Moi!ロニーです。
先日7月30日~8月2日まで、八丈島に行って来ました。
無事目的を果たして戻って来れました。
主な目的としては、
- 八丈島にITに関する需要はどの程度あるかを計る
- 八丈島でITを生業として働いている人と繋がる
- 八丈島でITで生計を成り立たせる現実性を計る
- 八丈島内での社会的課題について調査する
- 八丈島が今どんな様子かを見て回る
- 久々の友人と会う
です。
はい、盛りだくさんです。
「ITで働き続けながら八丈で暮らせるのか?」というのと
「八丈島のためにITで貢献できることはあるのか?」というのが元々の問いです。
調査、ヒアリング目的なので、旅行とも違うし、単なる帰省とも違います。
リサーチ旅、とでもしましょうか。
いつもなら時系列で旅ブログ的に書くんですが、それだと主題をまとめにくいので、
工程と問いに対する内容で章立てを分ける形で行きます。
では行ってみましょう、4年ぶりの帰島編、はじまりはじまり~。
八丈島でITで働く、リサーチ旅 vol.1
7月29日(木)
橘丸で八丈島へ船旅しよう
懐かしの竹芝桟橋にやってきました。
事前に予約していたので、乗船券の発行の列に並び、予約内容に合わせて記入した株主優待の乗船割引券と予約番号を伝えたらすぐに発行完了。
そのままロビーを横に進んでいくと2等和室の乗船もちょうど開始したのでささっと乗船!


昔はストレチア丸とかサルビア丸とかでしたが、
今は黄色い船体が特徴的な「橘丸」という船が就航しています。
乗船してすぐ船内をざっと見て回ったのですが、
さすが全体的に施設が綺麗でモダン!
20年も経つとそれなりに進化しますね!

食堂です
。
食券機です

氷の自販機まである!
乗船したばかりだというのに結構みんなラーメンとかカレーとかを食べてました。
高いんだから外で済ませてくればいいのに、と思うのは野暮でしょうか。

食券機です。ナイルのカレー食べられるの?!

船から見る港湾
デッキに上がると結構みんなお酒の缶を片手に盛り上がってました。
あと小学生グループもいて、旅の前のテン上げ感が伝染してくる!

でもいつもならとうに寝てる時間なので僕はすぐ寝ました。
毛布は1枚200円。テント泊ようにマットを持ってきていたので1枚で充分!

カンペキな寝床を作れる旅人の叡智
7月30日(金)
5時ごろに三宅島に付きました。

ほとんど揺れた感じもないし天気もよい!
小学生グループはここで下船していきました。
他の島も訪れてみたいな。まだ八丈島と神津島しか行ったことない。



よし、寝よう。
08:15
御蔵島と八丈島の間あたりで再び起き出しました。
この海域は太平洋の黒潮の上なので大分揺れ始めてますが、正直全然大したことない。
天候に恵まれて何より!
さて早速この旅の裏ミッション、散骨です。
父が昔、口頭で行ってたんです。
「俺の骨は八丈島と東京の間の海に撒いてくれ」と。
ちゃんと遺言に残さず急死したもんだからお墓とか用意しないわけにいかなくなってしまいましたが、
その意向を唯一知っていた僕は願いを叶えようと、今回準備してきました。
分骨してあった父の骨を完全な粉末状にしてあるので、これをデッキから散骨します。
(一定サイズ以上の粒が残ってると法的にNG)
とはいえ、精々2~3摘まみ分くらいなので全然大それたことじゃないんですけどね。

黒潮の影響なのか天候の関係か、風が強まっていて、
感慨にふける間もなく、骨粉は一瞬で空の彼方に飛んでいきました。
散骨いいですね。俺は山とか森派だから地上に散骨されたいけど。
船酔いする前にまた船室に戻って二度寝!

予定より15分程の遅れで無事底土港に着岸しました。
僕乗り物酔いがかなり酷い方なんですが、今回はまったく酔うことなく到着できたんですよ。
で降りる前に下船出口付近で待機していたら、
船のトイレから、ものすごい大声で
「ウォオオオオエエエエエエエエエエ!!」って吐く声が響いてきてめっちゃ笑いました。
声的にどこぞのオッサン。
もう船は係留ロープで繋がれていてほとんど揺れてないにもかかわらず、
数分ずっと嗚咽していて、下船待ちのお客さん達もみんな苦笑い。
ほんとに揺れてたら貰いゲロするからやめて欲しい(笑)

