファンとして、これを見ずして先には進めないですよミネルバさん。

クライストチャーチのオープンが10:00で、
ホステルのチェックアウトリミットは10:30。
つまり30分以内に見て、戻ってこないといけない。

そして乗る予定の電車のチケットが10:37。
荷物をとってから7分で移動して電車に乗らなきゃならない。

ひょえええ

めちゃめちゃ厳しいタイムスケジュールだ。姿現しで移動するしかないレベル。
でも見に行く。

さぁ行くぜ!!

殺風景でさみしい道路

路地が素敵。ホグズミード感ある。

石壁と石畳の路地

広場

車が通る通り

まずは昨日行ったクライストチャーチ大学の裏手の入り口で大きな木戸が開くのを待つ。

固く閉ざされた木戸

震える。
美しさと寒さの両方に震える。

マジで映画の中の世界にいるような気になれる。

風が死ぬほど冷たい。
手が特にヤバい。
毛糸の隙間を寒風が容赦なく差し込んでくる。

フィルチ~早く開けて~

 

オープン待ちで並んでる人たち。
みんな壁にへばりつくようにして冷たい風を避けようとしてるけどまぁ焼け石に水。
風向き上、これは避けようがない。

あぁ身体を芯から温めるバタービールが欲しいよう。
オープンに合わせて入場!!

煌めくクリスマスツリー

絵画に囲まれたホール全景

うぉー大ホールうううう!!!
超ハリーポッターの世界!!!
ミーハーすぎて恥ずかしいけど、超興奮する!!

ここでダニエル・ラドクリフ達映画俳優たちが撮影したんだなぁ。

長いテーブルと電灯

暖炉と絵画

暖炉もあるし、絵画もいっぱい壁にかかってる。

知らん人ばかりだけど、多分著名な卒業生だとか、過去の校長だとか、ここ出身の歴史的人物に違いない。
ビビるのはヘンリ8世らしき人物までかかってること。
マジヤバい。

母校に織田信長の肖像画が掛かってるようなもんでしょ。

壁に並ぶ昔の偉人たちの絵

現代的で写実的なポートレイト

壁いっぱいの偉人たちの絵

じっくり見たいけど時間がない。
バババッと写真を撮って速攻ダッシュ!

ホールでの自画像

出口が遠い!!!

階段の手すり

階段踊り場の電灯

no pealと書かれた扉と二階の格子窓

宿まで走って、チェックアウト!
無事にデポジットの10ポンドも受け取れた。

チェックアウト時間を過ぎると返してもらえないという鬼ルールだから、絶対に遅れらんない!

ホチキスの残った紙幣をポケットに突っ込んで走った。
荷物を引っ掴んで駅まで急ぐ。

街中の管楽器隊

事前に買ってダウンロードしておいたチケットをアクティベートして改札に入れた。

駅の中のインフォメーションデスク

電車は1分遅れで到着。
Wi-Fiも電源もあって超快適!

電車と電光掲示板

一駅走って、Didcotって駅で乗り換え。

次の電車まで20分待ち。

 

Bath到着。
Bathて。
風呂か。

グーグルマップの日本語表記だとバースになる。

プラットフォームの看板

ここ、バースに来たのは、あるところに行きたかったから。

そのあるところに一番近い町はソールズベリーなんだけど、
オックスフォードからのアクセスを考えるとここバースがベスト。
ソールズベリーには安宿見付からないし。

街に差し掛かる信号

イギリス、マジで宿も交通費も日本並みに高すぎて、旅程を立てるのが難しい。
今までみたいに、目的地の最寄で野宿、とかできない。
寒すぎるし、テント張れるスペースないし。

 

さて、このあとの目的地に行くための情報が欲しい。

駅のツアリストインフォメーションで尋ねたら、
少し歩いたところに別のツアリストインフォメーションがあるからそこで聞いてごらんなさいとのこと。

やべ、駅の反対側に出てしまった(´Д` )

でも綺麗!

ふむふむ。いくつかのバスツアーがあるわけね。
宿の近くに安いツアーオフィスがあるからこの後行ってみよう。

街中を走る二階建てバス

宿の入り口の看板と自転車

雨が降ってきてて、濡れながらバックパッカーズホステルにたどり着いた。

宿の実際の位置がGoogleマップ上と通りを挟んで反対側という罠に引っかかってからのチェックイン!

「チェックインは13:30からだけど、ここに荷物置いていいよ」とのこと。
受付の小部屋に棚があるのでそこに荷物を置かせてもらった。
よかった!

