2019年2月23日(土)
Mexico Mexico City
メキシコ メキシコシティ
9時ごろになって同じ部屋で寝ていたカップルが起きて話し始めた。
その声で目を覚ます。
うー、寝たのか4時くらいだからもう少し寝ないと身体きついのにな。
そこにまさかの腹痛までやってきて慌ててトイレに起きだした。
一体この家に何人居るのだろう?
誰も帰ってなければ俺含めて11人泊まってることになる。
マジか?笑
代わる代わるにシャワーを浴びたら、
ウーゴ、ヘラ、新しくきた彼等の女友達のレベッカ、俺とジンの5人でブランチを食べに外に出た。
「朝ごはんにオアハカ料理を食べようよ!」
という謎のお誘い。
オアハカ料理ってどんなんだろう?!
着きました、Oaxac aqui ってレストラン。
中部以北のメキシコ料理と比べてオアハカ周辺の料理は独特らしい。
「バリエーションが豊かなんだよ!」
とのこと。
ふむ。
この前食べたタマレスもオアハカ料理だった気がする。
エディンバラで出会ったエミリーが
「Mole とAqua con Chocolate、あとEnchilada con verdeは絶対試してね!」
って教えてくれている。
そのMoleってやつがここにあった。
よっしゃ!
1番ポピュラーなメインの料理はTlayudaっていうものだそうで、
ウーゴらメキシコ人の3人はそれぞれトラユダを頼んだ。
なるほど、大きな堅焼きのトルティーヤにビーンズペースト、チーズ、キャベツ、トマト、豚肉を挟んだものか。
「いや、これはトルティーヤじゃないよ。コーンから出来てるけど、ちょっと作りが違うんだ。こっちがトルティーヤね」
と付け合わせの小さいトルティーヤを指差した。
わ、わかんねぇ。差が俺には分からんぞ。
バキッと折れるくらいの硬いトルティーヤ(ぽい生地)をそのままかじる。
ふむ、さして美味くはないけど、ふつうに食えますね。
オアハカで飲まれる不思議な飲み物、Tejate 。
テハテという。
メメスだかっていうフルーツとなにかの豆、それにコーンを混ぜたものって説明してくれた。
味はかなりココアに近いけど、さすがコーンを混ぜただけあって粉っぽくてヘヴィ。
随分甘いから砂糖も入れてるのか尋ねてみたけど、入れてないそう。
そのメメスってのが結構甘いんですね!
喉の渇きを取るものではないけど、美味しい。
俺のメインが来ました!
これがモレコンポッロ。
モレってのはこの独特なソースで、そこに好きな部位の肉を選べる。
ソースが主役で肉がサブって不思議!
ソースはスペイン語でサルサだけど、モレもソースのことを指すのかな、と聞いてみたら、
「いや、モレはモレだよ。ソースじゃないよ」とたしなめられた。
…ソースだよね…?
このモレソースは、カカオ、ナッツ、スパイスなどを混ぜて作る、とても複雑なものらしい。
事実、食べてみると甘みのあとにピリッとした辛さが追ってくる。
デミグラスソースのようでありながらも少しちがう。
こいつぁ面白い!
ジンが食べたのはエンチラーダ(Enchiladas)。
揚げたトルティーヤの上にチーズや鶏胸肉が乗ってる。
少し味見させてもらったら、これまたかなり美味い!
メキシコ料理はタコスだけじゃなかったんだなー!
トラユダをみんなでシェアするようにウーゴが頼んでくれたけど、みんな満腹で食べきれず。
ジンはエンチラーダも半分くらい残してた。
ま、まぁ朝ごはんがわりにしてはボリュームありすぎるからな(笑)
残りは俺が有難く頂きました( ´一` )
全ての残りを完食したらみんなから拍手もらっちゃったよ。
意地汚いだけなんですけれどね。
毎食タコスばっか食ってるからね。
胃がはちきれそうになってるのとは別に、
腹痛がまた襲ってきやがった。
痛ええええあああああ!!!
朝と同じ下痢。
どうしてこうなった!
あれなのかなぁ、スパイスが腹に合わないのかなぁ。
ニューオリンズの時と同じ症状。
困るなー。
ウーゴ達の部屋に戻ってからしばらくトイレで戦いを繰り広げた。
コヨアカンに先に向かうウーゴ達を見送って俺も今夜のホストさんのところに向かった。
クアウテモックの近く。
歩いて25分くらいだけど、バックパックに荷物を全て詰め込んで旅支度。
さあ着いた。
ウーゴたちのアパートと違って建物はやや新しそう。
築40年が築30年に進化した感じか。
呼び鈴は無くて、ネットで連絡したらホストさんが出てきた。
ホストさんはダニーという。
落ち着きと品があって、年上のお兄さんというか、
お姉さん?
スゴイ、英語で話しててもすぐわかった、
ダニーはおねえタイプ。
日本語でなくても話し方とか表情、佇まいでこんなにも印象変わるんだなぁ。
建物自体は内装がそっけない無機質な感じなのだけど、
ダニーの選ぶ家具なんかはゴージャスでフレンチな調度品で、
デザインに一貫性がある。
なかなか新鮮! !
「ロニー君ね。飲み物は紅茶でよいかしら」
「あ、はいありがとうございます!」
「これ、お菓子良かったら召し上がって」
とスナックを出してくれた。
ダニーは口数が少ない。
沈思黙考、厳選した センテンスを口にする、といった具合。
「あなたの話を聞かせて?」
というわけでざっと自己紹介と旅の概要を話した。
「ごめんなさいね、最近は色々忙しくて。
あと明日は別のゲストさんが来ちゃうから、今日一晩だけになっちゃったけれど」
いえいえ!とんでもない!
