エミリー

2019年2月27日(水)

Mexico Mexico City
メキシコ メキシコシティ にて

8時に目を覚まして居間に行ってみたけど、ヘクトルはいない。
靴もない。

あー!朝にアポがあるから早めに出るって言ってたんだよな。

目覚ましかけとけばよかったあああ!!

 

部屋でメールサーバの不具合とか調べてたらリビングで物音がした。

ん?!

 

「あ、おはようー」

「ヘクトル!もう仕事行ったと思ってたよ!」

「いやー昨日、後からアポの時間が後ろにずれた連絡があってさ。その分寝てたんだ(笑)
でももう急いで用意しなきゃ。コーヒー飲む?」

 

素早くコーヒー飲んでシャワー浴びて、あっという間にヘクトルの出勤の時間。

「それじゃ、今度こそお別れだね!楽しかったよ!また連絡ちょうだい」

こっちこそほんとに、大学の時みたいに音楽の話で盛り上がれて最高に楽しかったよヘクトル!
ぜひ日本に来てもらいたいなー!

 

ヘクトルを見送った。

さぁ、俺も支度しなきゃ。

朝食用バターコーヒー

朝ごはんにバターコーヒーとフルーツとヨーグルトを食べて、シャワー浴びて掃除して、荷物もまとめた。
忘れもんはないな。

時間まで少しだけプログラミングしてから家を出た。

 

家の近くのバスで1本、約30分。
大層混雑しててくたびれてしまった。

TORRE LATINO AMERICANA

待ち合わせのラテンアメリカタワーの前に着いた。

バスを降りた目の前が待ち合わせ場所。
時間は2分前。
完璧だね!

えーと、彼女はどこかなどこかなー

来ませんね〜。

エントランスが他にもあるかもと移動したけど、いないぽい。
まぁメキシコ人は時間にルーズっぽいもんね!

 

30分経過。

うん、これはよろしくない。

 

少し移動したらフリーWi-Fiを捕まえられた。
案の定、メッセージが来ていた。

「ロススペシアリテの前で待ってるよ」

Los Especialite。
タワーで待ち合わせてから行く予定だったレストランだ。

ダッシュ!!

 

はぁはぁ、お、重い!
荷物が重すぎる!

「ロニー!」

レストランの前、声がかかった。

 

「エミリー!!!」

そう、ここで待ち合わせをしてたのはエメリー!

エディンバラでクリスマスイブに会って一緒に山登ったりした、あのエミリー!

「ごめん!!待ったでしょ!30分以上前に来たんだけどさ」

「えー、こっちもそうだよ!」

どうやらタワーの別のエントランスで待ってて、俺がいないのをみてレストランの方に来ちゃってたみたい。

取り敢えずレストラン入ろうかー。
もう15時近い。腹減ったー!

 

ロススペシアリテスはウーゴが教えてくれたオススメのタコス屋さん。
レストランとはとても言えない、食堂と炊き出しを足したようなところだ。

せ、せっかく美女と一緒に食事なのにムードねぇ(´Д` )

こんな所に誘ってしまってごめんね…!

 

でも
「ここ美味しいのよね!」
とエミリーは嬉しそう。

そ、そんなら良かった( ´∀`)デヘヘ

 

アドボという、挽肉と玉ねぎを炒めまくったものを混ぜたペーストがメインみたい。
うち1つは豆のを選んだ。
見た目はほぼ一緒。

店の奥にある空いてる席を探して、周りにおいてある野菜やソースを適当にトッピングできる。
レタスとかあった。とても嬉しい。

アドボのタコス

「いつこっちに帰ってきたの?」とエミリーに尋ねた。

「1週間前だよ。急に仕事で一斉解雇があったんだけど、その直後に前に働いてた今の職場から戻ってこないかって誘いがあったの。
でもひどいのが、明日来れたらって条件よ。仕方ないからすぐにチケット取ってこっちまで飛んできたの。」

お、おお。なかなか攻めてる会社人事だなぁ。

 

2人で手を汚しながらタコスを完食した。

うまい。かなりうまい。
これで1個7ペソという、この1週間で最安値だからビビる。

早く来れば良かったなぁ。

ソカロ広場の物産展

前に一度来たソカロ広場にはテントが沢山出ていた。

「あ、なんかオアハカのものを売ってるフェアらしいよ。」

ほう、あれか、物産展みたいなものか。
にしても規模がスゲェ。

色んな商品

適当にまっすぐ突っ込んでいった。
食べ物、服、土産物、なんでもあるね。

あ!これは!

