2019年3月3日(日)
Mexico Oaxaca
メキシコ オアハカ にて
「おはようロニー!この後またプーランに行くけど、一緒にどう?」
昨日一気に親しくなったチャンドラーが誘ってくれた。
「いいね!一応ここの朝食も食べていきたいから、少し後でもいい?」
「もちろん!じゃ1時間後にな」
このホステル・イェンダで3度目の朝食は初回と同じくチアキレス。あとパパイヤ。
バターコーヒー用のバターをほぼ使い切って、あと1回分ってところだなぁ。
今夜のバスでサンクリストバル・デ・ラスカサスに向かう予定だからチェックアウトをしなきゃなんない。
溜まってた支払いを済ませて、荷物をフロントに預けた。
ちなみにお釣りで細かいのがないからと、かき集めた小銭を渡された。
中にはハーフペソコインの20枚セットのバーまで(笑)
「よし、じゃあ行こうか!彼も一緒に行くことになったよ。」
チャンドラーが、宿に泊まってる別の青年を紹介してくれた。
ゆったりしたシンプルな服、長い髭、坊主頭、丸眼鏡が特徴の、レミー。
「やぁ、レミーだ。ドレミファのレミー。
え、名前ロニーっていうの?ロニーとレミー、似てるね。ハハハ」
はい、いい人!
レミー、俺、それに完璧な肉体を持つスキンヘッドで上裸のチャンドラーの珍道中でオシャレカフェに歩いてった。
「俺フードプロセッサー買わないといけないんだよね。ロニーが見たっていうお店の位置、教えてもらえる?」
「フードプロセッサー?」
レミーが聞き返した。
「ああ。食材を細かく刻んだりするのに使われる大型のミキサーだよ。ピーナツバターを作るのに必要だから、彼女のいるコスタリカに行く前に買っていくんだ。」
「手作りピーナツバター?!最高だね!そういえば君アーモンド持ってたもんね。アーモンドとピーナツと混ざったバターを食べたことあるけど、とても美味しいよね」
「一応買いに行く前に開いてるか確認した方がいいかもだな。日曜だから…
…あ!!
ブーランも今日休みじゃん!!」
チャンドラーが叫んだ。
まじでか(´Д` )
「え、ど、どうする…?」
「いくつかオススメはあるけど…」
ってことでプラン変更!
まずは少し早いけど昼ごはんを食べに、チャンドラーのオススメのブッフェに向かった。
1軒目、55ペソで食べ放題!
フルーツや惣菜のほか、美味しそうなパンケーキと焼きたてのバーベキューが食べられる。
ちなみにチャンドラーはベジタリアン。
というかノンミートイーター。
お店に着くと、店内も肉を焼く煙でモックモク状態。
「ダメだ、ケムすぎる!これじゃ落ち着いて食べられないよ!」
「この通りには他にも数件あるんだ。次行ってみよう。」
2軒目!
サラダが豊富。店内も混んでるけど落ち着いて食べられそう。
何より、少し安くなって50ペソで食べ放題。
300円以下で食べ放題って信じられんよな。
満場一致でここに決定。
レミーはベジタリアンじゃないらしいけど、オーガニック志向だ。
みんなで皿にたくさん食べ物を乗せていただきます!
よく炊けてるご飯、豆と挽肉と野菜を煮たもの、
山盛りのレタスのサラダ、
大きめブロックにカットした南国フルーツ、
卵焼きをピリ辛のサルサソースで煮たやつ。
メニューにはなぜかシリアルやゼリーとかも豊富で沢山いる子供達に人気だ。
「レミーの星座は何?」
チャンドラーが聞いた。
あまり聞かない質問だな(笑)
「え?!ゲホゴホっ!…あぁ、僕は蠍座だよ」
「あ、じゃ同じだね!俺は月なんだけど」
「えーと、それ更に細分化したやつだっけ?僕のはなんだったかな」
レミーは占星術が超好きらしくて、数ヶ月教室に通って学んだこともあるくらいだ。
メジャーなんだなぁ。
「いやぁ、僕占星術大好きなんだよ!!チャンドラーもどこかで勉強したのかい?」
「俺は彼女が魔女で、その辺詳しいんだ。調べてもらったら、彼女が言うこと、みんな当たるんだよ!すっげーよ。それで興味もったんだ。教えてもらったばかりだから詳しくないけど、面白いよね。」
この会話最高かよ!