お迎えの舟山レンタカーさんに連れられてオフィスまでレンタカーを借りに行き来ました。
「昔から、八丈富士と三原山の両方の山頂の雲が晴れたら梅雨明けって言われてるんですよ。
だからまだ梅雨明けしてないんです、島は。」
とおばさんが説明してくれた。それは知らなかった!
雲はかかっているけど天気は上々、海で泳いでる人もいる。
梅雨は空けてなくても、雨が降らなければ特段問題はない。カラッと晴れてくれたら清々しいけどね。
今日30日の予定は、
- Hasne Web Designさんとアポ
- 島に住む同級生と「カフェなないろ」でランチ
- TENNEI見学
- 底土のシーダイブドミトリーにチェックイン
です。
まずは待ち合わせの、スーパーあさぬまの横にあるジャージーカフェへ向かいました。
八丈島におけるフロントエンド開発の需要
Hasne Web Designさんの開発担当のチュータさん(仮名)にお会いしました。
フリーランスになったことを機に10年前に八丈島へ移住してきて、
以前から繋がりのある本土のお客さんから主に開発の業務を受け持っていらっしゃるそうです。
チュータさんはXにて、島暮らしの様子を漫画で公開されていて、島あるある満載でとても面白い。
(公式X) 離島のチュータ
電子書籍化もされているとのことで先日Amazonで確認したら0円で販売してました。太っ腹!!
今回の旅で僕が知りたかったことの一つが、
「ITへの需要が八丈島にどのくらいあるのか」です。
島の主要産業は、観光です。
夏に旅行で来る観光客向けの、
宿泊宿、飲食店、お土産の製造・販売、ダイビングショップなどがこれに当たります。
サーフィン、釣り、温泉目的で来るお客さんなども。
こうしたお店が沢山あれば、微レ存、公式ホームページの製作や保守運用の需要があるのでは?
しかしチュータさん達は島内の仕事も受けたことがあるものの、数はかなり限られていたそう。
「Xだけで済ませてるところは少なくないし、WixやWordPressで作ったやつ長年使い続けてるところも多いですね。」
開発にかけるコストパフォーマンスが見合わないんでしょうね、と僕が言うと同意していました。
「費用感も業界基準とはかなり開きがありますね。島の人相手に儲けたいは思わないです。
さすがに島内の仕事だけで生活を成り立たせるのは厳しいんじゃないですかね」
チュータさん達はフリーランスとのことですが、新しい仕事はどうやって得ているのか尋ねてみると、
基本的には普段受けているお客さんからの紹介だったりするほか、直接依頼されることもあり、仕事がないということで困ったことは今のところないそうでした。
普段はほとんど外に出ないし他にIT関係の話をする人も居ないので、
久々に技術的な話を出来て楽しかった、と言ってくださいました。
わかるー。
会社の同僚などでも、オフの会話だとあまり技術的な話ってあまりしないんですよね。
僕は技術的な会話が好きだから話題に出しちゃうけど、
自社の飲み会でも現場の苦労話かアニメ・ゲームなどの関係ない話になりがちです。
八丈島在住現役フリーランスとしての生のお話が聞けて良かったです。
チュータさんありがとうございました!
ふむ、やはり島内で仕事を受けるにしても、
生活を成り立たせるための柱として本土の仕事を継続的に貰える柱を作るというのは必須条件のようだ。
(公式Web) Hasne web design

明日葉チーズケーキとラテ
「おうちカフェなないろ」にてランチ
さてお次にやってきたのは、
三根の富士グラウンド付近にある「おうちカフェなないろ」です。
「みんなのひみつ基地」というフリースペース・レンタルオフィス施設と隣接しているお店。
草木の壁の迷路になっている通路をグルっと回り込むと開けたところに建物がありました。