「え、コオロギね…食べたい…?」

「ちょっと気になる。前に食べたコオロギラーメンうまかったからなぁ。」

「人気ってほどのものじゃないけど、確かにメキシコで食べられるね。私は食べたくないけど…」

ってことで購入。

売ってる虫

さくさくさく…

もぐもぐ

…なんか酸っぱいんだな…
まぁイケるけど、この酸味が強すぎて、出来ればなんかと合わせるなり調理するなりして食べたいかな〜。

「インスタに載せてたあのサソリ!いったいどこで見つけたの?!売ってるところなんかあるんだ〜」

「サンフアン市場だよ!歩いていけるよ。行く?食べたい?」

「ヤダヤダヤダ!」

うん、まぁ、高いしね( ´一` )

ジェラート

女の子と食べるならやっぱりアイスとかの方がいいね

ソカロ広場の横

「どこ行く〜?」

この辺りは大体見ちゃったからな〜。
あそうだ、この広場の横に宮殿があるって聞いた気がする。

「宮殿?」

調べてみよう。

にぎやかな大通り

…えーと、うんある。

Palacio Nacional、その名も 国立宮殿。

エミリーが係員に尋ねたら、入場は無料でパスポートを提示すれば入れるらしい。
いいじゃんいいじゃん!
早速並ぼう。

 

少し並んだらすぐ入館!
気になっていたこの大荷物も預けられた。

エミリー、ここはなんの宮殿なのかな〜?

「知らな〜い」

ふ〜ん(´∀`)

国立宮殿の中庭

国立宮殿の中の俺

お、かっこいいところに出ました。

3階建ての回廊に囲まれた中庭とメキシコ国旗が陽の光に照らされている。

宮殿の3階建ての回廊

人の絵が描かれた階段

階段に壁にびっしりと描かれた人人人。
きっとメキシコの歴史を描いたものなのだろうってことは想像がつく。

「そうだね。これは右側が古い方ね。ずーっと昔だけど」

古代文明、神々の世界から、アステカやマヤの時代、スペイン人の侵略とメキシコ建国、独立戦争、宗教対立、政治的なエピソード、人権闘争などなど、全く詳しいところは分からないけど、大勢の偉人たちの奮闘によって現代へ繋がっている。

歴史の中の人たち

これ、日本バージョンとかフィンランドバージョン見てみたいなぁ。

スサノオとか天照大神、邪馬台国の卑弥呼、神武天皇から平氏と源氏、各時代の幕府や朝廷。
戦国時代、鎖国と開国、文明開化、各国との戦争、明治維新、急速な近代化、戦後好景気とバブル崩壊。

これだけの密なエピソードを詰め込んだ絵があるなら超見たいな。

 

「エミリーは歴史好き?」

「好きじゃないけど、嫌いでもないよ〜。難しいんだよね〜」

「そうだよね〜(´∀`)」

メキシコの樹木が植えられた庭

廊下に沿っていくつかの小部屋があって、それぞれに歴史的な地図とか、首相の肖像画とか、建国文書などが展示されてる。

さながらリアルな近代のメキシコを学べる歴史博物館ってところだ。

議会ホール

こんなホールも。

天井になんかフリーメーソンを思い起こさせる三角に目が描かれた気味が悪いモチーフがある。
なんだろうな。

 

こじんまりしてたから国立宮殿は30分くらいで見て回れてしまった。
ちょっと寄るのにちょうどいいくらい。

 

さて、エミリーは仕事のためにこれから空港に向かう。

俺は夜のバスのためにバスターミナルに行かなきゃだけど、その前にWi-Fiを見つけてどこのバスターミナルなのかを確認しないと。

「多分Norte Autobus だと思うから、それなら一緒に空港まで来ない?空港から地下鉄1本で行けるし、空港のカフェで割引が効くから時間潰すのにはちょうどいいよ」

それは良い!

