ジブラルタル海峡を渡って

2018年12月9日(日)
Morocco Tanger 〜 Spain Algeciras 〜 Granada
モロッコ タンジェ 〜 スペイン アルヘシラス 〜 グラナダ

朝ごはん食べらんなかった。
早朝の出発だからね。

バス停までのタクシーは30ディルハムらしいけど、多分歩けるはず。
5:40頃に宿を出発しメディナから海沿い道路に出た。

暗い港

まだ真っ暗な街。
立体交差してる道路には車も走ってるけど、バスは全く見当たらない。
バス停は遠くにいくつか。

多分あっち…
と当たりをつけて、東方面に数百メートル歩いていくと、何もない街角に10人前後の市民が釣り用具を持って立っているのが見えた。

よし、ここだな。
聞くと、たしかにここにバスが来るという。

「ちょっとこれ、何時までにバスが来なかったらタクシーに乗るか、時間制限をつけましょう!」

今日の出国のお供、リョータくんが提案した。

「えーとえーと、フェリーの最終チェックインが45分前だから8:15で、バスが少し早めに着くことを考えて7:00!」

「でもタクシーだとお金足りないですよね?」

「そう!タクシー代は200ディルハムらしいから全然足りない!でもあそこにATMあるから、時間になったらお金下ろそう。だから、6:57になったらおしまいね!」

頼むうううバス来てくれええええ!
結構待ってる人がたくさんいるから多分そう長くないはず。

でもそんな甘い考えはしな

「来た!バス来ましたよ!!」
キターー(・∀・)ーーーー!!!
6:43!助かった!

 

地元の釣り人や港湾作業員らしきおじさん達を乗せて、古びたバスが真っ暗な道を進む。

7:30に、チェックしていたバス停近くに着いた。

降りてすぐのところにいた、太っちょメガネという即信用できる雰囲気のお兄さんに港の入り口を尋ねる。
太った人とメガネかけてる人はだいたい優しい!

「9時発のフェリーでしょ?うん、そこ歩いてすぐ左に曲がれるから、その建物だよ!」

ショコタンんんん!!
あ間違えた
ショコランんんんんん!!
ギザ優しす!!

ターミナル入り口でたむろしてるタクシー運転手の2人に「ニーハオー!チャイナー!ヒャヒャヒャヒャ!」って胸糞悪くなるような馬鹿笑いを頂戴して無事入港した。

ターミナルの入口

ターミナル入り口のセキュリティーチェックは、係員がこっち見向きもしない。

ピピーッてなるゲートを荷物引いたままなんのリアクションもなくスルーして、
フェリー会社FRSの窓口でチェックイン。
支払いは15,23ユーロ。
クレジット支払いが出来てありがたい!

船のチケット

スマートフォンの確認メールに記載されてた予約番号とパスポートだけ渡してチェックイン終了。

やたらしつこく金くれ金くれって擦り寄って来るウザい乞食に割と強めのノーを突きつけて近くの売店へ。

ヨーグルトを買った。
食べ物はお菓子くらいしかない。

代金が手持ちすべてを叩いても1ディルハム足りなくて、
店員さんが「大きいお札渡されても日曜だからお釣り払えないし、1ディルハム程度ならいいよ」と負けてくれた。
優しい(´Д` )

その少し横にカフェもあった。
ユーロ支払いも可能という。

そうか、なら今のうちにユーロの財布を引っ張り出すか。
小銭入れをカバンから降り起こした。

うん、10ユーロ分くらいある。
カプチーノとモロカンパンケーキ。2ユーロ。
安し。

モロッコ風パンケーキ

黄色い紙に必要事項を書いてパスポートとともに提出し、すんなりと出国できた。
チュニジアに向かう時と似てるけど、やはりこっちの方がちゃんと秩序がある。

フェリーに乗る時に車がぶっ飛んで来る横をすり抜ける必要もないし、
席や荷物を置く場所取りで走り回る人もいない。
先進国!!

フェリーの入り口

入国手続きを船の中でしないといけないって記事をネットで見たけど、あれはモロッコ入国のときだけなのかな?
船員さんに確認したら下船した後だよと教えてくれた。

メニュー表

みかんとリョータくん

船の窓から見える朝日

日記書いたりパソコン作業してるうちに船はスペインに着いた。
Wi-Fiはなかったけど電源が充実してたから嬉しいね。

さすが2時間だと早いな!
あ、あれ?

ジブラルタル、全く見えなかったな…
(^_^;)

コンテナに収納されていたバックパックを回収してタラップからターミナルビルへ移動。
乗船者が少ないからパスポートコントロールもあっという間だった。

シェンゲン協定加盟国内の滞在可能期間が残り3日だけなのが気がかりだったけど、日本人?って聞かれただけであとは何もなし。
スタンプをバンっ!!!
押してもらえた!よかった!!!!!

11:30、スペイン入国!!