ここで会ったのは旧友のカクヤ。
4年前に家族で八丈島に遊びに行った際にも仕事終わりに宿に来てくれて少し話しできたけど、
あれから4年。渋カッコイイ感じのおやじになってて羨ましい。
この店は、デザインはお洒落という感じではないのだけど、
「おうちカフェ」の名の通り、とてもアットホームで気兼ねなく寛げる雰囲気。
料理は結構幅広く、パスタやカレー、パフェなどのカフェメニューから、トンカツ定食などの定食、さらに蕎麦やラーメンなどもあってとてもバリエーション豊か。食堂という雰囲気が近いですね。
色々と近況報告をしながら、島の暮しについて聞いてみました。
カクヤは長年住んでいるし、横のつながりも広いので農林業、漁業、役所、教育、医療福祉、空港・運輸など知見が広くて、島の産業の全体像が一気に見渡せました。
やはり昨年10月に島を襲った台風22号と23号による被害がかなり大きく、
ようやくある程度生活が戻ってきた、といった具合。
道路の両端はコンクリートでざっと固めた応急処置のような状態で、
恒久的な対応となるとまだ時間がかかりそう。
まだ三原山の山中を通る車道は全部通行止めで、
ようやく登竜峠が開通して島を一周できるようになったくらい。
島の観光シーズンは夏だけど、冬場にも人が来ないわけではない。
台風が過ぎてからの冬の間にそうした観光客が来なくなったほか、暮しや仕事に影響が出て離島した住民もいる。
水源が被害を受けたところで生活インフラの見直しも余儀なくされて、
また倒壊した建物や倒木の処理などによって出た大量のがれきの処理もあるから役場はかなり忙しい様子だ。
あと興味深かったのは、家が足りないということ。
歳をとったりして生家を離れて残されたような空き家はあるけど、
年末年始やお盆に帰って来るから売るわけにはいかない、という家が多く残っている。
また所有者が亡くなってのち、子供たちが島に住んでいないなどの理由によって放置されて、
相続人が不明な建物もある。これは本土でも各地でよく聞く話だ。
うちの妻もそういえば、離島にルーツを持つご先祖がいたらしく、その関係で自治体による土地の買取への同意という手続きを以前やってた。よくある問題なのだ。
台風による被害で直接家が倒壊したところもあれば、今後の山崩れなどに備えて転居する人もいるだろう。
そうなるとどうしても家が足りなくなる。
また資材不足、人材不足、資材費用や運搬費用の高騰などによって建築がかなり厳しい状況に置かれていて、新しく家を建てるのも容易ではない。
僕らが学生時代は8000人台だった島内人口が今は6500人程度にまで減っていて、
台風の被害を受けた我らが母校富士中学校は、三根小学校と統合(合併というのかな?)することに決まった。
少子化も相まって、既に全面的に縮小、撤退する流れに入ってきている。
とはいえ産業やインフラを残すためには人は必要で、現役世代や若い世代には積極的に島に来てもらいたいのに、住む家がない…という別の壁が立ちはだかる。
「外部からのサポートもありがたいけど、ずっと住民税を払い続けてる人も認めてもらいたいものだよな」という言葉は多義的で、刺さりましたね。
と、そんな話をしていると、ある女性が話しかけてきた。
「お話を聞いていて、話しかけようかなとずっと気になってたんです。私も社会学を学んできていまして、住宅の問題など、今の島の課題について取り組んでいるんです。よろしければこちら、資料あるんで是非どうぞ!」
これにはめっちゃ驚きました。
僕が欲しかった情報が偶然入ってきたー!
この方は持丸沙代子さんといって、東京諸島リビングサービスという事業をされている方。
まさに、島内の空き家の活用や島内産業の活性化について、
自治体に提案したり、宿泊施設や移住促進のための活動をされているキーパーソンでした。
「移住の相談など、何か知りたいことあれば是非何でも聞いてください!」
と連絡先まで教えてもらえました。ありがたい!
家が足りないとなると、こちらは物理的、あるいは経済的な問題なので、ITによって一朝一夕に解決できるような問題ではなくなる。
島の活性化という問題に取り組もうとするなら、かなり腰を据えた活動が必要になりそうだ。
(公式Web) 東京諸島リビングサービスについて
八丈島に飛び地の拠点を持つTENNEI(てんねい)
島に来る前にHasneさんから、
島にはTENNEIというIT系の会社のオフィスがあることを教えてもらいました。
事前にアポを取ったところ快くOKを貰えたので、早速TENNEIさんのオフィスにお邪魔しました。
TENNEIのオフィスがあるのは、三根と大賀郷の二地区を区切る防衛道路の脇で、三根側にあります。
防衛道路は三原山に延びる車道で、前述の通り通行止めになってます。