San Lazaro駅

混んでる地下鉄を3回も乗り換えしてようやくメキシコシティ国際空港に着いた。

直線距離だと結構近いのに、アクセスは良くないんだな。
そして地下鉄の乗り換えに階段の上り下りがめちゃめちゃ多くてキツイ。

エスカレーターとか全然ないんだもんなぁ。
エミリーの荷物を持ってあげたいところだったけど悲しいことに俺が手一杯に持ってるもんだからな…

 

残念ながら空港にあったエミリーのオススメの、コロンビア初のカフェっていうのは閉店してしまっていた。

「えー!残念んん!!ここにあったのに。コロンビアに次行ったら大っきいコーヒー買おう…」

 

一旦別れてから10分くらいでエミリーが戻ってきた。

フライトアテンダント

エミリーはフライトアテンダント!
制服姿カッコいいな!

「そういえばインスタグラムに機内の写真とか載せてるけど、それオッケーなの?」

「大丈夫だよ。今なんかコンペティションとかしてるしね」

へー( ゚д゚)
結構フランクな感じなのね。

 

他の適当なカフェでお茶しながら話した。

あ、ここのラテアート秀逸。

白鳥のラテアート

エミリーが飛んでいるのは南北アメリカ大陸。
カナダからチリまで、南北に飛んでるから時差ボケはなくて済むようだ。

「今日はこれからトロントに行くの。雪見るの楽しみ〜」

はい、可愛すぎ。

ってかまだ雪あるのかなトロント。
2ヶ月前より暖かくなってるだろうな。

ツーショット写真

エミリー、会えて嬉しかったよ!

またどっかで会えるといいね!
まだダブリンにいるエンリケも!(笑)

優雅にカバンを引いて空港の雑踏に消えていくエミリーを見送った。

 

少しネットしてたけど、適当なところで早めにバスターミナルに行くことにした。

 

AUっていう、どこぞの携帯キャリアみたいなバス会社が1番安い。

本数は多いけど、23:30発のは6時間で行けるみたいだから窮屈なのは短時間で済むし、到着も5:30と早すぎない。

バスターミナルはNorteじゃなくて、San Lázaro っていう駅の近くのOriente Terminalだった。

地下鉄

地下鉄だとどうしても迂回しての乗り換えが必要なんだな。
すぐ近くなのに40分ほどかけてバスターミナルへ。
パンティーライン…じゃなくて、パンティトランって駅で乗り換え。

うー、いちいち階段がキツイ!!
身体が鈍ってんなー。

電車の中のお菓子売り

地下鉄の中で知らんおじさんがみんなにお菓子セットを配ってた。

な、ナニコレ!サービス?!怖くない?

オロオロしてたら案の定、
車両の端まで行って引き返してきたおじさんがみんなに渡したお菓子を回収しながら戻ってきた。

???

あ、なるほど、こうやってお菓子を手渡して、
欲しいものがあれば取ってお金を払う仕組みか。

引っかからなくてよかった…!!

めちゃ広いバスターミナル

AUの乗り場発見。
Wi-Fiもゲット。よしよし。

ウェブ支払いだと490ペソに78ペソもの手数料が上乗せされてしまう。

超絶不服だけど、現金がないから仕方ない。

ポチッと。

一斉に決済完了の確認メールが飛んでくる。

ウェブサイトのBusbud、支払いのPayPal、カード会社のエポス。

でも肝心なBusbudのメールには、「なんらかの理由によりチケットの発行が出来ませんでした」とか書かれてる。

オイオイ!!

確かにペイパルとエポスをそれぞれサイトで確認すると、支払いへの承認はされたけど決済はされてない。

なんでだ?

 

よくよく確認すると、「指定のバス会社は、会社の指定する通貨での決済しか認めません。」とある。
PayPalのシステムを確認したら、確かにわざわざ円に直して支払いされていた。

設定をし直して、再度ポチっ。

一斉メール。

でもやっぱりエラー。

なんでー。

今度はPayPalを使わず、クレジットカード入力でポチッ。

 

一斉メール、そしてエラーメール。

W(`0`)W ムキイイイ!!

ダメだ、出来ねぇ!

 

財布をまた確認。

ちーーん

う、うん…
大きい金額の現金持ち合わせなんてないですね…

よし、したらば現金の確保だ。

 

ATMでキャッシングを試みる。

今日は27日、楽天カードの支払日。
カードの限度額は支払いを持って更新される。

っしゃああこれでようやくこの厄介な問題から解放されるぞおおお!!!!