ターミナルの駐車場と晴れ空

港の建物に登録式のフリーWi-Fiがあってそれが激早だったおかげで色々調べることができた。
ふむ、列車もバスもあるんだな。
バスは次が14時の直行で値段も安そう。

リョータ君がバスチケットを買える場所を場所を確認してきてくれた。
港から少し歩いた、鉄道駅のすぐ横にあるそうだ。

一気に先進国のものになった街を楽しみながら歩くこと10分程度でバスターミナルを見つけた。
Estacion Argeciras。

チケットがあるか窓口で尋ねたら速攻であると返答をもらえた。
よっしゃ!

 

14:00発。
ALSAってバス会社で26.80ユーロ。

発車までの時間に、バスターミナルビル内のレストランでお昼ご飯を食べることした。

ビュッフェのカウンター

なんと!
パエリヤがある!!!

なんだとおおおあお!!!!
念願のパエリャ!!!

しかも値段が!

ドリンクも付いて5.50ユーロ!!
なかなか安いじゃん!!
って最初思ったけど、完全にモロッコ感覚のせいでマヒしてる。

日本だったら1000円以下でパエリヤなんて食べられないだろう。

ドリンクにはビールまで選択肢に入ってたから、そりゃあビール選んじゃいますよね。
そりゃあね。人の子ですから。(?)

スペイン着いて早々パエリヤとビール!!
贅沢!!

パエリヤとビール

あああうまひいい!

リョータ君も、昼からビール飲んじゃってますよーって言って笑ってる。
ここは日本じゃないすからね!

日本だと周りに変に見られるというか、「非社会的な人間」のレッテルを貼られかねないけど、
こっちだとみんなビールどころかワインまで飲むからね。
罪悪感なしにいけますよ。安いし。

2人ともあっという間に食べきった。
モロッコ料理も不味くはないし、タジンとか大体なんでも美味しいけど、
やっぱりスペインには負けるわ。

イタリア、スペイン、フランス、トルコ。
地中海沿岸はとにかく飯がうまい。
アルバニアはアレだったけど。

気候の関係なんだろうけど、
肥沃な三日月地帯から地中海沿岸にかけては動植物の多様性が古来からあった。

地中海沿岸地方は、その植物多様性の影響でいち早く人類の祖先が定住農耕生活を始められて、そこから他の地域の狩猟採集生活の民族に対するアドバンテージを得られたという経緯がある。

食料の安定供給
→人口増加
→疫病への免疫も獲得
→労働力・戦力の強化
→研究や発明などをする余裕のある人員をまかなえる
→文字や武器の発明
という流れだ。

その経緯を考えても、食に対する歴史が長いことがわかる。

豊富な食材を得ることができれば、自然と料理の質も上がるってもんだ。

その一方で。
イスラム教の国々の食も国のシステムも貧弱なのは、どう考えても宗教が原因だよなぁ。

食に関してはあきらかに、資本主義諸国が強い。

そしてちょっと食からは話が逸れるけど、経済面を見ても、イスラム教国や社会主義国は上手くいってないのが目に見えてわかる。

地中海沿岸のみならず、寒い北欧地域や、時代的に遅れをとった日本やアメリカの経済システムだって、現在は強い。

文明が独自に発達することがなく、伝達を待つ立場だった上記の地域でも、
その遅れを取り戻すことができた。

その一方で、かつては栄華を誇ったメソポタミア、アッシリア、エジプト、黄河文明地域、それにロシア帝国。
どこもその力は失われてしまった。
(中国は今は強いけれど)

独裁の傾向が強いイスラム教国、社会主義国は、
トップダウンによる一点集中が可能だからその分、規模の大きい、
芸術価値の高い建造物が生み出されてることは多いけれど。
ただ、民が幸せに暮らす上では、非効果的と言わざるを得まい。

さて、食べ終えて水を買ったらバスに乗った。
14:00出発。

リョータ君はよく寝てたけど、俺は音楽を聴きながら。
酔うから読み書きは出来ない。
そうなると音楽を聴く他ないんだよね。

旅中あまり音楽聴けてないからその分好きな曲を集中してガッツリ聴けるのは嬉しい。

 

夕方にグラナダに到着した。
バスターミナルは中心部から離れている。

一旦最寄りのマクドナルドでWi-Fiをゲットして、
調べ物や宿の予約、飛行機の予約、バスの予約等を2人してウンウン唸りながら済ませた。
こうやって集中して旅行の手配をする時間も必要だ。

マクドナルドのコロッケとコーヒー

グラナダからバルセロナまで明日の飛行機で向かうことになった。

ここグラナダにも小さいけど空港があって、Vueling航空が就航している。
もっと早く予約していれば1000円安かっただけに悔しい(T_T)

ヨーロッパの移動の基本は、早め早めの予約ですね。

バルセロナに着くのが夜遅いから明日の晩は空港泊して、
その翌日は1日観光して、その日のうちにイギリスへ飛ぶ。
シェンゲン協定加盟国内の滞在期間、これでピッタリ90日だ!

