葛西臨海公園に落合陽一の作品を見に行きました

ひまわり落合サムネ

Moi!
こんにちは、ロニーです。

僕、落合陽一氏を敬愛しています。

筑波大の准教授であり、メディアアーティストであり、ピクシーダストインダストリーズの経営者であり、著作家でもある。
色んな顔を持つ人です。

先日、その落合氏が葛西臨海公園のひまわり畑にメディアアート作品を展示されたとのことで、早速見に行ってみました。

今年の3月にも渋谷で桜に関する展示があって、3月22日にはそこで本人のDJ+VJも無料披露されたんですが、楽しみにしていたそれは残念ながら仕事の夜間作業にぶつかってしまって見れずじまい。

なので今回は近場だし絶対に行きたいと思ってたんです。

いや~堪能してきました。

ちょうど妻の友人一家も夏休みで予定が合ったので、ひまわりの展示を見るついでに一緒に葛西臨海水族園にも行ってきました。
今回はそのお出かけ記録です。

葛西臨海公園に落合陽一の作品を見に行きました

リキッドユニバース:向日葵の環世界のコペルニクス的転回

展示会場は、葛西臨海公園のひまわり畑です。
横というか、中というか。

昨年ここに来た時はもう枯れ始めていたんですが、今年は満開の時期に来られました。

ひまわり畑

もうね、ひまわりだけでも凄い。

このひまわりの中、ひときわ目につく大きなスクリーンが、落合氏の展示である。

ひまわり畑とアート展示遠景

AIモデルってChatgptのような自然言語の生成AIの他にも様々あります。
画像生成AIや動画生成AI、コードの生成に特化したAI、音楽作成のAIなどなど。
この作品も、周囲のひまわりの画像なり映像なりを入力して、生成されたもののよう。

ヌルヌルと常に変化し続けていますが、単に映像を流しているのではなくて、刻々と新たに生み出されたものが出力されています。

どうやって作っているんだろう…。すぎょい…。

生成ひまわりが写るスクリーン

ほとんどひまわりは写ってなかったけど撮った瞬間に偶然生成されてた。

今回非常に興味深かったのは、「環世界」という概念、それを取り入れた作品であったことでした。
環世界というのは、生物が受け取っている世界像、と言えばいいでしょうか。生物学の用語です。

人は主に視覚で世界の情報を受け取っていますが、耳から入って来る音や匂いのほか、肌をセンサーとして感じる振動や温度、質感なども世界を知覚するのに使っています。

自分の過去の経験と、もしかしたら遺伝子レベルで備わっている生来の経験からそれらの01的なピピピ情報を組み合わせて、相対している世界からクオリア(感覚的な質)を認識しています。

 

ただ、人間以外の生き物は、また別の受け取り方、感じ方をしているはずです。

猫には猫の、ダニにはダニの、ひまわりにはひまわりの世界の知覚方法が合って、その知覚した情報をもとに、行動や進化を決定している。
こういった生物の主体的な独自の世界こそが「環世界」です。

生まれ育った文化、今いる環境が違えば物事の受け取り方が変わるのは人間でも一緒ですが、動植物からバクテリアまで一生物として世界を感じていて、それは自分が感じている世界とは感じ方が全然異なるものである、ということは、認識しておきたいことですね。
人はどうしても「自分の感じ方=他の人の感じ方」と感じがちですから。認知バイアス。

 

こちらの作品でひまわりが知覚する世界をインプットしているのかどうかまでは分からないですが、デジタルネイチャーがより浸透していった先には、こうした人間以外からのインプットによる生成物も一般的になっていくのかもしれません。

自然物からのプロンプトを受け取る作品、もしかしたら発信されたこの光をまたひまわりが感じ取って顔の向きを変えた様を受け取る…そういったフィードバックループも生まれ得るかも、と思うと非常に面白いですね。

個人的には、例えば京都などで、景観法・景観条例などによって派手な色合いを持つチェーン店が街並みの伝統的な景色に配慮して「馴染む」デザインとしているように、機械感、デジタル感を非人工物たる自然に融合させられる形になったらより素敵だな、とは思いました。

(公式Web) Yoichi Ochiai 公式Webの作品紹介ページ

スクリーンの裏側

熱暴走で故障しないか心配

写真を撮られているひまわり畑の中の人

ひまわり畑の中でずっと固まっていた人。写真を撮ってもらっているところだった様子。

「海とつながる。アートをめぐる。― Harmony with Nature ―」

今回のこのアートイベントは、蜷川実花など4人のアーティストの作品が公開されていました。

(公式Web) 「海とつながる。アートをめぐる。― Harmony with Nature ―」特設ページ

展望レストハウスであるクリスタルビューにも。

クリスタルビューの入り口付近と遠くの海

蜷川実花 with EiMによる、「Garden of Sky(空の庭園)」。

ぶら下がった作品と多くの見学者

キラキラしたものが色々ぶら下がってて、ホログラム的なオブジェクトにも感じられます。

積まれた本とその上の生き物たちの展示

こちらは平子雄一の「Wooden Wood 73」。
木材で出来ていて、近くで見ると質感に癒されます。結構好き。

 

あともう一人、河瀨直美による「隠されたもう一人の私。ひまわり畑での問いかけ」という、立て板での詩が散在展示されていたのですが今回は特に写真なし。
格言的な感じでした。個人的にはあまり響かず。

久々の葛西臨海水族園

コニーと一緒に来るのは3度目かな。なんだかんだ年一回くらいで訪れています。

ミストで遊ぶ子供

ミストで遊んで中に入らない。
このミストも一応今回のアートイベントの一環だったようです。

魚群!

魚群!

水槽を見るコニー

熱中している

水槽の中の小さいカニ

水槽の中の小さいカニ。出口近くの2階の展示見たことなかった。

おわりに

妻クルタさんは結構酷評で、落合氏の作品は好みではないそう。
好みや感性は人それぞれなので、こういった違う意見を聞けるのもまた面白い。

僕は確かに落合氏の作品に見る哲学・思想面や技術面に大いに影響を受けているため、アートと呼べるものがもし「一目見て誰もを感動させられる作品」とまで絞り込んだものとすれば、感じるだけでなく頭で考えた後に心が動くという僕が感じたプロセスはアートに対する反応として不純なのかもしれない。

ただ、その作品と向き合って思うこと考えること感じること、それらを総合的に捉えるのもアートとの位置関係性として間違ってはいないと思っていて、僕としては総合的にはやはり心動かされる作品であったことは確かでした。

またこのひまわり畑自体に強く心を打たれていることから、頭脳的にはデジタルネイチャーに共感をしながらも身体的には非人工物たる自然の方に圧倒的に強く反応していることに気付かされたのもまた興味深い。

デジタルネイティブ・AIネイティブ世代だとまた違った風に感じるのだろうか。

う~む、異なる世代の環世界を理解したい。

今回は以上!
モイモイ!

 

一応今回の参考用に、手前味噌ながら僕のnoteの記事リンク貼っておきます。
今回の内容がよく分からない人には理解の助けになるかもしれません。

(ロニーのnoteリンク) 『脱近代宣言』を読んで。

葛西臨海水族園の35周年ポスター。止まらないマグロ。

このキャッチコピーかなり好き

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