「使用可能額オーバーのため引き出しは出来ませんでした」

ほ、ほへ…

なんでまだ更新されてないの…
日本時間だともう11時過ぎてるじゃん…

 

調べてみたら、楽天カードの限度額が更新されるのは、27日の支払いが”確認されてから”。

楽天銀行からの引き落としなら当日か翌日に回復。

他行の場合は2〜4営業日以内。早いと翌日に回復の可能性も有り。

ダメだー(´Д` )
今日は引き出し出来ない!

 

マジで、ほんとに不服だけど、手持ちの20ポンド紙幣を両替しなきゃか。
両替手数料は高いし、レートが高い時に替えたかった…。

 

このバスターミナルには両替所がひとつしかない。

行ってみると、

シャッターが閉まってる。
営業時間は20:00まで。

 

次の最寄りは、

空港ですねバカヤロオゥー!♡

あああああああムカつくううううううう!!!

さっき両替しとけば無駄足せずに済んだのにいいいいい!!!

 

ゾンビのように死んだ目をしながら再び地下鉄の階段地獄に踏み出した。

 

カバンの取手が掌に食い込む…

 

40分かけて空港にまたこんにちは。

バスターミナルには1軒しかない両替所がここには20軒くらいある。

ターミナル中を歩き回って、1番レートのいい24.40の窓口に決めた。

 

「は?今日はもうお終いだよ?帰んな?」

ウゼェその態度。

 

次にレートのいい24.35の窓口。

「あー、ごめんねー、今日は営業終了だよ。タコスでも食えば?」

はい、次。

 

あ、さっきの24.35の他の窓口も閉まっちゃった。
へ、へへへ…

空港の両替所

最終的になんとか24.30で両替できた。

よっしゃ現金んんんんん!!
これがほぼ手持ちラストの現金だ!

人のいないメキシコの地下鉄

帰りの地下鉄も人が減ってほとんどいない。

もう23:20。最終バスは23:59発だったはずだ。

し、死ぬ…肩が死ぬ…
腹減った…

 

腐りかけたゾンビと化してバス窓口へ。

チケット売り場

英語が話せる気のいいおじさん。

パソコンカタカタカタ

「あー、ウン。今日のオアハカ行きバスは全部売り切れだね。明日の1番早いのが7:00発だよ」

こんだけ奮闘して、全部パァかよ…

 

夜行バスなら寝てる間に着けるからちょうどいいのに、朝7:00からだと、半日潰れちまう。

でも他に選択肢なんかない。
オアハカのホステル、予約しちゃってるから。

しなくても良かったのにいいいい!!!

なぜ予約したしオレ(´Д` )

 

まぁいい。まぁいい。落ち着こう。

「7:00発のやつは特別価格だから462ペソだよ」

お、安い!200円分くらい安い!

いいね、明日それ乗ってこー。
おじさんありがとー。

 

近くのベンチですぐ夕飯。

食パンにアボカドとマヨネーズを乗せる。
今日は贅沢に少し醤油も垂らす。

アボカド乗せパン

もしゃもしゃ…

はぁ、疲れた…

 

寝るなら断然空港のほうがいいけど、もうとても地下鉄乗り継いで行く気にならない…
タクシー安いし、思い切ってタクシー使っちまうか。

コヨアカンのとき、10分くらいで30ペソとかだったもんな。

ここからだと空港まで15分くらいらしいから、地下鉄の5ペソに比べたら6倍以上もかかるけど、それでも200円以下。

うん、ここは使ってしまおう。
しっかり身体を休めたい。(空港の床泊だけど)

「すみません、空港まで行きたいんですけど」

「あぁ、あそこの窓口で切符買ってね」

タクシーなのに窓口で切符買うスタイルなの…?斬新ですね?

 

「空港までの切符ください」

「140ペソです」

「さようなら」

 

はぁ?!値段上がりすぎ!!!!
夜間割増?
にしても盛り過ぎだろ!!

無理無理!そんな払っちゃったら明日オアハカ行けても宿代払えない!

ってことでバスターミナル泊決定。
あああ。

 

眠い…

いい場所がないけど、仕方ないからフードコートのベンチの下にマットと寝袋を敷いて簡易ベッドをこしらえた。

俺がそこに横になると、周りでどうやって寝ようか考えていた人たちも同じように次々に床に寝始めた。

 

床掃除をする機械の音が響く。

下水の匂いがどこからか漂ってくる。

 

上手くいかないからこそ楽しい、か。
お金や時間を浪費してしまうのは楽しくもなんともないけれど…

これも後になれば笑えるエピソードだ。

そう思い直して眼鏡を外した。

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