ホステルを近くに取れたので、そこまで路線バスで向かった。
1.40ユーロ。

バス停近くの雑踏

イルミネーションの綺麗な道

バス停を降りるともう街並みがクリスマス仕様に飾り付けられてる。
うひょーーいメッチャきれー!!!

男2人してはしゃいでしまった。
うおお綺麗いいい!!
バス停のすぐ近くにデカい教会もあって、そっちもヤバい。

鐘楼がライトアップされた教会

グラナダおそるべし!!
「ホステルでゆっくりしようと思ったけど、これ外歩きたいですね!」
同感!

ということでホステルを見つけてチェックインしたらすぐ外に出た。

巨大なイルミネーションツリー

写真を撮りながら町歩き!
ヨーロッパは、改めてマジ綺麗だわ!
落ち着いて安全に歩けるし、楽しすぎる!

照らされた夜道を歩く人々

スペインはご飯が安くて美味しい、と聞いていたからワクワクしながら周りのレストランのメニューを覗き込むけど、
安くない(´・ω・`)

大体パスタで11〜15ユーロ、メイン料理が30ユーロから。
話が違うぜーとっつぁーん。

ショッピングストリートに並んでるお店も、お高そうな、綺麗な服屋。

寒くなってきたしもういい加減に見つけちゃわないと、と決めたのが、
お客さんで凄い賑わっていたサンドイッチとビールのお店だった。
店の外にまで行列出来てる。
Joo Montaditosって読むのかな?

賑わうお店の入り口、Joo Montaditos

ミニコッペパンみたいなやつに具材を挟んだミニサンドが何十種類もあって、みんな1人3個くらいずつ頼んでる。
サラダとかポテトのメニューも割とある。

テーブルの上の食事

生ハムのミニサンド、チーズソースのナチョス、ビール、サラダ、手羽先などを頼んだ。
これだけ全部頼んで、ビール2杯飲んで、11ユーロくらい。
ここは安い!
そりゃみんな列を作ってでも入ってくるね!

生ハムを挟んだコッペパン

我らもビールジョッキで乾杯をしてお喋りの雑踏に同化した。

ビールを飲む

リョータ君のお父さんは経営者の家系だそうで。
お姉さんも起業するという話だし、リョータ君も仕事=起業という認識を持っている。

一方、うちの一族は個人主義が強くて、
好きなことをしようよっていうタイプ揃いだから、手に職の家系だ。
だから俺の仕事の認識は、「自分のやりたいことを見つけて腕を磨いていく」ってイメージが強い。

友人には教員の家系とか、両親が公務員だから安定した職ってことでサラリーマンとか、みんなサラリーマンとか、みんな医療関係なんて人もいるけど。
人が就く仕事は少なからず自分の親の影響が大きい。

さて、そんなリョータ君は建築士志望だけど、やはり一般的な企業勤めの仕事は考えてないようだ。

「大手の建築会社には、アッチ系(ヤクザ)のも多いんですよ。経済ヤクザってやつ。
電気関係のとこだと荒くれ者も多くて、現場監督をやろうとするとそういった人たちをまとめる能力も必要になるから、大変なんすよね。人を使う能力です。
僕のお父さんはそういったのスッゴイ強いんすけど。人心掌握術です。」

ははぁ、そりゃ俺にはムリだなぁ。
俺はもう小学校んときからそういった運動神経だけの暴力的な連中とは大体敵対してたし。

「僕の目標は、お父さんを超えることです」
と、リョータ君が言いのけた。
おお、やるなぁ!

超えるっていっても、具体的に何を超えるのだ?
「うーん、年収、かなぁ」
ふむ、そうなるやんね。

聞いたところ、お父さんとリョータ君はかなりタイプが違う。
お父さんは圧倒的なリーダータイプ。

自信もあって、勉強家で、先を見通しながら、周りの人たちを味方につけて大胆に突き進んでいく。
リョータ君はもっと感覚派で、モノづくりのアーティスト×職人タイプ。
人の心を読むホスピタリティもある。

タイプが違うから、お父さんのやることをなぞって越えようとするとうまくいかないはずだ。
リョータ君はリョータ君のやり方で、自分の特性を活かして仕事をしていけるといいよね。

食べ終えて宿へ戻った。

宿の4階。
いかにもヨーロッパらしい石造りの重厚な建物だけど、屋内はリフォームされていて一般的なホテルの様相だ。

同室は4人部屋。
フラットベッドが4台並んでいる。
エチオピア人の若いおじさん、ドイツ人のふくよかな女の子、それに俺ら。

時間も遅い。
今朝は早朝に出てきたからすでに瞼が落ちてきている。

昨晩より10年くらいタイムスリップして現代に戻ってきたかのよう。

シワが伸ばされた白いシーツの上に手足を投げ出した。

ここはスペイン。
クリスマス飾りが鮮やかに飾られた12月のヨーロッパ。
戻ってきたぞ。
ニヤリ。


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