そこから2人は占星術のチャートとか出して色々談義。
俺は四柱推命とか素質論なんかの統計をもとにしたやつは信じてるけど、占星術はそんなでもないんだよな〜。
魔術とかチャクラは系統が別だから好きだけどさ。
「食べ終えちゃったしちょっと場所変えようか」
ってことで、お次はまたチャンドラーのオススメのカフェ。
CAFE BRUJALA。
「ここのチャイが好きなんだ〜。ちょっと甘めなのが好みでさ」
俺はカフェラテ。
「僕はユダヤ教の家系生まれなんだけど、同じルーツを持つ他宗教との諍いがあることに疑問を感じたのがきっかけで仏教を勉強してみたんだ。うちはフランスだけど、家の近くにヴィパッサナーを出来る場所があったし。ミャンマーでも少し修行したけど、今は色々あって旅してるんだ。多分そのうちまた出家することになるだろうな」
チャンドラーもシカゴ生まれだけど、家から歩いて20分のところにヴィパッサナー瞑想が出来る道場があってそこに行ったって話してたな。
ヴィパッサナーなんてインドでしか出来ないものだと思ってたけど、各地にあるんだなぁ。
色々話してると、俺ら3人とも、自然派志向、仏教観、音楽や格闘技の趣味、瞑想、旅などでいろんな共通点があることが分かってきた。
話してて超楽しいな。
「そうだ、チェスしようぜ!」
ってことでそのままチャンドラーvsレミーの対戦開始!
チャンドラーは攻守バランスよく展開していくけど、あまり勝ちにこだわらず、相手の駒を削っていくタイプ。
レミーは守りをきっちり固めて、あまり駒を動かしたがらない。
序盤でキャスリングしてキングを端に逃がしてからナイトやクイーンを飛ばして戦うスタイル。
だからゲームが長引く(笑)
こうやって第三者視点でゲーム見るの初めてかもなぁ。
ほとんどの駒を失ってしまってレミーが投了した。
3人で笑い合う。
「さっきオススメのオーガニックのマーケットがあるって言ったっけ?」
「あぁ。ここから東側に少し歩いてったところだよ。行ってみようか」
暑い日差しがジリジリと肌を焦がす。
小さなオーガニックマーケットとカフェ、フードコートが一体となったようなステキなところに連れてってもらった。
のだけど、
マリンバのマリアッチがいて、賑やかに音楽を演奏している。
「これじゃ騒がしすぎて会話できないね…」
「そうだね…別んとこいこうか…」
ってことで残念ながら再び移動。
少し離れた次のカフェまで行ったら、
なんとここは休み。
「ああああ!ここもかー(´Д` ) この街はみんな敬虔だなぁ。…宿に戻ろうか…」
戻る途中のメルセー市場ってところで果物や野菜を調達!
トマト、マンゴー、アボカド、小さなリンゴ、それに一袋もある熟したイチゴを買って、50ペソ、300円以下。
安いなー。
パンはシンプルな丸いやつ2つで5ペソ、30円以下。
ホステルに戻ったらコースケさんがいた。
「あ、コースケさん!こんにちは!コースケさんいつ頃まで泊まってるんですか?」
「いや〜、特に決めてなかったんだけど、明日か明後日にサンクリ行こうかなと思ってるんだ〜」
明日か明後日にサンクリストバル!
俺と一緒だ!
「今バスのチケット見てたら、明日と明後日ならキャンペーンで安いんだよね〜。450ペソとか」
え…
ちょっと待って、俺が今夜乗ろうとしてるやつって確か772ペソ…
「ADOってところの前日割だよ〜。探せば2等とかで200ペソなんてのもあるけど、快適なバスがいいからね〜」
え…
ちょちょちょちょっとそれ教えてください!(´Д` )
確認させてもらうと、確かに明日と明後日の夜なら、460ペソのものがある。
単純計算で1800〜2000円分くらいの差じゃん。
これ、ふつーに宿もう一泊して明日出発にした方がずっとお得だよ。
ぐぬぬぬぬ!!!
「じゃ、俺切符買いに行くわ〜」
…
俺も明日出発にします!(´Д`得)!
ってかスケジュール考えたら、予約を取ってるカンクンの日本人宿のロサスシエテ、全然7日までに間に合わんわ!
もう3月3日だもん!
日付変更の連絡をして、宿にもう一泊することを伝えて、チェスで再対戦してるレミーとチャンドラーに挨拶して切符を買いに走った。
宿からそのまま北に歩いていくとADOのバスターミナルが現れた。ここだな。
窓口のすぐ近くでコースケさんも発見。
「俺今買ったよ〜。税金とか追加されて499ペソになっちゃったよ〜」
あ、それならさっきウェブ決済に試しに進めたら同じくらいだったんで、フツーですね。
「そうなんだー。じゃ、またあとでね〜」
俺もすぐ購入!