 

やってきました、インフォメーションセンター。
時間が遅いから今日はもうツアーないかも、と危惧してたけど、
幸い13:00からバスツアーがあるそう。

やった!国を出るケツが決まってるから時間を無駄には出来ない。

ツアーの値段は42ポンド。約6000円。
すっげー高く感じるけど、ここからソースルズベリーへの電車は安くて片道18ポンドだ。

コーチバスを捕まえても10ポンドはかかるだろう。
つまり往復20~36ポンド。

ソールズベリーから目的地までの、入場券付バスツアーが28ポンドだった。
バスと入場券を別々に買うと高くつくってこと。

全部足すと最低48ポンドはかかってしまうから、ここからのツアーに参加した方が絶対お得だ。

しかもソールズベリーからのバスの最終が14:00だから、
自分でバスや電車を手配して乗って行ってたらクローズしてしまって中に入れない可能性もある。

ツアー代金はバスで支払うとのこと。
13:00の10分前に来てねと言われてるから、それまであと15分。

昼ごはんを買いたいけど、近くに売店の類がないし、雨降ってるから歩き回れない。
しかたなく1番近いカフェに入った。

ブレたカフェの入り口の写真

ここもサンドイッチとかテイクアウト商品がなくてみんな皿の提供。
うーん、とりあえず1番速そうなパン付スープを頼んだ。

早く腹に詰め込んでバスを待とう…


15分経過。
タイムオーバーああああ!!!

すんません!!
「料理あとどれくらいで来ますか?」
「忙しいから分からないわね…」

困るー。
すみません、キャンセルさせてください(´Д` )

ただ、最初に付け合わせのオリーブが出されていて、それをもう2個ほど摘んでしまってる。
別にいいかなとも思ったけど、食い逃げみたいに思われたくないし、確認してみた。
「キャンセルしたんですが、オリーブを少し摘んでしまってまして…」
「あ、それでしたら持ち帰ります?パックしますよ」

うーん、このオリーブしょっぱ過ぎるしぶっちゃけ要らんけど、せっかくだからもらっときますか。
とはいえ、これで全くお金払わないのもみっともない。

「すみません、スープはキャンセルしたんですけど、オリーブ頂いてしまって。
いくらか払った方が良いですよね。」

「えーと、オリーブは、3.50ポンドです。」


高えよ!!!!

なんで頼んでもないオリーブに500円も払わないといけないのだ(´Д` )

でも2粒食べてるのは事実。

ここで払わないとか、2粒分だけ払うとか言ってらんないっていうか待ち合わせ時間すぎてるからああああああ!!!

手に持ったコーヒー紙カップ

すっげー不服!でも仕方なくお金払ってまた雨の中ダッシュ!

バースの街中

徒歩30歩のところに待機していた紫色のバンに乗り込んだ。

さぁ行くぞ、願い続けていたあの世界遺産!!
もう分かりますよね。

世界的な、イギリスを代表する世界遺産といえば、
そう、ストーンヘンジ。

ツアー代金は聞いてたのより少し安くなって40ポンド。
やったね!

「どーもどーも!今回はストーンヘンジツアーにようこそ!!
これから約1時間強かけてストーンヘンジへ向かって、向こうで1時間半ほどの見学、
そしてまた帰ってくるという流れになるよ。
道中は簡単にバスからの見どころをお伝えするから、よろしくね!

4カ国語話せるから、みんなに楽しんでもらえると思う。
イングリッシュ、アメリカン、オーストラリアン、それに少しだけカナディアンだ」
全部英語じゃねーか (´Д`)

小雨の中、街を抜けていかにも”フィールド”な景色の中を進む。

たまに添乗員のお兄さんが軽いジョークを交えて解説してくれるけど、ネイティブの英語は難しい。

バスが停まったストーンヘンジの駐車場はビジターセンターの横。

そこからまた別の施設内路線バスに乗ってストーンヘンジのすぐ近くまで移動する感じだ。
草原をバスで数分走ると、ワイパーが拭うフロントガラスの向こうに、あの巨石群が姿を現した。

遠くに見えるストーンヘンジ

はわわわわ(´Д` )
出た、出たよ、あの遺跡が。

言わずと知れた、イギリスでも、いや世界でも屈指の世界遺産であり、古代人が残した貴重な遺跡。

ストーンヘンジ全景

ストーンヘンジ。
小学校の時に「ドラえもんの世界七不思議」みたいな本を読んで初めて知ってから、
長年ずっと憧れていたミステリアスな遺跡。

魔法魔術文化や、キリスト教以前の土着信仰であるドルイディズムやペイガニズムとも関係が深くて、
俺にとっても大きな聖地のひとつだ。
あぁあのストーンヘンジが俺の目の前に!