一泊だけでも泊めてもらえて本当に感謝です!
メキシコシティのどまんなかで野宿はヤバすぎる…
ダニーも旅行とか映画とか読書が好きなんだとか。
さて、今晩はウーゴの友人の誕生日会に誘われている。
ノルマンチートって人。
場所はコヨアカンていう少し南に行ったエリアだ。
夜遅くならない時間に戻ってくると伝えて家を出た。
地下鉄でコヨアカンまで。
地上に出るとすでに結構にぎわってる。
街中は若い人が多くて、あちこちでカップルや子供連れの家族なんかが楽しそうに歩いてる。
中心部に向かって行くとご多聞に漏れず公園があって、
ベンチはどこも満員。
公園が二つ斜めに繋がったような不思議な広場。
目立つ教会と、その周りにお土産屋さんやカフェやレストランがズラッと軒を連ねている。
公園の道路沿いにもポップコーン売り、
アイスクリーム売り、風船売り、
チュロス売り、飲み物売りなんかがワゴンを出してて、
その隙を縫って弾き語り、大道芸人、物乞いなんかがしのぎを削ってる。
なんちゅう活気だ!!
お腹もすいたし、誕生日会に参戦する前に、
事前に調べていたドーナツ屋に寄ってみた。
安くておいしい地元のドーナツチェーン、
「Cafe El Jarocho」カフェ エル ハローチョ。
非常に評価が高い。
店舗数も多く、この公園周りだけでも3店舗くらいある。
誕生日会場から歩いて数分の、
中心部から少し離れた大通り沿いにある店舗に足を踏み入れた。
簡易的なベンチやテーブルがポチポチある程度の小さなお店。
ベーシックなドーナツをコーヒーと一緒に購入。
うん、美味しい!
シンプルな、クリームの入った、穴の開いてないドーナツ。
ヒューストンのときに買ったやつよりも甘さ控えで、小麦の味もちゃんとしてていけますね。
小ぶりだから軽く食べられてしまう。
と、ゆっくりしているうちに早々に日が暮れてきてしまったので慌てて会場へ。
路地を歩いて行って、指定された場所を見つけたが、
パーティ感は全く感じられない、
ただの塀と無機質な扉だけ。
う、う~ん?
この中でパーティが繰り広げられている?
間違っていたら怖いことになるけど、
目印になりそうなものが何もないから聞くのも難しい。
ええい、ノックしてしまえ!
で、出てきた知らない青年が、
あ~いらっしゃい~と気軽に招き入れてくれた。
良かった…!!!
今回のパーティはウーゴの友達のノルマンチートの誕生日パーティ。
会場は普通の家のガレージだ。
男女10名弱が、ガレージと車の間に乱雑に置かれた椅子に思い思いに座っている。
当たり前だけど、みんなメキシコ人だからスペイン語で話している…。
主役のノルマンチートを紹介してもらったけど、
お互い、なんの接点もないので特に話すこともない(笑)
とりあえずビールを1本頂いたので自己紹介とか挨拶してから乾杯!
あとは、えーと、
端っこでちびちび飲む…
そんなところに、背が低くてロン毛を後ろでポニーテールに束ねた兄さんが流暢な英語で話しかけてきた。
「旅してるの?いいねぇ。出身、日本だって?日本好きだよー。俺本業は音楽だけどさ、副業でグッズショップもやってて、日本のキャラクターとか扱ってるんだ」
彼はヘクトル。
めちゃくちゃ早口で英語がスラスラスラスラと出てくるので、スイッチを切り替えないと聞き取りきれない!
イギリスの大学を出てるらしくて、その関係で英語が堪能なんだと。
「どんな音楽が好きなんだい?俺はヘヴィなのが好みなんだけどさ」
というので、Dream Theaterが一番好きなんだと答えると、
ここから意気投合。
Metropolisいいよな!
でも新しいアルバムも雰囲気違うけど素晴らしいし、
と盛り上がった。
「え、明日以降の泊まるところがないだって?
そんならうちおいでよ!仕事で出張に出かけちゃうけど、しばらくうちにいるしさ!」
なにいいいいい!
ヘクトル神ンンンンン!!!!
すぐ連絡先を交換した。
マジ、どこで素敵な出会いがあるかわからんな!
特にドリンクが多いわけでもない中で御呼ばれした自分があまり飲みまくるわけにもいかず、
かといって買いに出るのも、日が暮れてからだと危険。
しかもそこまでお金に余裕がない。
どうしたもんかというところでちょうどよくお開きになった。
みんなにバイバイを言ってダニエルの家へ帰宅…
その途中、なんとすき家を発見!!
明日行こうっと!
ダニエルは仕事を終えて帰ってきていた。
そして間もなくやってきたのが、もう一人のカウチサーフィンゲスト。
ベルギー人の若い男の子で、その名はピエール。
クルクルの金髪が可愛い。
凄く若く見えるけど一体何歳なんだ…?
と聞いてみたら、なんと19歳。
わっか!!!!!!!
まさかの10代!!!
英語もスペイン語もスラスラ話してるけど、ベルギーってドイツ語圏とフランス語圏じゃなかったっけ…?
「うん、そうだよ。僕の母語はフランス語。ドイツ語も話せるけどね。
スペイン語が上手だって?
もう中南米とメキシコを2か月くらい旅してるからね。慣れたよ」
な、2か月で慣れて話せるってどういうこと(´Д`)
天才か!
色々話したかったけど夜も遅いしひとまず明日へ持ち越し。
色んな人がいるな~。
やっぱり旅の醍醐味は出会いだな!!!
と、カウチ上でブランケットを被ってしみじみ思った。
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