なんか税金の他に手数料も10ペソ追加されて509ペソ。
約2950円。充分安い。
「え、手数料?俺そんなんなかったよ〜。」
え(´Д` )
全部一緒なのになぜか俺だけ10ペソ高いという謎。
なんの手数料だったのだ…
座席選んじゃったからかな…
外でタバコを吸ってるコースケさんにまた後で!と挨拶してセントロに向かった。
お気に入りのゲラゲツァでチョコラテのミルクバージョンをゲット。
値段は同じく15ペソ。
うまし( ´一` )
でもふつーのココアだすな。
異国情緒を楽しむならマヨルドモとか別のお店の方がいいかも。
暑すぎてあっという間に飲みきった。
アイスも食べちゃう。
暑すぎる…。
宿に戻るとチャンドラーとレミーがちょうど席を立ったとこだった。
「あ、レミー!チェス何戦くらいしたの?」
「うーん、4回戦だったかな。君がチケット買いに行ってから今戻ってくるまでずっとやってたんだよ」
1時間くらいずっと戦ってたのか(笑)
で、結果は?
「僕が全勝したよ(笑)」
さっき負けたレミーが全勝?!
すごい!
「後で対戦しよう!」
「あはは、もちろん!僕は陽のあるうちに洗濯しなきゃ。それじゃまた後でね!時間はたっぷりあるからね(^_^)」
夜までしばらく日記書いたりウェブ作業。
夕飯はアボカド・トマトサンド。
あとコオロギサンドも。
うーん、コオロギ微妙。
やはり粉末化して何か味の強いものと混ぜなきゃダメかな〜。
チャンドラーが、今から日課のチガンをするけど、一緒にやんない?と誘ってくれた。
うおお!待ってました!!
ヨガをしてたレミーも合流して、3人で夕日を背に屋上でチガンを始めた。
チャンドラーのレクチャーの通りに手足を開き、軽く準備運動をした。
手足を開いたり、持ち上げたり、全身を手のひらで軽くタップしたり。
イメージとしては、
・準備運動で軽く体をほぐす。
・全身をタップすることで筋肉をほぐして、細胞を目覚めさせる
・天地からのエネルギーを集めて体に吸収させる。
・それを循環させ、落ち着かせる。
って風に感じた。
動作は全てゆったりと無理なく、自分のペースで。
呼吸法も大事なようだ。
本来は目を閉じて行うらしいけど、見て学ばないといけないから、見ながら真似する形で進めた。
こりゃーたしかにかなりリフレッシュになるなぁ。
面白い!
そのまま屋上でレミーと、中国人の旅人のアブー達と話していたら日が暮れて蚊が沢山出てきてしまった。
中庭に降りた方が良さそうだ。
チャンドラーとチェス対戦をしていたら、宿に泊まっていた別のメキシカンのおじさんが混ざってきた。
「おおお!チェスじゃん!いいね!」と横に座る。
いきなりなんやねん。
「どっちの色がどっち??」
「…あぁ、それはいかんねぇ。お、それは面白いな」
「いや、そこはこうしなきゃダメだよー!」
ってめっちゃ口出してくる。
うっせぇ(´Д` )
ゲームを終えたら今度は彼と対戦することになった。
「いやー、懐かしいなぁ。もう何年もしてないけど、昔高校生の頃はチェス部にいたんだよ〜」
げ、それ本格的なやつじゃん!
案の定。
このおっさん、めっちゃ強ええ!!!
信じられん!
1戦目はなぜかうまく勝てたんだけど、2戦目からボロ負け!
まだ駒が3分の2以上残ってるってのに、チェックメイトされた。
うええ?!!
説明によれば、ちゃんと戦略があるそう。
「ポーンをそんなに動かして前面に出していったら、他の駒はそれらを守っていかなきゃならないだろ?だから動きづらくなる。それに隙間ができて、キングへのプレッシャーもかけやすい。ポーンの壁は無闇に崩さないで、じっくり並行的に相手陣地へ攻めていくのがセオリーだよ。」
なななな、なるほど!!
すげぇ、マジすげえ。
今まで各駒の動きを何通り先まで読めるか、っていうことを鍛えるもんだと思ってたけど、次元が違う。
最終的なチェックメイトへの道筋を大局的な視点で見据えながら、全体の攻撃ライン、防御ラインを構築していかなきゃならない。
ミスをすればそこから一気に形勢が崩れていくから、極力ミスをせず、逆にミスを待ったり誘ったりしながら、確実に陣地を守っていく必要がある。
今まで俺がやってたチェスはマジでただの遊びだったのか…
なんつーか、スゴいビジネスっぽい。
個々の駒の特性とその動き方までは読めると思ってたけど、そんなの普通のこと。
それじゃあ、結局は行き当たりばったりにすぎない。
常にその先、最終的なゴールをどうするかってとこまでの流れを意識しながら、決してミスをせずに守りを固める考え方。
世界全体を俯瞰的に見据えて、攻守のバランスや陣形を見つめる、神の視点。
めちゃめちゃ頭のトレーニングになる。
チェス楽しいいいいい!!!
っつーか難しいいいいいいいい!!!
日が超えるまで、静かな攻防を宿の中庭で繰り広げていたのだった。
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