 

バスから降りる。
嵐のような横殴りの雨が残酷に頬を打ち付ける。
なんなのこの悪天候(;´Д`)

マジで超寒い。
身体が勝手に震えてくる。

風が耳の奥でゴオオっと鳴っていて、風景も相まって現実味が薄れていく。

来た。
来たよ。

ストーンヘンジのサークル

ストーンヘンジだ。
円形に並べられた巨石をたっぷりと囲うようにしてロープが張られ、
それを支える杭たちが、観客と遺跡とを隔てている。

平原の中の岩

手をかざす

手は届かない。
けど実際に目の前にある。

直立している巨石群は紀元前2500~紀元前2000年の間に築かれたと言われている。

目ではよく分からないけど、巨石を囲うようにしてさらに円形の土塁と堀があって、
それはもっと時代を遡り紀元前3100年頃のもの。
軽く5000年越えてきた。

昔はこの囲いがなくて、一般人が直接石を触ったりもできたらしい。

ペイガンたちが儀式やイベントを開いていたそうだが、保存のために禁止されてしまった。
まぁ納得。

これまであちこちの観光地を見てきたけど、
どんな遺産でも名前を書き込んだり彫り込んだりする頭の悪い不逞の輩が存在するからな。

ストーンヘンジ

こんな巨石を一体どうやって積み上げたのか。

今なら大したことではないけど、4000年以上も昔、
それこそまともな道具なんてまだなかった時代にこれを持ち上げて重ねるってのは並大抵のことじゃない。

ということでイースター島のモアイ像にならんでストーンヘンジも世界七不思議に昔は入っていた。
今はどうなってるのかな。

伝説では、偉大なる魔法使いマーリンが魔法でアイルランドから運んできて乗せた、と伝わっている。

が、実在するのかどうかはっきりしない、アーサー王伝説の登場人物の話だからいかんせん信憑性がない。
夢はあるけど。

しかもブリタニア列王史に記されているストーンヘンジの年代と、
放射性同位体によって科学的に測定された医師の年代が全然違うから、
少なくともその伝説は著者の創作、ってことになる。
きゃー寂しい現実。

5000年の時を超えた古代人の祈りが、ここに巨石の形で遺されている。
可能なら石を見ながら焚き火して酒でも飲んで一泊したいくらいである。

でも帰らねば…
風雨がヤバすぎる。
ロープに沿ってストーンヘンジをぐるっと回り込む。

草をはむ羊たち

周りはただの平野で、そこになぜか羊がおる。

この寒い中でのんびりと歩いている。
動物強ぇ。
彼らはストーンヘンジも見放題なんだな。

ストーンヘンジを指す矢印

ストーンヘンジの並びは暦を表しているらしい。

夏至がどうこう、って説明が書かれていて、
めっちゃ気になるのにメガネが雨の水滴のせいで何も見えない。

ぐおおおもう無理いいいいい!
ビジターセンターに戻るバスに駆け戻った。

夏至に関するパネル

先史時代のイギリスについての本

お土産屋さんには遺跡や世界遺産、歴史、ドルイド関連の本もあって気を引く。
くうう欲しい。

いま一番欲しいのはこの羊毛の毛布だけど…。

羊毛ストール

寒すぎる。
凍え切った濡れネズミ状態から少しでも身体を温めるべく、
ビジターセンターのイートインスペースでホットポットを頼んだ。

ホットポットのラージサイズが、7.75ポンド。
木でできたスプーンが付いている。

ポテトが雑に乗っけられたシチュー

ホットポットというか、シチューと煮込みの間みたいなやつ。
ハーブの練り込まれた肉団子、ベイクドポテト。

半分に割った肉団子

温まる。
イギリス料理は「雑」、というけれど、なるほどですね。確かに雑。
でも味は悪くない。
普段家で作るのと割と近いかもしれない。

ビジターセンターのパネル

無料展示も余った時間で確認。
時系列で変遷を並べてるのが分かりやすくてよい。
展示はそんなに充実していないな。

 

帰りのバスに乗ったらすぐに寝てしまった。

バースの街に着いた頃にはもう夜。
日が短い。

街中の夜道と光る教会

街中のメリーゴーランド

一度宿に戻ったあとに夕飯の食材を買いにまた外に出た。
スーパーが付近にいくつかあるし台所も充実している。

ショーケースの多様なハム

フムフム。
肉が良いですね。

山羊のマークが可愛いヨーグルト

ショーケースの肉塊たち

あ、でも野菜が圧倒的に足りてないからブロッコリーとかニンジンとかを購入。
スープにしよう。

教会の尖塔に光る時計

雨がほとんど止んだ。

ライトアップされた教会が雨の夜の街に浮かび上がっている。

 

ベビーリーフのサラダ、野菜とラム肉のスープ。
牛のスープの素を入れれば簡単に食べ応えのあるスープを作れるから便利で良いね。

スープとサラダ

スーパーで食材を買って自炊すれば割安に、ヘルシーな食事が出来る。
が、デメリットとして食材を1回で使い切るか持ち運ばないといけなくなる。

傷みやすいものや運びにくいものは使い切らないといけないから自然と料理の分量が増えてしまう。

ボリュームのあるスープを2杯半飲んだら超満腹になってしまった。

風邪をひいたらクリスマスも年末も散々な目になる。
しっかり身体を温めないとな。
共用のキッチンに撥ねた汁を丁寧にふき取って原状回復して部屋に戻った。

宿の階段の横壁の古代ローマ時代の絵画

目をつぶれば、今日のストーンヘンジの風の音が耳に蘇る。

なんだか精霊を連れて帰ったようだった。
5000年の時を超えて。


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