左に降りていく道が正解。

オフィスの外観は島らしさがありますが、中に入ると一気にモダンな開発環境!
ギャップが凄い。
TENNEIは島内の企業ではなくて、
実際にはFIELD MANAGEMENT EXPANDという渋谷区青山の当たりにある会社の、
リモートオフィスのような施設です。
SDGsの一環として、クリエイティブとテクノロジーを武器とした実証実験を離島で行うということをやっていて、八丈にオフィスを構えています。
去る7月で5周年を迎えたそうだ。
島内での雇用創出ということにも今は力を入れていて、過去5年で9人(既に1人は離れてしまったので残っているのは8人)の移住を実現したそうです。
となると、島には結構な人数のITエンジニアがいる??
「離島に住みながらITで働きたいというエンジニアの方が、応募してくれています。
うちの会社は本土にあるので、そちらで営業部隊が動いて、仕事を取ってきてくれます。
なので直接島の産業に関わることは今のところないのですが、関係人口を増やす一環になっています。」
ふむふむ。
「弊社はイベント企画の仕事が多いですが、XRなどの仕事もやってます。プログラミング教室のようなものも過去に開催して、そこに参加して学んだ人もうちで働いていますよ」
なるほど、継続的に教室を開いているわけではないけれど、例えばもし島の学生が地域で働いているエンジニアから直接学びたい、と思ったときにアクセスできる場にはなっているわけですね。これは割と貴重な環境だと思う。実際過去に1名、職場見学に来られたこともあるそうだ。
今は猫も杓子もAI一色なので、僕の肌感覚では直近ではXRの需要は大きくなさそうだけど、
仕事内容はとても面白そうではあるし、XR×AIは間違いなくこの先発展していくはずだ。
島内の「お仕事掲示板」というサービスにも求人を出しているそうだ。
「そういえば再生可能エネルギーに関しても実験などされているようですね」
と尋ねてみると。
「はい、元々八丈島を選んだのも、地熱発電に取り組んでいるというのが一つのきっかけでした。
今は発電所は一時的に止まってしまっていますが、離島と再生可能エネルギーという組み合わせで将来性を感じて代表がここにやってきたのが最初の経緯です。」
地熱発電。これは興味深いキーワードが出てきました。
これについてもまた詳しく掘り下げていこう。
(公式Web) TENNEI

風力・太陽光発電機
関係人口になりたい
関係人口というのは、定住する人口に当てはまらない、地域に関係する人々を指します。
多拠点生活をする人、ワーケーションでやって来る人、定期的に遊びに訪れる地域のファン、ボランティアや農業体験、出張などで来る人なども含まれます。
完全移住するのは様々なハードルによって難しくても、頻繁にやってきて様々な形で地域に携わる人を増やすことで、地域の維持や活性化を可能にするという概念で注目されています。
何を隠そう、僕も地元である八丈島の関係人口に入りたいわけです。
長らく疎遠になってしまっていて数年に一度しか訪れていないけれど、ふるさと納税をする人も関係人口に含まれるとすれば、僕ももしかしたら既に関係人口に含まれるのかもしれません。
社会はヒト、モノ、カネ、情報というリソースが動くことで経済が回り、活性化します。
全国、というか世界中の拠点となっている大きな都市は、こうしたリソースのハブであるからこそ栄えているとも言える。
田舎は、リソースのハブでないから、中々活性化しにくい。
逆に言えばリソースが循環するような仕組みを作ることで、活性化させられるわけです。
関係人口として多様な人が出入りすることで、このリソースの流れが出来る。
「永住する気がないなら乱すだけだからヨソモンは来るな」では、衰退の一歩を辿るのみです。
当然、永住するくらい深くコミットする人が多ければそれには価値がありますが、
外から新鮮な風を持ち込んでくれる関係人口的な人も、活性化には役立つのです。


父の店、旧レッドホットチリペッパー跡地
おわりに
TENNEIさんにお礼を言ってから、この日の宿、シーダイブドミトリーへとチェックインしました。
確か昔からここにダイビングショップがあったのは覚えているので、おそらく結構歴史長いはず。
個室のゲストハウスのほか、ドミトリーもやっています。
今回は1泊だったし、他の宿泊客との絡みはなかったですが、外国人旅行者が何人もいらっしゃいました。

ベッドの足側が全面窓張りで、起きた瞬間から海が見える
台風被害の初期対応が落ち着いたのち、減ってしまった観光客の流れを再開するために、
東京都が「復幸旅」という施策を実施しました。
これによって八丈島と青ヶ島の宿の割引宿泊券や、旅行会社を通じた割引ツアープラン、島内でのお買物券などがかなりお得に販売されました。
僕は復幸旅について知ったのが遅かったのですが、シーダイブドミトリーの宿代は(おそらく復幸旅の)おかげで安くなりました。
素泊まり5000円が3000円に。助かります。
(公式Web) 八丈島シーダイブ

一般的なドミトリーの2段ベッド。部屋には簡単なキッチンもあります。
友人のヨシミツから夕飯を一緒に食べようというお誘いもあり、
この日は居酒屋カズにて飲み食いしました。
カズ、メニュー数凄い。
島唐入り卵焼き、チヂミ、トマトのカプレーゼ風サラダなどどれも美味しかったです。


カプレーゼ風トマトサラダ、もつ煮、豚の角煮
初日からかなり充実した1日になった八丈島リサーチ旅でした!
vol.2につづく。
おまけ
僕が島で一番好きな場所、三根のほたる水路。

水源の方は重機も入っていて工事中。Uターンできるくらいの余裕はあります。

写真では伝わらない巨大すぎるガクアジサイ

山肌が痛々しい。

八幡宮神社はお変わりないようで。
以上!モイモイ。

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